梅雨と傘かしげ

二十四節気は6月6日より「芒種(ぼうしゅ)」に変わります。
あまり聞き慣れませんが「芒種」とは“のぎ”のある穀物の種のことであります。のぎ、すなわちイネ科の植物の先端にあるひげのような部分のことです。この時季、麦は刈り入れが行われる一方、昔は今頃から田植えの最盛期を迎えていました。
現在の種まきはこれよりも早く、西日本では梅雨入りしてるところもあります。この時季は農家にとって繁忙期であり、大きな祭りも少なく、婚礼も避けられてきました。現在ではジューンブライドとして人気の6月ですが、残念ながら発祥の地とは気候風土の違いで、ガーデニングウェデイングには不向きな季節でもあります。

150605江戸しぐさ①

さてさて西日本では梅雨に入ったところもあるようですが、これから先憂鬱な日が続きます。
梅雨時の電車内は湿気で鬱陶しい蒸し暑さと、濡れた傘から滴り落ちる雫で車内の床が濡れてしまい、さらに嫌な気分になってしまいます。
以前雨の日の列車に乗っていた時のこと。運よく座ることができホッとしていた時のことでした。後から乗車してきた乗客が空席を求め、小走りに私の目の前を通り過ぎて行きました。その時です。持っていた傘の端から雫が私の顔に飛び散ってきたのです。
思わずハッとしましたが、本人は気が付かず空席探しに必死でした。座りたい気持ちは分かるんですが、少しは濡れた傘のことも気遣ってほしいものだと、心の中では怒り心頭でした。

150605江戸しぐさ②

江戸時代には大人の心得として「江戸しぐさ」という言葉があったそうです。江戸しぐさは町商人がトラブルを未然に防ぐため、その心配りを示したというマナーの1つなんですね。(過去記事「傘かしげは江戸しぐさ」「思いやりがいっぱい詰まった江戸しぐさ」を一部引用)
電車内に限らず傘のトラブルは歩道上でもよく見受けられます。道ですれ違うとき、傘と傘がぶつかったり雫がかかったりしないよう、相手と反対側に傘を傾けることを「傘かしげ」といいます。傘を持っている人の心遣いですよね。気持ちいいじゃないですか。思わず「ありがとう」と言いたくなりますよね。何気ないしぐさですが、相手を思いやる気持ち、いわば小さな親切ですね。お互いが心得て傘をかしげれば、思わず笑顔で会釈してしまいそう。

これから本格的になる鬱陶しい梅雨。人は誰でも優しさと思いやりの心、すなわち仏の慈悲の心をもっているといわれます。「人はみな仏になれるがゆえに敬う」という法華経の教えが江戸しぐさのベースになっているんだそうです。他にも「時泥棒」、「こぶし腰浮かせ」、「喫煙しぐさ」など数多くあります。お互いに助け合い、労わり合うのが当然だと考え、江戸商人たちは思いやりの生活を送っていたのでしょうね。

「袖振り合うも多生の縁」です。自分のことばかり考えず、周囲に配慮しながらみんなが気持ちよく暮らせるように振舞う江戸しぐさ。公共マナーだけでなく、ビジネスの世界にも通じるところがありますね。


二十四節気 芒種(ぼうしゅ)◇
二十四節気9番目の節気。6月6日および夏至(6月22日)の前日まで。
暦便覧は「芒(のぎ)ある穀類、稼種する時なり」
梅雨入りの頃、梅の実が黄ばみ、田植えが盛んになる。
芒種七十二候は次の通り。
第二十五候(芒種初候)6/6~6/10 蟷螂生(かまきり、しょうず)
蟷螂(とうろう・かまきり)が生まれ出る時季。秋に生みつけられた卵から、かまきりが誕生する頃。かまきりは農作物には手をつけず、害虫を捕まえてくれる、私たちにとってありがたい存在です。


今日の独りごと

今日の独りごと0605 4月下旬に解禁となった沿岸地区のウニ漁が、6月下旬から7月にかけて最盛期を迎えます。4年前の震災の影響で水揚げ量が落ち込んでいましたが、消費者の需要は多く震災前の水準に戻りました。今年は豊漁が見込まれています。
日本三大珍味といわれるウニ。地元では「カゼ」とも呼ばれており、獲れるウニの多くはムラサキウニです。今年はウニの餌となる昆布が豊富で、実入りも味も良いそうです。週2回だけの漁日には、震災で減った漁船とはいえベテランの漁師さんが手間暇をかけて漁をしてくれます。
潮の香りと共にほのかな甘みが口の中にとろけるウニ。この食感はたまりませんね。生ウニもいいですが、好物の焼きウニも絶品です。最盛期を迎えるこれからの時季は最も手頃な値段で買えるかもしれません。お好きな方はぜひこの時季にお求めになっては!


参考サイト:暦生活彩時記福聚山本経寺




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こんばんは

傘かしげ、さりげない心遣いを感じられますね。
人ごみの中で、イライラしていた気持ちも、こういう事をしてもらえたらスッと消えそうです。
忘れたくないですね、こういう気持ち。

ウニがとっても美味しそうですね。
もう、羨ましいの一言です。
あぁ、想像しただけで…
新鮮なウニの味は、格別ですものね。
  • |2015.06.05(Fri)
  • |カミさん
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今年の梅雨はエルニーニョの影響で、長梅雨になるとか言っていた人がいたけど、いやだね。
  • |2015.06.06(Sat)
  • |和 八葉
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取引先に、ウニに目のない方がいらっしゃり
昨年からウニをたくさんいただいております

石巻の友福丸へは名物のウニ丼を求めて
震災後も二度ほど、顔を出しました
  • |2015.06.06(Sat)
  • |FREUDE
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Re: カミさんへ☆彡

田舎と違って都会の人の往来が激しい歩道ではちょっとした心配りが嬉しく感じますね。周りを見て、傘をかしげると隣の人に当たる様なときは持った傘を高く上げて通り抜けるようにしてます。さりげない心遣いが小さな親切だと思うんですね。

今年もウニが美味しい季節になりました。地元では今年もウニ祭を開催すると思います。漁港は軒並み津波の影響で大打撃を受けてましたが、昨年の祭りには復旧した元気な漁港を見ることができました。昆布、ウニ、アワビ、ホヤなどで活況を呈していましたね。何しろウニやアワビはドル箱ですからね。三陸のウニ、賞味してみてください。牛乳瓶詰め1本3000円位。高いですけどね(笑)。


  • |2015.06.06(Sat)
  • |matsuyama
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Re: 和 八葉さんへ☆彡

今年もエルニーニョ現象が現れるんですか。去年もそういうことが言われてましたね。
去年の7,8月は涼しかったです。特にお盆は半袖では寒いくらいでした。
今年の冬は暖冬で、この時期も寒いくらいです。エルニーニョの兆候ありですかね。
  • |2015.06.06(Sat)
  • |matsuyama
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Re: FREUDEさんへ☆彡

ウニ好きの方がいらっしゃると心強いですね。
ウニを嫌いだという方はあまり聞かないですが、日本三大珍味とはいえ、生ウニはクセがありますからね。あの食感に慣れないと食べれないという方もおられるんじゃないんですか。今でこそ食べれるようになりましたが、最初はあの臭いが苦手で避けてました。本物のウニ好きの方からは白い目で見られるかもしれませんが、臭いがない分、焼きウニの方が好きですね。

高校時代には潜りの得意な友達がいて、学校帰りにはよく獲ったばかりのウニをその場で割って食べてました。今は監視が厳しくて潜れません。その分密猟が後を絶たず、監視船が昼夜巡航してるようです。


  • |2015.06.06(Sat)
  • |matsuyama
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こんばんは

カゼ懐かしいです。たくさんいただきましたっけ。
そして海の手りゅう弾ホヤも夏でしたね。

夜目遠目傘の内。なんか助けられちゃおうかな?
  • |2015.06.06(Sat)
  • |hipopon
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こんばんは!

数年前、最寄り駅の前で雨の日、向こうから歩いてきた男性の傘が私の傘を思い切り撥ねて取り落としそうになったことがありました。振り返ると去って行った向こうでも別の人の傘を撥ねてずんずん歩いていきましたが本当に嫌な気持ちでした。
江戸しぐさをもう一度見直さないとどうもぎすぎすした社会になってゆくようでいたたまれませんね。
  • |2015.06.07(Sun)
  • |見張り員
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私は山国で育ったので、ウニは超高級品で
サイタマに出てくるまで食べた記憶がありません。

こちらに出てきて食べたらおいしいのなんの。
今年は豊漁なのですね!!
それは食べねば。
  • |2015.06.07(Sun)
  • |まりりんご
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江戸しぐさ…思いやりが詰まっていますね。
心遣いの雰囲気を感じるだけでうれしいものです…

私も心がけたいと思います…
  • |2015.06.07(Sun)
  • |エミです(えだもと建具)
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梅雨の時期になったせいで雨の日が多くなり、鬱陶しい季節を
迎えています。
私が現役の頃はJRを使って通勤してましたが、ローカル線ながら
2両編成の為に何時も満杯状態でした。
特にこの季節は、傘からしたたり落ちる雫が服にかかって往生した事が
何度もあります。

家内は海鮮のなかでもウニが好きで、テレビでそれが出てくると
本場物をタラフク食べたいと言ってます。
行けるかどうかは分かりませんが、そういう機会を作って
上げたらと思っています。
  • |2015.06.07(Sun)
  • |南の風
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Re: hippoponさんへ☆彡

こんにちは。
方言かとばかり思ってましたが、カゼで通用するんですか。
若芽の隙間からウニを探し出して1個1個すくい上げる漁も大変ですが、殻剥きも大変な作業ですよね。根気が入ります。
昨年は県内外からの観光客相手に殻剥き大会が行われた地域もあるそうです。ウニをもっとよく知ってもらおう、もっとよく食べてもらおうということなんでしょうけどね。同じ頃にホヤも出回ります。こちらは好き嫌いがはっきりしているようですね。

いやいや、夜目遠目でなくとも心の美人はお見通しですよ(笑)。


  • |2015.06.07(Sun)
  • |matsuyama
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Re: 見張り員さんへ☆彡

傘でのトラブル、どなたにも1つや2つ、嫌な思いをお持ちのようですね。
口論だけで済むならいいんですが、傘の突端で相手を突き刺し、怪我を負わせたという事件も耳にすることがあります。世知辛い世の中で、相手を思いやった行動を取れと言っても難しいかもしれませんね。ただ、感情的な高ぶりをセーブする気持ちだけは冷静に判断してほしいもんです。

鋭い啖呵を切っていた江戸っ子も、心の通うしぐさは忘れなかったようです。今と昔を比較するのは難しいかもしれませんが、心から湧き出るしぐさは今でも通じるものだと思いますね。


  • |2015.06.07(Sun)
  • |matsuyama
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Re: まりりんごさんへ☆彡

海の近くで育った者でもウニは高級品です。毎日食べられていいね、とお思いでしょうが、食卓には滅多に出ない食材です。漁師の方から頂いたお裾分けを、親戚を通じてさらにお裾分け(笑)。

ウニの味覚にはまられたようですね。寿司屋さんのウニも美味しいですけど、地元で食べるウニ丼はウニが丼いっぱいに乗ってますよ。ご飯が見えない位、こんなにふんだんに使っていいものか、と思えるほどのウニ丼。
まっ、高級丼ですからそれなりのお財布はお覚悟の上、究極の味覚を味わって見てください。


  • |2015.06.07(Sun)
  • |matsuyama
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Re: エミです(えだもと建具)さんへ☆彡

傘のトラブルではないんですが、雨上がりの歩道で車道を走る車からの水しぶき。クリーニングから下ろしたての洋服に撥ねられた泥水はなかなかきれいに落ちないんですよね。これもムッとします。
水溜まりがあるところの車道の近くに歩行者がいるかいないか確認して、ドライバーは走行してほしいもんです。これ歩行者に優しいドライバーの心遣いです。
対向車からあがった水しぶきが、窓を開け放って走っていた運転席に飛び込んできたことはありませんか。一瞬運転が疎かになってしまいます。水溜りの前でスピードを落とすなどの心配りが欲しいですね。
江戸しぐさにはない思いやり。これこそ「平成しぐさ」です(笑)。
  • |2015.06.07(Sun)
  • |matsuyama
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Re: 南の風さんへ☆彡

入梅は鬱陶しいですね。これからひと月、食あたりなどに気をつけてお過ごしください。
雨の日の通勤列車は嫌ですよね。まして混み合ってる列車だと思うように身動きできないですから、傘からの雫と体内からの汗で身体全身びっしょりになります。今は通勤地獄を味わうことはないでしょうけど、農作業には影響しますよね。
たまには奥さん孝行してください。
いつも温泉に入っているでしょうから、温泉旅行にといっても新鮮味がないでしょうけど、他県のグルメ旅行はいかがですか。飛行機で花巻までひとっ飛びですよ。後は沿岸まで出て北上すれば新鮮な海鮮料理をたらふく召し上がれます。震災の復興状況を視察しながら東北の涼しい夏を満喫してください。


  • |2015.06.08(Mon)
  • |matsuyama
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matsuyamaさんへ!!

おばんです!
中学のときはいつも農家の手伝いが多くろくに勉強する暇もありませんでした。戦時中は森林学校でしたし自給自足の生活を強いられましたねー。本道も似たような入梅がります。可笑しな気候になりました。笑)
  • |2015.06.08(Mon)
  • |荒野鷹虎
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Re: 荒野鷹虎 さんへ☆彡

こんばんは。

農繁期は子供であろうと貴重な働き手でしたからね。大人と一緒になって動き回ってました。勉強が嫌いな子にはいい言い訳でした。お蔭で今はこんな体たらくな人間に育ってしまいましたけどね。
東北で梅雨前線が消えてしまい、北海道には梅雨がやってこないといいますけど、細かく言えば蝦夷梅雨とかいう梅雨があるそうですね。本州の梅雨とは違って2週間位降り続き、降雨量も半分位なんだそうですね。それにしても梅雨とは嫌な響きです。
気温もそれほど高くならないでしょうから、蝦夷梅雨の間体調を崩さないでください。


  • |2015.06.09(Tue)
  • |matsuyama
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