蜩ノ記のロケ地になった南部曲り家

1月5日から始まった二十四節気の「小寒」。暦通り寒いですね。北国は寒に入り、どんどん寒さが募っております。
1月7日は七草粥を食べる人日の節句でした。昔は春の七草である芹(せり)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、はこべら、仏座(ほとけのざ)、菘(すずな)、須々代(すずしろ)の若菜をまな板に乗せ、七草囃子を唄いながらすりこ木や包丁でたたくという作法があったそうです。こうすることで更に七草の力を引出し、正月のご馳走で疲れた胃腸をいたわる効果があったんですね。
そんな悠長に朝ごはんも食べて折れない現代社会では、スーパーなどで買った七草を粥に入れて食べているのが台所事情でしょうね。もっともビジネスマンの正月休暇は終わり、7日ともなれば通常の勤務体制になっている頃です。朝はパンに牛乳、あるいは通勤途中のファーストフードでモーニングサービス。そんな現代朝食事情では七草粥を食べている方は少ないかもしれません。
なんて、こんなことを言っていたら元も子もないですね。日本の伝統料理でもある七草粥を食べてビジネスのための胃腸を整えましょう。

もう一つ能書きを語らせてください。1月7日は「人日(じんじつ)の節句」です。五節句の一つで9月9日の「重陽(ちょうよう)の節句」と共にあまり知られておりません。
人日とは、文字通り「人の日」の意味なんですね。古来の中国では、正月のそれぞれの日に動物を当てはめて占いを行い、該当する動物を殺さない風習があったそうです。1日が鶏、2日は狗(犬)、3日は羊、4日は猪、5日は牛、6日は馬、そして7日は人だったんですね。このため、7日の人の日には邪気を祓おうと七草の入った粥を食べ、一年の無事を祈ったことから「人日の節句には七草粥を食べる」と言い伝えられているようですね。
人日の節句には諸説があるようですが、私はこの説に真実味があると感じました。本意に思われない方には悪しからず。

南部曲り家①

ところで話は変わりますが、南部曲がり家をご存知ですか。江戸時代の代表的な農家の屋敷構えですよね。
曲り家とは、人間の住む母屋と馬小屋がL字型になった農家のことで、これは遠野郷と盛岡周辺の南部藩でよく見られたことから南部曲がり家といいます。
茅葺屋根の南部曲り家。昨年暮れの12月半ば、比較的保存状態のいい遠野市の千葉家に行ってきました。
盛岡市や花巻市、そして遠野のふるさと村にもありますが、ここ千葉家の南部曲り家は天保年間(1830-1844)に四代目当主喜右衛門(1792-1870)が約10 年の歳月をかけて普請した曲り家で、平成19年(2007)に国重要文化財に指定されました。

南部曲り家②南部曲り家③
以前も団体ツアーで千葉家を訪ねたことがありましたが、いつ頃でしたかね。もう30年以上も前のことだったと思いますが、その時はまだご家族も馬も一緒に住んで居られました。細々と観光料金で屋敷を維持していたのでしょうが、観光客の増加と共に建物の傷みがひどくなり維持していけなくなったのでしょうね。平成25年には遠野市に譲渡、今では遠野市の観光コースとして活用されるようになったようです。

南部曲り家④南部曲り家⑤
見晴らしのいい小高い丘の中腹に建つ千葉家は他に農具などを保管する納屋、家財道具と穀物を収納した土蔵、味噌蔵としての石蔵、そして屋敷の裏手には五穀豊穣、商売繁盛を願い氏神としての稲荷社が祀られております。豪族農民の最高級の曲り家だったのかもしれません。

ここを訪ねたときは前日から降った雪が曲り家を白く覆っており、とても幻想的でした。雪景色の南部曲が家もいいものですね。しかし遠野市に譲渡されたのを機に、平成28年より大修理が予定されています。現在の曲がり家を見られるのは後2年位でしょうかね。

南部曲り家⑥
実は同じ遠野市にある「ふるさと村」の南部曲り家をロケ地として一昨年4月にクランクインした映画「蜩ノ記(ひぐらしのき)」が完成。昨年10月4日より一般公開されています。
役所広司さん、岡田准一さん、堀北真希さん、原田美枝子さん出演の「蜩ノ記」は10年後の切腹を命じられた男が残りの人生をどう生きるかという物語で、直木賞作家の葉室麟さん原作、小泉堯史さんが監督した映画です。私もまだ映画は見ていません。公開後4日間で20万人を突破したそうですから、大好評のようです。まだの方は下の「蜩ノ記」予告編の動画をご覧なってください。


二十四節気 小寒(しょうかん)◇
二十四節気二十三番目の節気。1月6日および大寒(1月20日)の前日まで。
暦便覧は「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」
寒に入り、寒さは次第に厳しくなり、北国では連日雪が降る。
小寒七十二候は次の通り。
第六十八候(小寒次候)1/11~1/15 水泉動(しみず、あたたかをふくむ)
地中で凍った泉の水が溶け、動き始める頃。まだまだ空気は冷たく、寒い時期ですが、春に向けて少しずつ動き出しています。


今日の独りごと

今日の独りごと0111新しい年を迎え、カレンダーも2015年の真新しい暦に切り替わりました。皆さんのお部屋にはいろいろなカレンダーが飾られていると思います。風景画、映画スター、あるいは人気キャラクターなど、目を引くカレンダーが溢れておりますが、今年は昔懐かしい日めくりカレンダーが手に入りました。
A4サイズよりちょっと大きめのカレンダーは文字が大きくて見やすく、二十四節気や年中行事をはじめ、六曜、二十八宿、月齢・潮の名称、六十干支など、各種豊富な情報が網羅されており、歳時記を書いているものにとっては貴重な暦なんですよね。
月めくりカレンダーで予定を書き込めるタイプもいいんですが、毎日めくっていく楽しみがいいですよね。今年はこのカレンダーを使いこなしてみます。


参考サイト:暦生活遠野市公式ウェブサイト映画「蜩ノ記」公式サイト


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楽しく読ませて頂きました
七草粥、結局作らずに終わっちゃいました(涙)

我が家も今年は日めくりカレンダーにしました
すごく見やすいし、めくる楽しみもあって気にいっているのですが、意外と重い。。。
  • |2015.01.12(Mon)
  • |mokoko
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おはようございます。

南部曲がりや、興味がありました。
ご紹介くださいましてありがとうございます。
愉しく拝見出来ました。
  • |2015.01.12(Mon)
  • |hippopon
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七草がゆ、しゃれたもの食べたことありません。
20日が大寒、おおさぶ~とも読むのかな~?
  • |2015.01.12(Mon)
  • |和 八葉
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Re: mokokoさんへ☆彡

mokokoさんコメントありがとうございました。
七草粥作られませんでしたか。残念ですね。もっともお粥っていうと病気になった時の食事っていうイメージがありますからね。日本人には習慣化されてないんですよね。正月料理で胃腸が疲れたといっても病気になるほどの疲労でもないですしね。
昔はどこの家にも日めくりカレンダーがかかっておりました。お爺ちゃん、お婆ちゃんなどは「お~今日は大安か、いい日だな」などと毎日感慨深げにめくってましたよ。最近見かけなくなってました。コストが高いんですかね。365日分ですから重くなりますよね。2㎝位の厚さがありますから、丈夫なピンで止めておかないと(笑)。
  • |2015.01.12(Mon)
  • |matsuyama
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Re: hippoponさんへ☆彡

hippoponさん、コメントありがとうございました。
南部曲り家、昔の生活様式が垣間見られますよね。便利な生活スタイルに慣れてしまった我々が見ると、なんと虐げられた生活をしていたんだろうと感じてしまいます。それでも当時は贅沢なつくりだったんでしょうね。
稲荷社も祀ってある位ですから、おそらく庄屋クラスの農家だったのかもしれません。
同じ遠野市内のふるさと村にも曲がり家が7,8軒あるんですが、こちらはあちこちにあった曲り家を移築し、1ヵ所に集めたものです。実際馬屋に馬が繋がれているところもありました。不衛生さは禁じえませんが、千葉家の馬屋は展示室に改良されてました。まだまだ昔の名残りがある岩手です。

  • |2015.01.12(Mon)
  • |matsuyama
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Re: 和 八葉さんへ☆彡

洒落た食べ物かどうかは分かりませんが、古来伝統の食文化ですよね。
自分も正月料理で辟易してくるとラーメンを食べたくなる時もあります。昔はラーメンという食べ物はなかったんでしょうけど、蕎麦を食べてサッパリしたい前に七草粥に手がいったんでしょうね。

大寒が来る前から今年の寒さを体感しております。


  • |2015.01.12(Mon)
  • |matsuyama
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こんにちは

遅ればせながら、本年も宜しくお願い申し上げます。

「人日(じんじつ)の節句」と言うのは、初めて聞きました。
でも、面白いですね。
人の日だから、身体を労るなんて。

曲がり家も本物は見た事がないのですが、南部の代表的な造りですよね。
動物を家族として、一つ屋根の下で生活していた暮らしはどんなものなのでしょう。

「蜩ノ記」もとても興味がある映画なのですが、映画館に行くとなると大変なので、レンタルビデオとなる日を待ち望んでいます。
昔はもう少し近くにも映画館があったのですが、今は全て閉館してしまいました。
淋しいですね。
  • |2015.01.12(Mon)
  • |カミさん
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こんばんは^^

本当にとんでもなく寒いですね、東京でさえこうなのだからそちらの寒さはいかばかりか…くれぐれも御身大切にお過ごしくださいね。

曲がり屋。
母は昭和20年の春から10年山梨のいなかで過ごしたのですがかの地にも曲がり屋があったと聞いています。かつての日本の農村では馬は大事なものだったというのがよくわかりますね。今では農耕馬は機械にとって代わられてしまいましたが往時をしのばせる曲がり屋は大事にしたいですね。
  • |2015.01.12(Mon)
  • |見張り員
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Re: カミさんへ☆彡

こちらこそ新年のご挨拶遅くなりました。今年もよろしくお願いいたします。
「人日の節句」とはなかなか聞き及ばないですよね。どちらかというと「七草」や「七草粥」が独り歩きしているような感じです。節句には五節句ありまして、良く知られているのが3月3日の「上巳(桃)の節句」や5月5日の「端午の節句」、7月7日の「七夕の節句」、9月9日の「重陽の節句」などですね。1月1日は別格として奇数の重なる日が節句として選ばれているようですね。
馬と同居する曲り家は農耕馬を大切にしていた表れでしょうね。毎日一緒に生活するとなると異臭が大変だったと思いますが、機械化されてない時代の稼ぎ手の1つでしたからね。「蜩ノ記」のロケ地に選ばれたのも、時代背景が似ていたからなんでしょうね。
映画館が閉館された今ではレンタルビデオという手もありますね。こちらも昔4~5件あった映画館が全滅。数年前復活した1件だけです。映画ファンとしては淋しいですね。

  • |2015.01.12(Mon)
  • |matsuyama
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Re: 見張り員さんへ☆彡

いかがですか。風邪はひいておりませんか。寒いですから十分ご注意くださいね。

山梨にもありましたか。農耕馬が大切だったこの頃は全国的に曲り家が普及してたんでしょうね。都市化が進み生活スタイルが改善されてからは急激に減ったようですね。こちらでは普及が遅れていた関係で、つい最近まで存在していたようです。自分が子供の頃には曲り家ではありませんでしたが、馬小屋が母屋の近くにあった親戚の家を記憶してます。
当時は稼ぎ手でしたから、牛や馬は大切だったんですよね。農耕だけではなく荷馬車も引いてましたから。馬車の通った後には馬糞が置き土産にありました(笑)。

  • |2015.01.12(Mon)
  • |matsuyama
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2010年の夏、遠野市を訪れており
千葉家の曲家を見学させていただきました

昔の農機具など貴重なものが保存されていたことを
記憶しております
また千葉家当主のすばらしい人間性なども知りました
  • |2015.01.13(Tue)
  • |FREUDE
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Re: FREUDEさんへ☆彡

そうですか。全国を隈なく駆け巡るFREUDEさんのことですから、遠野の曲り家も訪ねてるんでしょうね。
千葉家の当主にもお会いしてるんですか。今は曲り家には住んで居られないんですよね。
農機具を保管してあった納屋には当時の農機具が展示してありました。自分の子供の頃にも使っていたのと同じような文机や火鉢などを見て、懐かしく思いました。ハセ小屋やカドという生活用水なども見ることができました。

来年から大修復されるそうですが、どのように再現されるか楽しみです。できれば今展示室になっていた馬小屋や見学中止になっていた台所も修復し、実際に馬を飼ってほしいですね。
  • |2015.01.13(Tue)
  • |matsuyama
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久し振りに天気の良い日が続き、菜の花が満開になっています。
南部曲がりの話は初めて聞きましたが、地方で生きる人間の
知恵なのでしょうね。
時代とともにカレンダーも代わってきましたね。年末にガス、車会社などから
貰いましたが、使う事がなくて孫が絵を描くのに使っています。
  • |2015.01.13(Tue)
  • |南の風
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matsuyamaさんへ!!

大雪も一服して多少でも日差しが出てきました。
雪かきや雪下ろしで毎年死者が出ることが情けないものですが、北国に住めばやむをえないのでしょうね。泣)
私の実家も南部衆ですので、興味がありますねー。特に千厩町でしたので、町名の由来が「千馬や」ということで馬には縁が深いですねー。笑)

  • |2015.01.13(Tue)
  • |荒野鷹虎
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我が家のカレンダーはすべて頂き物
仕事関係のメーカーさんや資材やさん
日めくりは 思いついたときにまとめて
めくるずぼら人間です~
  • |2015.01.13(Tue)
  • |こん☆
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Re: 南の風さんへ☆彡

菜の花が満開ですか。もう春なんですね。
雪に覆われた北国はまだまだ花とは縁のない季節がしばらく続きそうです。
農家にとって農耕馬が大切な稼ぎ頭でしたからね。人と同じように愛情を持って接していたのでしょうね。今は機械化で少なくなりましたが、今でもチャグチャグ馬コで有名な盛岡方面では人馬共に健在のようですね。
多種多様のカレンダーですが、昔母が健在だった頃は毎年取引業者から貰ってました。有難く頂戴したものは有効に使わなくちゃいかんということで、各部屋に1個、部屋によっては2個飾ってるところもありました。今では数本しか手に入りません。その中で日めくりカレンダーは貴重でした。
  • |2015.01.14(Wed)
  • |matsuyama
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Re: 荒野鷹虎 さんへ☆彡

一面真っ白の銀世界が広がっているのでしょうね。一見、ロマンを感じますが、そこで生活される方にとっては地獄の世界ですよね。雪国には付きものの雪かきですが、やむを得ないですね。後はいかに負傷者を出さず、効率よく雪を排除できるかでしょう。南国では夏の熱中症と戦っていますからね。自然とはまともに戦えないです。

千厩ご出身でしたか。よく一関へ出る時は、気仙沼から千厩を抜けて行きました。最近千厩の市街も整備され、2車線で走りやすくなりました。千厩の「厩」は厩舎を意味してますからね。「千馬屋」とは頷けます。


  • |2015.01.14(Wed)
  • |matsuyama
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Re: こん☆さんへ☆彡

だいたいカレンダーはもらい物が多いですよ。こだわりを持っている人とか、もらい物のカレンダーに気にいったものがない方ならご自分で買うでしょうけどね。
はがきサイズ位の小さな日めくりカレンダーだと情報量が少ないので、この大きさはめっけもんですよ。買うと高いですからね。今のところ珍しさも手伝ってか、毎日めくってますけど、そのうち2日分、1週間分をまとめてめくるようになるかもしれません(笑)。
2か月単位のカレンダーだとめくるのを忘れ、半年前のまま垂れ下がってますよ(笑)。
  • |2015.01.14(Wed)
  • |matsuyama
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南部曲がり家の千葉家は
蜩ノ記のロケ地だったんですね^^
それだけ見ごたえがあるおウチなんでしょうね^^
行って見たくなりました。
  • |2015.01.15(Thu)
  • |さくら
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Re: さくらさんへ☆彡

ふるさと村の南部曲り家がロケ地だったんですね。
一昨年の4月、林道に山桜が満開のシーンからクランクインする予定だったようですが、前日からの雪でスタッフが急遽雪かきをしてのクランクインだったそうです。自然は想定外が多いようですね。
見ている分には雪の曲り家は幽玄の雰囲気があっていいんですけどね。映画の製作者側からすれば余計な雪だったんでしょうね。
見学されるんでしたらふるさと村の南部曲り家をご覧になるといいですよ。1ヵ所に7~8軒固まってありますから。千葉家の南部曲り家はこの1~2年の間に大修理工事が始まるようです。ゆっくり見学できないかもしれません。


  • |2015.01.16(Fri)
  • |matsuyama
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