• 2016
  • 03/04
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万物も甦る啓蟄



春の陽気を感じ、地中で冬ごもりしていた虫たちもはい出てくる啓蟄。
久し振りに感じる爽やかな風と、麗らかな春の光の中で動き始めます。
陽光の中に春を感じ始める頃、一面黄色い絨毯の菜の花畑にはひらひらと蝶も舞い始め、
野山からは小鳥たちのさえずりが聴こえてきます。
日に日に寒さが和らぐ中で、葉のない木々の枝から新芽が吹き出すように
私たちも重いコートを脱ぎ、戸外で春の柔らかい風を肌に感じましょう。
3月5日は二十四節気の「啓蟄」です。



二十四節気
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啓蟄 けいちつ     3月5日~3月19日頃

「蟄」とは冬眠している様子を言い、「啓」とは動作や行動をするということで、文字通り地中で冬ごもりしていた虫が春の到来を感じ、草木が芽吹くと同時に地上へ這い出してきます。
吹雪の怖しい自然界もやがて終焉を迎え、陽春がみなぎり、融けた雪の後には緑の草木が生えそろうでしょう。重いコートを脱ぎ捨て、爽やかな空気を思いきり吸える春です。
この時期、桃の花も蕾を開き始め、北国では福寿草が咲き始めます。芽を出したばかりの毒性が強い福寿草、ふきのとうと間違わないようお気を付けください。関東では紋白蝶が見られるようになり、野山では鳥の鳴く声があちこちで聞かれ始めます。
暦便覧には「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と記されています。
中国では啓蟄のことを驚蟄といいます。その後、唐時代の一時期、啓蟄が使われていましたが、その頃日本でも啓蟄として使うようになったのです。二十四節気の名称のうち、日本と中国との間で違うのはこの啓蟄だけです。



七十二候IMG
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第七候  蟄虫啓戸 すごもりのむし とをひらく    3月5日~3月9日頃 

土の中に穴を掘って隠れていた虫たちが、土の扉を開き出てくる時季です。
土から出てくる様子を、戸を開くと表したのは、戸を開けて新しい風に吹かれたい気持からなのでしょうか。気温も上がり、虫たちも陽光に誘われて姿を見せ始め、自然界がいきいきと輝いてくる頃でもあります。
「蟄居閉門」ということばがあります。江戸時代、武士または公家に対して科せられた刑罰のひとつで、家に閉じこもり門を閉じ、来客や家人の出入りを止める謹慎処分ですが、元々は家の中に籠もっているということです。渡辺崋山は高位の武士としては蟄居という最高刑といえる、今でいう無期懲役に処せられました。

第八候  桃始笑 もも はじめて わらう      3月10日~3月14日頃

桜や梅の華やかさの陰に隠れながらも桃の蕾が咲きかける時季です。昔は花が咲くことを笑うといいました。競うように桃の花がほころび始め、漂う香りが人々に改めて春の訪れを実感させてくれます。
この時季五弁の花を咲かせた桃の花は、夏に水分が多くて甘い果実を実らせます。「もも」は、多くの実をつけることから「百(もも)」とする説があり、邪気を祓う力があるというところから3月3日の桃の節句にはひな壇に桃の花が飾られておりました。しかし、おもてなしを想定させる日本女性のようにその存在は奥ゆかしく、梅や桜に比べると目立たない存在でした。
桃は遺跡の出土などから、縄文時代前期には日本にあったようですが、万葉集には7首しか詠われていません。一方の梅は118首が詠まれており、春の花といえば梅の花だったようです。

第九候  菜虫化蝶 なむし ちょうと なる     3月15日~3月19日頃 

成長した菜虫(青虫)が羽化し、紋白蝶になる時季でもあります。
菜虫とは大根やかぶの葉につく昆虫の総称で、特に紋白蝶の幼虫でもある青虫を指します。害虫と呼ばれ、嫌われていた幼虫がさなぎになり、ジッと寒さに耐え越冬した後華麗に蝶へと姿を変えるのです。ひらひらと舞う美しい蝶は、まさしく春の象徴ともいえます。
ところが紋白蝶の雌の習性として、交尾した後は自分が育ったキャベツ畑を去り、若芽をつけた別の畑に行って産卵します。何故かというと、紋白蝶の幼虫は緑色の保護色とはなりますが、天敵であるアシナガバチの攻撃から身を守るためなのです。紋白蝶の雌は、産卵場所を替えることで、この災難を逃れるのです。
まさに、食うか食われるか。自然界の掟も厳しいものがあります。







下の<続きを読む>をクリックすると啓蟄前後の「季節の彩り」をご覧いただけます。

季節の彩り
四季の彩りを添えてまいります。


冬ごもりからの目覚め ふゆごもりからのめざめ

20160304クマ実際に、動物が冬ごもりから目覚めるのは、一般的に最低気温が5度以下、平均気温で10度を下回らない頃と言われています。
各地の最低気温が5度以上になる時期は、福岡で3月上旬、ちょうど今頃の時季です。大阪は3月中旬、東京は3月下旬です。金沢や仙台では4月以降、暦とはおよそ1ヶ月のずれがあるようです。北海道は5月に入ってからのようで、九州に比べると、2ヶ月も遅れます。
地面に霜が降りたり凍ったりすることもなくなると、春の暖かさが土の中まで届いて、動物や昆虫たちも冬の眠りから覚めてくるのでしょう。
詳しくは過去記事<大地も暖まる啓蟄>をご覧ください。


花畑を舞い始める紋白蝶はなばたけをまいはじめるもんしろちょう

20160304女郎花と紋白蝶3月も半ば過ぎになると、紋白蝶が姿を見せ始めます。蛹(サナギ)の状態で冬眠をしていた紋白蝶は、暖かくなると蝶に変わり、花畑を舞い始めます。
蝶での寿命は2週間程度、卵からだと50日程。秋までに4~5回の世代交代を繰り返し、冬になる前に再び産卵し、青虫(アオムシ)からサナギになって越冬します。
お花畑を優雅に舞う紋白蝶もこんな短い生涯を送っているのです。
詳しくは過去記事<大地も暖まる啓蟄>をご覧ください。



松の菰焼きは春の風物詩 まつのこもやきははるのふうぶつし

20160304菰巻春が近づくこの時季、庭園などで行われる「菰(こも)焼き」。菰に巻かれた松の木などは寒さ対策のように見えますが、これは害虫駆除の一環なのです。冬眠する虫たちを暖かい菰に誘い込み、活動しはじめる啓蟄の前に、冬眠していた虫たちを菰ごと焼いてしまいます。
菰を巻く「菰巻き」は初冬の風物詩ですが、菰を焼く「菰焼き」は春を告げる風物詩でもあります。
日本の三大名園の1つ、岡山・後楽園では最近、薬で駆除しているようですが、毎年この時期になると菰焼きが行われます。
菰焼きや芝焼きは春の風物詩。北国にはまだまだ春の兆しは見えないこの時季、西日本には一歩一歩春が近づいております。
詳しくは過去記事<大地も暖まる啓蟄>をご覧ください。


あさりの潮干狩り あさりのしおひがり

20160304あさりこの時季から5月の連休あたりになると、海岸一帯では潮干狩りが始まります。ハマグリ、バカガイ、マテガイなどがありますが、日本では代表的なのが、あさりです。
「あさり貝(求食貝)」や「浅い水に棲む貝」という意味があります。あさりの「さり」は「砂利」の同語で、砂中にいる貝ともいわれています。潮干狩りの獲物となっているあさりは、浅海に棲む、貝や魚を獲る「あさる(漁る)」という言葉から生じたともいわれています。
石器時代から日本人とは馴染み深いあさり。生産量も貝の中で一番多く、旨みのもととなるグリコーゲンが増加する産卵直前の春が旬であります。貝殻の色が白黒、水色、茶色、紫色など模様や色がはっきりしているものや、沖に棲息する薄く平べったいものが美味しいとされています。
詳しくは過去記事<lこれからが旬!! あさりの潮干狩り>をご覧ください。


十六団子 じゅうろくだんご

20160304御田植祭毎年3月16日は山と里を行き来する農事の神が、山から種子を抱いて里に降りてくる日といわれております。東北地方では神を迎えるため、上新粉などで作った十六団子と呼ばれる16個の団子を供える風習があります。農事の神は春には里に降り「田の神」となり、収穫の終わった秋11月16日に山へ帰って「山の神」となります。
山に帰ることを「さのぼり」、里に降りてくることを「さおり」といい、晴れ着を着て新しい菅笠を被った「さおとめ(早乙女)」という女性が神を迎えます。16日早朝、早乙女は田の神の前で、囃しや音頭にあわせて田植歌を歌いながら、苗を植え付けます。
田の神は、臼杵の音を聞いて降りてくるといわれるところから、臼杵でこの日の16日にちなみ「十六団子」の餅を作ったのが始まりとされています。
詳しくは過去記事<早乙女の田植歌も聞かれる啓蟄>をご覧ください。


卒業式 そつぎょうしき

20160304卒業式3月といえば卒業式のシーズン。どこの学校でも制服に身を包み希望と夢に溢れた思いを込めて、卒業式に臨むことでしょう。
人それぞれに別れへの悲しみは違いますが、学び舎を卒業する人たちは悲しみを背負ったり、仕事に就く方は未来への夢を求めたりします。過去の体験を糧にし、悲しみを胸に秘めつつ、伝統の卒業式に自分の夢を追い求めてほしいものです。
巣立っていく生徒、学生に、気の利いた一言をかけてあげたいのが人の心理。気の利いた贈る言葉を一言かけてあげてください。
詳しくは過去記事<答辞に思いを馳せる感動の卒業式>をご覧ください。


花粉飛散 かふんひさん

20160304花粉症春を待ちわびる半面、このまま一挙に夏が来てほしいと願う方もいるでしょうが、恐怖の花粉はこの時期から飛び始め、目のかゆみ、鼻や喉に不調をもたらします。地方により飛散する時期は多少のずれがあるにしろ、その種類によってほぼ決まっています。関東地方においてはスギ花粉が2月~4月、ヒノキ花粉が5~6月、カモガヤ花粉が6~8月、ブタクサ花粉が8~9月、ヨモギ花粉が8~9月などです。
対症療法として花粉症など、季節性アレルギー性鼻炎の場合、外出時にマスクや眼鏡を使用すること、季節中は抗アレルギー薬を定期的に内服することが特効薬だそうです。まず、お出かけの際は天気予報で「花粉飛散情報」に注意し、花粉防止をしましょう。
詳しくは過去記事<体質改善で花粉症とお別れ>をご覧ください。


桃源郷 とうげんきょう 

20160304桃源郷中国の詩人、陶淵明(とう えんめい)が「桃花源記」で著した、「桃源郷」。
桃花の林の中に迷い込んだ武陵(湖南省)の漁師は、その香ばしさ、美しさに心を魅かれ、彷徨いながらもその源に行き当りました。そこで秦の戦乱を避け、外界との縁を切り、幸せに暮らす人々から素晴らしいおもてなしを受けます。やがて漁師は外界に戻り、他言を禁じられながらも役人に一部始終を話してしまいました。その結果、後日役人と一緒に訪ねようとしましたが、2度と辿りつけませんでした。これがいわゆる「桃源郷」です。
漁師が桃源郷へ再訪できなかったのは理想郷を心の外に求めたからであります。人々の心の内にある存在が桃源郷であり、自然の美しさを表し、不老不治や仙人などという要素はこの楽園にはないのです。
東洋では古くから「桃」は生命の象徴とされてきました。後世に様々な独自の風味が加えられ、一種の「桃源郷都市伝説」が形成されていったのかもしれません。
詳しくは過去記事<理想のパラダイス 桃源郷>をご覧ください。
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