雁からつばめへ、空の主役交代

雁北へ帰る
4月10日から14日頃までは七十二侯の第十四侯で清明の次侯にあたる鴻雁北(がんきたへかえる)です。
前年の寒露の初侯に雁はやってきて、清明の次侯に帰っていきます。またこの時季は初侯の玄鳥至(つばめきたる)でつばめがやってき、代わって雁が群れをなし北に飛び去っていきます。空の主役が交代することになります。
春に飛来するつばめとともに、昔から季節をあらわす鳥として文学の上で親しまれ、多くの詩歌に詠まれています。雁は「がん」とも「かり」ともいいます。がんは、森鴎外の小説に、かりは新国劇の「国定忠治」の「あゝ、雁(かり)が鳴いて南の空へ飛んで往(い)かあ」というセリフに出てきます。

鰹のタタキ

雑節土用は夏を代表に年4回
4月17日は雑節の土用です。土用というと炎暑の丑の日をイメージしてしまいがちですが、実際はそれぞれ立春、立夏、立秋、立冬の前18日間を土用と呼び、立春前を冬土用、立夏前を春土用、立秋前を夏土用、立冬前を秋土用として年4回あります。なかでも7月下旬から8月上旬にかけての夏の土用が最も印象強く、ふつう「土用」というと誰でも夏の土用を思い出してしまいますよね。

冬土用に庭いじりは禁物
土用は古くは「土旺用事」といい、土の気が旺(さかん)である時期であるため、土を動かしたり、穴を掘ることを忌むとされました。また、殺生も不吉とされていました。この間は土を司る神、土公神(どこうじん)が支配する期間で、土の作用(エネルギー)が強くなるのだそうです。土公神は、季節によって遊行するとされ、春は「かまど」、夏は「門」、秋は「井戸」、冬は「庭」にいるといわれています。季節の土用ごと、該当する場所の土を動かす作業を行うと土公神の怒りをかい、祟りがあるとされているそうです。
現代では「かまど」や「井戸」などは無くなったり、数が減ってきていますが、少なくとも冬土用に庭いじりをすると、土公神様の祟りがないとも限りません。十分ご注意ください(詳しくは過去記事2012年1月18日「土いじりは避けたい冬土用」を参照)

黒潮を 北上して 初鰹
春といえば昔から食されてきた初鰹が楽しみな季節でもあります。
江戸っ子に「女房、娘を質に置いても食べたい」と言わせたほどの初鰹。回遊魚を代表する鰹は3~4月、黒潮に乗って北上します。秋に南下する戻り鰹と違って、初鰹は脂が少なくさっぱりとしております。厚切りにしたボリューム満点のかつおに、数々の薬味をたっぷりのせ、タレをつけたたたきはお酒のおつまみに最高です。
また、歌舞伎には天秤棒を担いでこの初鰹を売り歩く魚屋が登場する「髪結新三」というお芝居があったりするくらい、大衆文化に初鰹は昔から根付いておりました。

初物は東を向いて
初鰹に限らず、初物を食べる時は東を向いて笑いながら食べるという礼儀があるそうです。なぜ東なのか。それは諸説あるようですが、太陽が昇る方位だとか、高貴な方位だからとかいわれているようです。初物いわゆる旬のものをありがたく食べるという気持ちが大切であります。旬とは10日間といわれ、その食材を美味しくいただけるのは僅かな時間だけであります。貴重な時間に感謝して食べること、そのことを笑って食べると表現したのかもしれません。

昔から初物を食べると75日、初鰹に関しては750日寿命が伸びるそうです。昔の人にとって初鰹がどれだけありがたい初物だったかうかがい知れますね。





参考サイト:日本文化いろは事典NPO PTPLぴお、七十二侯がまるごとわかる本
写真素材:写真素材-フォトライブラリー

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この時期は土いじりしない方が良いんですね。

確かに草刈りしてもすぐに生えてきてしまうでしょうし、
土壌も養生させるべき時期なのかもしれませんね。
  • |2013.04.11(Thu)
  • |itchann
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おはようございます。

鴻雁北、「ああ、雁が鳴いて南の空に飛んで往かあ」ときまし
たね。つい頬がゆるんでしまいました。
と言うのも「雁北へ帰る」のサブタイトルを拝見して、私もす
ぐにその科白が頭に浮かんだからです。
そして「名月赤城山」は、今年1月に他界したかつてのバンド
仲間との思い出の曲でもあります。

   渡る雁がね 乱れてないて
   明日はいずこの ねぐらやら~♪

いずれにしても春本番、いい季節になりました。
今週末、仙台の桜も満開を迎えるかも知れません。

  • |2013.04.11(Thu)
  • |茶々
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おはようございます♪
つばめ が巣を作っているのを見ると嬉しいです。
頑張れ!と応援したくなります。

初鰹のたたき、いただきました。
東を向いて食べませんでしたので、寿命延長750日は‥?(笑)
失礼いたしました。
  • |2013.04.11(Thu)
  • |ouna
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こんにちは

初鰹!
美味しいですよね~
たたきも良いですけど、やっぱり新鮮なものはお造りが最高だわとか、勝手に思っています。
辛口の冷酒をきゅーっといきたいところです(笑)
  • |2013.04.11(Thu)
  • |別府葉子
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木や草、花々が季節に順じて移ろいながら動物たちもそれぞれの支度が始まるのでしょうか。
秋になって遠来のお客さんが来るような喜びから、春の見送りに変わってちょっと寂しいような思いもします。
九州とは異なって東北などは四季が明瞭。そして動植物までもが四季の移ろいの手助けをしている感じがしています。

待望の花の季節。きっと爛漫の春をお楽しみになることでしょうね。
  • |2013.04.11(Thu)
  • |まろゆーろ
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Re: itchannさんへ☆彡

土公神の祟りを考えればこの期間の庭いじりは避けた方がいいかもしれません。
ただ、土用の期間、年間約1/5もの間、土いじりを避けていると農家や建設工事に携わる方は仕事になりません。そこには抜け道があったんですね。方便として「間日」と呼ばれる日があり、この日は土公神が地上を離れる時で、土をいじっても問題ないそうなんです。この間日は1つの土用に3~6日あるそうなんです。
ちなみに今年の春土用の間日は4月21,22,25日、5月3,4日の5日間だそうです。この日は土いじりしても土公神の祟りはないようですから、思いきり土いじりをしてください(笑)。
陰陽五行説の重要な構成要素である「土気」がどこにもないことから、季節の分れ目である立春などの前に18日間の土用を設定したんだそうですね。

  • |2013.04.11(Thu)
  • |matsuyama
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Re: 茶々さんへ☆彡 

こんにちは、茶々さん。

辰巳龍太郎さんの国定忠治、もちろん舞台は見たことありませんが「赤城の山も今宵限りか」という科白は今でも頭に残っております。何で覚えていたんでしょうね。当時はVTRもそんなに普及してませんでしたし。そうだ広沢虎造さんの浪曲かな。ラジオで流れてましたからね(笑)。
長谷川一夫さんと山本富士子さんの月形半平太も好きでした。ハハハッ、年齢が分っちゃいますね。
名月赤城山は茶々さんにとって、辛い思い出の曲だったんですね。
申し訳ないです。思い出させてしまったりして。

  • |2013.04.11(Thu)
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Re: ounaさんへ☆彡

こんにちは、ounaさん。コメントありがとうございます。

昔、古い家の時には玄関の軒下につばめが巣を作っていたことがありました。
餌を運んでくる親鳥が巣に近ずいてくると、黄色いくちばしをしたひな鳥が、ピーピー騒いでましたね。かわいかったですよ。それが突然いなくなってしまいました。カラスに食べられたんでしょうかね。猫にさらわれたんでしょうかね。それっきり寄りつかなくなりました。淋しいもんですね。
お~、初鰹召し上がりましたか。初物は何でも美味しいですけど、特に鰹はね。料理屋さんで食べると美味しいんですけど高いんですよ。東を向かれませんでしたか。まっ、気は心といいますから感謝しながら召し上がれば700日位は寿命延長されるんじゃないんですか(笑)。どうぞ長生きしてください。

  • |2013.04.11(Thu)
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Re: 別府葉子さんへ☆彡

こんにちは、別府さん。ご無沙汰してしまいました。

鰹の水揚げでは静岡県がトップなんですね。焼津港がありますからね。でも鰹のイメージっていうとお隣りの高知なんですよ。土佐の一本釣りが有名だからなんでしょうかね。いずれにしても四国九州あたりの鰹は美味しいでしょうね。
東京で仕事してた時、四国の方の小料理屋さんで鰹のたたきを炙った土佐造りって言うんですか、ご馳走になったことがありましたが、美味しかったですよ。ランチ時でしたからちょっとお酒は控えたんですが、今思えば仕事帰りに立ち寄ってみれば良かったなと後悔してます。越乃寒梅あたりでキュッとね(笑)。
  • |2013.04.11(Thu)
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Re: まろゆーろさんへ☆彡

北国の春の訪れは緩やかに、そして一斉に咲き乱れるようです。それまでの寒さから一斉に解き放されたように、自分の思いを春というキャンバスに表現しているのでしょうか。
自然の色に甦った草花は山々の景観を燃えたたせてくれます。小さな命は大きな集まりとなって、美しい四季を奏でてくれるでしょう。北国のしとやかな春の幕開けです。
小鳥たちも動物たちも思い思いに春を迎えております。来る春を惜しむように過ぎ去るもの、喜び勇んで住みつくもの、動物たちにも春の出逢いはドラマチックのようです。

春爛漫、なんて響きのいい季節でしょう。心を浮き立たせ、未来を駆け巡る思いを駆り立ててくれます。のどかな自然美と伝統文化の融合は、東北の文化でもあります。

  • |2013.04.11(Thu)
  • |matsuyama
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江戸時代、磔獄門の刑が決まった囚人には
最後に食べたいものをかなえてもらう制度があったようです
それが今はない初物の場合は最長75日、待ってもらえ
「初物を食べれば75日、寿命が延びる」のは
死刑執行日の最高猶予期間だったようです

そして対象は初鰹だったそうであります
  • |2013.04.11(Thu)
  • |FREUDE
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Re: FREUDEさんへ☆彡

なるほどなるほど、寿命延長75日というのはそういう背景があったんですね。
探した資料には75日とか750日という日数のことしか出ておらず、その謂れが不明でした。これで少しスッキリしました。
ただこの数字の根拠は何を基本にしていたのでしょうね。死刑執行の最高猶予期間なら80日でも100日でもいいわけですよね。75日としたのは初物が出尽くすまでの期間でもあったんでしょうか。
初物の中でも初鰹は別格の存在だったんですね。囚人にとって、少しでも生きながらえるため、いかにありがたい制度だったかということですね。
我々は初物を食べると寿命が延びると喜んでばかりもいられない謂れがあったんですね。
いや~、大変勉強になりました。ありがとうございました。

  • |2013.04.12(Fri)
  • |matsuyama
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初鰹おいしいですよね!
酒のつまみに・・・(笑)良いですね!

FREUDEさんは、すごいですね!
どこで、勉強されたのか、何でも知っていて、
又、感心してしまいました。

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matsuyamaさんへ!!

四季の謂われも素敵ですねー。粋な感もします。!
主役の交代が国定忠治の歌にも歌われて忠治の寂しい心うちが見える様で改めて忠治が好きに成りました。!
現代の政治にも、主役の交代が必要ですねー。(笑)
  • |2013.04.12(Fri)
  • |荒野鷹虎
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Re:  くろこ姫さんへ☆彡

FREUDEさん各分野にわたって深い知識をお持ちですね。
専門的に深い知識をお持ちの方はよくお見受けしますが、なかなか一般の方で各方面に渡って幅広い認識をお持ちの方はおりませんよ。全国各地を巡って各地の特色などもご存知のようですし。
自分も今度の記事を書くにあたって、いろいろ情報を収集しては見たんですが、細部に渡っての情報は探し切れませんでした。自分で消化不良のままアップしてしまいました。どなたか詳しい方にご指摘されるのではないかと懸念してました。FREUDEさんにご指摘いただいたのは不幸中の幸いでしたね。

縮み上がる思いでしたが、初鰹でも食べて長生きさせていただきます(笑)。

  • |2013.04.13(Sat)
  • |matsuyama
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Re: 荒野鷹虎 さんへ☆彡

国定忠治、実在した人物なんですね。
赤城山の農村地帯に生まれた国定忠治は、武士の流れを組んだ由緒ある家系の長男だったんですね。若くから渡世人となった彼は地元の顔役を殺したことから役人に追われる身になったんですね。元々人望家でもあった彼のもとに子分が集まり、関八州に名の知れた大親分だったようです。同じ時代任侠道に生きた清水の次郎長もいますね。
国定忠治と清水次郎長。どこか影があるのは国定忠治ですよね。にもかかわらずこれだけ人気があったのは、賭博の収益金を貧乏人に分け与えたからといわれてますね。長きに渡って捕まらなかったのは、民百姓に人望があった渡世人だったからだそうですね。
自分も人望の厚い渡世人になってみたいです(笑)。政治の主役も国民から人望の厚い役人に交代してほしいものですね。

  • |2013.04.13(Sat)
  • |matsuyama
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こんばんは
いつもどうもありがとうございます♪

仕事でなかなか最近ネットで皆様のところへ訪問できませんでしたが
なんとか今日回ってます(笑)

土用といえばうなぎですが
あの値段で最近は全く手が出ないです・・・
美味しいうなぎ食べたいです(笑)

またよろしくお願いいたします♪
  • |2013.04.13(Sat)
  • |スーパーサイドバック
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Re: スーパーサイドバックさんへ☆彡

こんにちは、いつもありがとうございます。

相変わらず多忙なスケジュールのようですが、心を亡くさないよう頑張ってください。
夏の土用には鰻が超人気、定番とさえなっているようです。その鰻の稚魚不足で、かば焼きなどの高騰化が話題になってますね。台湾から鰻を輸入したりして対応をしているようですが、庶民の味覚でもありますから自前で調達できるだけの生産量を確保してほしいもんですよね。
7月19日夏の土用丑の日の安くて美味しい鰻を期待しましょう。

  • |2013.04.14(Sun)
  • |matsuyama
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こんにちは

いよいよまた一段階、季節が夏へ向けて動き始めました。特に東京あたりは桜が早すぎたので気も早い言い方かもしれませんねw。

初ガツオ。私の大好きなカツオがいよいよ旬になります。
うれしいですね。
東を向いて、笑いながらいただきます~~!
  • |2013.04.14(Sun)
  • |見張り員
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Re: 見張り員さんへ☆彡

関東辺りではもう初夏でしょうね。こちらも今日は20℃を越す暖かい陽気となりました。この気温がしばらく続くと桜も予定より早く開花するかもしれません。東北にも閉ざされていた春の訪れがやってきそうです。

大地には可憐な花々のショーが人々の目を休ませ、海洋では初物の魚や海藻が温み始めた潮水を漂いだしました。自然は確かな春をとらえ、逞しくそして優雅に我が道を歩み始めています。
私たちも一緒に春を楽しみ、巡り来る四季と共存していかなければなりませんね。春のさっぱりした初鰹、秋の脂の乗った戻り鰹、この半年で栄養と体力を身につけ私たちの目の前にその姿を誇示してくれます。
私たちは彼らの行為に感謝し、甘んじてその身をいただかなければなりません。その感謝の現れが笑顔と東方向なのです(笑)。
  • |2013.04.14(Sun)
  • |matsuyama
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  • |2013.04.15(Mon)
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もう初鰹の季節ですか、寿命を750日伸ばしたいなあ(^o^)
  • |2013.04.15(Mon)
  • |カノッチ
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Re:  鍵コメさんへ☆彡

鍵コメさん、こんにちは。
退院するって、大丈夫なんですか。責任感の強いお方なんですね。
無理に退院すると治るどころか悪化すると思うんですけど。
ご自分の体調はご自分で分ると思うんですけど、職場の皆さんがね、気を使うと思います。完治したのならともかく、治療中ということだと逆に皆さんに迷惑をかけないとも限りません。
大変な職場でストレスが溜まることは分ります。責任的立場におられることも分ります。人員不足で残った皆さんに負担をかけてしまうという気持ちも分ります。でもここは完治して職場復帰した方が、ご自分のためにも皆さんのためにもベストだと思いますけどね。

  • |2013.04.16(Tue)
  • |matsuyama
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Re: カノッチさんへ☆彡

江戸時代には「目に青葉 山時鳥(ほととぎす)初松魚(かつお)」、と初鰹を珍重してたようですね。新暦で見ると5~6月頃だそうです。もうすぐですよ、旬の鰹。
歌舞伎役者が1本3両で買った記録もあるそうですが、庶民には高嶺の花。老い先の短い年配者には、2本食べて1500日寿命が延びるんなら、6両出してもいいかな(笑)。
返歌に川柳で「目と耳はただだが口は銭がいり」といったものもあるようで、庶民には悲喜こもごもの初鰹だったんですね。

  • |2013.04.16(Tue)
  • |matsuyama
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