クマタカとともに生きた鷹匠

幼鳥が狩りを学ぶ「鷹乃学習」
「一富士二鷹三茄子」といいますが、先日7月14日には連休を利用して、世界文化遺産に登録された富士山に多くの登山者が訪れたようです。
7月17日頃から22日頃までは七十二候の第三十三候「鷹乃学習(たかわざをならう)」です。鷹の幼鳥が飛び立ち獲物を捕ることを覚える時期といいます。成長した鷹は蓮の花が咲くこの頃、初めて空を舞うようになり、飛び方や狩りの方法を覚え、独り立ちに備える季節であります。
日本では二鷹といわれるくらい富士山と並び親しまれています。優れた狩猟の能力をもつところから武将の鷹狩に使われたり、その強さ、速さ、権力、高貴さの象徴として、様々な紋章や意匠などに使われてきました。

鷹

精悍な鷹
力強く軽快な飛翔力は大空と樹の間を飛び交い、リスや狐、野ねずみ、うさぎなど獲物を急襲し、鋭い爪でつかみ鉤型に曲がったくちばしで食べます。猛禽類であるワシ目タカ科の鷹は比較的小さめのものに分類されるようですが、その明確性はないようです。杉、唐松、桧などの樹木に巣を作り、5~6月頃に卵を産みます。35~38日位で孵化した幼鳥はひよこ程。30日位経つと親鳥と同じ位に成長します。

剥製などの乱獲で準絶滅危惧種に指定
鷹は生態系の自然が健全でないと生息できなくなるといわれています。現在、生息条件の変化によっては絶滅危惧に移行する可能性があるといわれている準絶滅危惧種に指定されており、希少な鳥であります。
355年に大陸より伝えられた鷹は、王侯貴族の遊びとして、江戸時代には大名たちが剥製にするなど乱獲されました。猛禽類の鷹が絶滅に危惧している理由のひとつでもあります。

伝統の狩猟を伝承する鷹匠

鷹匠 雪深い東北の秋田で自給自足の農業を営みながら、伝統の鷹狩りを守り続けた鷹匠(たかじょう)がいました。
冬山で野生動物を追う伝統猟師のなかでも、特殊な技能をもつ鷹匠。あたりが雪におおわれた白銀の尾根をゆく鷹匠の手から、全長80㎝程の大型鷹のクマタカが飛び立ち、天空から急降下して野ウサギをしとめます。
野生の眼差しをもちながら人間に従うクマタカの一端は、映画「楢山節考」のファーストシーンでも映されていました(写真は秋田県公式Webサイトから借用しました)。

近代化の波で鷹匠も減少
しかし、クマタカを使ってウサギ狩りを伝承するこの鷹匠も、近代化の波に呑まれ、戦後みるみる姿を消していったのです。伝統的な狩りの中でも鷹匠の場合は、後世に伝えるための条件が極端に悪かったからでしょう。当時、ウサギ1羽は大人の日当に値する金額だったそうです。マタギの鉄砲に比べ、クマタカは年中養わなければならない生き物なのです。特殊な技能を要求される割に獲物は少なくなり、売り物にもならなくなったのが最大の理由のようです。時代の流れにはついていけなかったのでしょうね。

凄まじい鷹の急降下攻撃
野生のハヤブサなどは空を羽ばたく鴨や鳩の獲物を見つけるなり、流線型で後方に反った三日月刀型の翼を最大限に生かし、高空から急降下して懸爪で蹴落とすのだそうです。その迫力は凄まじいものがあるでしょうね。まさにこの時季鷹は、親鳥の狩りの技術を学んで成長していくのでしょう。





参考サイト:ぴお東北電力キッズ・広報誌日本鷹匠協会最後の鷹匠、七十二侯がまるごとわかる本
写真協力:写真素材-フォトライブラリー

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鷹狩り、そう言えば一度も目にしたことがありません。

私にとってもテレビの中のことであり、
わが家のお子たちに至っては、存在すら知らないかもしれません。

時代の流れでしょうか…
  • |2013.07.16(Tue)
  • |itchann
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鷹匠に関する記述を読んだことがあります
克己心を養うために絶食するシーンは、
今でも思い出して胸が苦しくなります

本番まで10日を切って今夜も練習ですが
1時間も立ったままで歌うコンサートは
もうできないかも知れない、と思うくらい体重が落ちません
  • |2013.07.16(Tue)
  • |FREUDE
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おはようございます。

東北地方において生業としての鷹狩りが衰亡していったのも、
その時代背景を考えれば仕方がないことなのでしょうね。
そんな中でも、テレビなどでどちらかと言うと伝統芸能的な
鷹匠の技を時々目にすることがあります。
形はどうあれ貴重な文化遺産として残して行くことも大切な
ことのような気がしますね。
  • |2013.07.16(Tue)
  • |茶々
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  • |2013.07.16(Tue)
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狩猟を生業とする鷹匠は現在では無理そうですね。今を生きる鷹匠には伝統を伝えていただき、そして野生の鷹が自由に飛べる空、狩りの出来る山野がいつまでも残る日本であって欲しいですね。
  • |2013.07.16(Tue)
  • |カノッチ
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Re: itchannさんへ☆彡

自分自身もほとんど見たことありませんね。
もはや受け継いでいる人も少ないようですし、伝統文化としても希少な存在ですね。
結局伝統文化といっても歌舞伎や能のように人を呼べる文化であれば、承継者が現れてくれるのでしょうが、鷹匠のように生活さえままならないとなると、廃れてしまいますよね。
人間国宝とか文化勲章など、国や地方自治体が支援してあげないと、他の文化も同じように廃れてしまいます。
自分もそうですが、特に今のお子さんたちにとってはフィルムで知るしかないんですよね。

  • |2013.07.16(Tue)
  • |matsuyama
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Re: FREUDEさんへ☆彡

「生後間もない白いヒナを綿にくるんで懐に抱いて寝た。エサを食べられるようになると、小さく切った肉片を箸でつまみ、親タカのように口に一日4、5回押し込んでやる。春夏はたっぷりとエサを与え、秋の稲刈りが終わる時期になると絶食のようにしていく。空腹感で攻撃力を高めるためだ。その絶食の具合が難しい。体力を落としすぎると、ウサギを追っても、向こう側に落ちたり、手前に落ちたりする。絶食の見極めができず、タカを亡くすこともあった」これは東北電力の広報誌で語られた、鷹匠の武田宇市郎さんの鷹の育て方です。
絶食させ空腹にしないと立派な狩りはできないんだそうです。普通の人はなかなかここまで打ち込めませんよね。
歌うコンサートというと、年末などに行っている第九コンサートのことですか。FREUDEさん、歌手だったんですね。素晴らしいですね。

  • |2013.07.16(Tue)
  • |matsuyama
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Re: 茶々さんへ☆彡

こんばんは。

庶民に鷹狩が盛んだった明治の頃でも、鷹匠が活躍したのは農閑期の冬場だけだったようですね。生活費の一部を補うため、うさぎ狩りが多かったようです。多い鷹匠でひと冬に200羽も獲っていたそうです。戦前のうさぎは高価で、大人の日当分あったようです。炭焼きの倍以上の収入になり、割がよかったんでしょうね。
戦後、生活も近代化され山には電線などが通り、鷹狩には環境が悪化したんでしょうね。鷹匠は激減し、今では数える位しか残ってないようです。日本鷹匠協会などもあって継承活動はしているようですが、日本の伝統文化を守るためにも、国や地方自治体による支援が必要だと思いますね。

  • |2013.07.16(Tue)
  • |matsuyama
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Re: カノッチさんへ☆彡

そうですね。戦後の高度成長で、山の生活はずいぶん変わったようです。
野焼きをしていたころは、うさぎの足跡が見つけやすかったそうです。堆肥から化学肥料に、炭から石油へ、広葉樹から杉へと代わってからは、野うさぎたちのエサだった広葉樹の実はなくなり、野うさぎの肉を喜ぶ人もいなくなったようです。さらに鳥獣保護法等による鷹の捕獲が禁止されたことも、追い打ちをかけたようです。
近代化も必要ですが、近代化によって生活環境が大きく変化します。野生の動物たちは生活圏を追われてしまうんでしょうね。鷹匠としての伝統技法も失われてしまいます。人間だけの都合で山野を開発していくと、今の動物たちも絶滅危惧種に指定されてしまうかもしれません。

  • |2013.07.17(Wed)
  • |matsuyama
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射すくめるような鷹の目はカッコイイですね。
古来、武士が鷹狩をするのも戦の訓練と武士道のステイタスだったのかもしれませんね。
どうもマタギや樵など山仕事のイメージは西日本よりも雪深い東北が似合っているように思います。鷹狩なんて富士山をバックに人も鷹も雄大に飛び回るのが一番サマになっていますね。

暑い日が続いていますがご自愛下さいね。
  • |2013.07.17(Wed)
  • |まろゆーろ
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Re: まろゆ-ろさんへ☆彡

遥か天高く飛ぶ鷹の眼差しは2km先まで捉えることができ、獲物を見つけると羽をとじ、実に時速200kmのスピードで急降下するのだそうです。その眼光の鋭さは精悍でしょうね。
源頼朝、織田信長、徳川家康など、武士にとっての鷹狩りは士気を高める恰好の行事であり、勇壮な姿が権力の象徴でもあったようです。明治維新によって幕藩体制が崩壊してからは庶民も鷹をもてるようになったそうです。東北に鷹匠が多く居たのは、雪に覆われた環境が鷹の生息条件に適合したんでしょうね。
鷹の生息地は西日本に多く繁殖していたと聞いてますが、鷹匠を生業とするには粘り強い芯の強さを持った強靭な東北の男たちが必要だったのかもしれませんね。

もうすぐ東北の梅雨も明けると思います。涼しい季節が一挙に夏の暑さを呼び戻してくれるかもしれませんね。
  • |2013.07.17(Wed)
  • |matsuyama
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  • |2013.07.18(Thu)
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  • |2013.07.19(Fri)
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野生の動物が生き難くなって行くのも残念です!
鷹も幻になって行くのでしょうか・・・、
以前野鳥観察でハヤブサを見た時は感動ものでした!
自然環境の問題は人間だけの問題じゃ無いですね。
  • |2013.07.19(Fri)
  • |SUN太郎
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Re: SUN太郎さんへ☆彡

野鳥観察でハヤブサをご覧になってるならなおさらでしょうね。
猛禽類の中でも揺るがぬ王座を占める鷹ですが、生活環境はいたってこと細やかなんですね。幼鳥の頃から育てると、人間にも慣れ親しんでくれるのだそうです。カラスのような図太い性格ではないようですね。
野生の動物に突きつけられている環境問題。人間社会の近代化によってその生活圏が脅かされ、次第に山の奥へと追い詰められているようです。そのうち絶滅危惧種に指定されるかもしれませんね。
新潟県佐渡のトキのように人間の飼育を必要とするなら、鷹の成長を残念に思わざるを得ません。野生で成長するからこそ、あの獰猛な目つきが鷹の鋭さを見せてくれるんですよね。


  • |2013.07.19(Fri)
  • |matsuyama
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