蚕(かいこ)が繭(まゆ)を作り始める小満

水温む季節。沖縄では二期作の稲刈りが始まっているのをよそに、各地の農家では田植えのシーズンに入りましたね。先日農家の知人に聞いたら「いや~今が忙しいよ~」と嘆いていました。昔のように手植えの姿は見られず、今は機械化された日本の田植え。放射能汚染を心配しながらも、秋の豊作に期待しているようでした。
田植え

さてさて忙しい農家の田植えを後押しするように、5月21日から二十四節気は小満を迎えます。草花が次第に成長し、大きく生茂る季節です。

ところで蚕(かいこ)、皆さんご存知でしょうか。最近では養蚕している蚕を見かけませんが、体長7cm位の芋虫で、桑の葉を食べ、繭(まゆ)を作ってさなぎになります。こうしてできた繭からは古来より珍重されてきた生糸がとれ、シルク織物となって織物文化を形成したんですね。
この時期、蚕が桑の葉を盛んに食べて成長します。蚕に桑の葉を与えることを給桑(きゅうそう)といいますが、この頃になると蚕は食欲が旺盛になり、朝昼晩の3食では間に合わず、夜も桑の葉を与えるなど養蚕家にとっては過酷な労働だったそうですね。桑を食べた蚕は眠という4~5回の脱皮を繰り返し、身体が透明になった頃糸を吐き、2昼夜かけて繭を完成させるんですね。
繭から生み出されたシルクは日本最大の輸出品で、その最盛期にはシルクの割合が70%にも達したと言われています。ノンフィクション文学の「あゝ野麦峠」は諏訪、岡谷の製糸工場に働きに出た、飛騨の女性工員の姿を伝えたものですね。工女の郷里である飛騨は養蚕の産地で、世界遺産に指定されている白川郷も、越中五箇山の合掌造も、養蚕のための建物だったそうですね。
蚕起桑食(かいこおきて、くわをはむ)[小満初候 第22侯5/21~5/25]
20090608 ~扶桑花葉上蟲繭20090608 ~扶桑花葉上蟲繭 / Max Chang

キク科の二年草で、アザミに似た紅黄色の紅花(べにばな)が咲き誇る季節です。飛鳥時代に大陸から伝わったとされる紅花は、その花から黄色や紅色の染料が取れるだけでなく、漢方薬としても重宝されてきたそうです。かつて、「江戸紫に京紅」とうたわれた紅(くれない)の原料が紅花で、その多くは山形県最上地方の酒田に集まり、近江商人が北前船に乗せて京や大阪に運んだものなんだそうです。紅は藍と並んで江戸時代の二代染料で、今でも山形県は紅花の日本最大の産地であり、県花にもなっております。
「まゆはきを 俤(おもかげ)にして 紅粉(べに)の花」
芭蕉が山形県の立石寺への途中で、紅花畑を眺めながら詠んだとされています。
黄色い紅花の花を摘んで水にさらし、乾燥させると紅色になるところから紅花と言われるようになったそうです。紅花油はサラダ油やマーガリンの原料になり、乾燥させた花は紅花(こうか)と呼ばれ、血行促進作用がある生薬に利用されています。養命酒などに含まれている生薬は、紅灸(べにきゅう)、葛根紅花湯、滋血潤腸湯、通導散などの漢方薬として用いられています。
紅花栄(べにばなさかう)[小満次侯 第23侯 5/26~5/30]
                     
薫風が麦畑を吹き渡る頃、麦が熟して畑一面が黄金色になる時節をいいます。「秋」の語源が穀物の成熟・収穫の季節であるため、麦秋の季語は「夏」として使われます(詳しくは過去記事→2009年6月2日「黄金色に彩づく麦秋は夏の季語」を参照)。
日本の麦作は弥生時代初期から行われており、梅雨がやってくる前の一瞬の輝きと言われております。麦を脱穀した麦わらで、帽子やストローに使われたり、わら屋根を葺(ふ)いたりしていました。
また、わらを主原料にしたブロック「ストローベイル」を使った家は、耐久性と断熱性に優れているだけでなく、木材の量を減らし、化学合成料を使わないことから、エコロジー・ハウスとして注目されているそうです。
麦秋至(ばくしゅう、いたる)[小満末侯 第24侯 5/31~6/4]

◇二十四節気 小満(しょうまん)のメモ◇
第8番目の節気。5月21日および芒種(6月5日)の前日まで。
暦便覧:万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る
小満とは秋に蒔(ま)いた麦などの穂がつく頃で、ほっと一安心(少し満足)すると言う意味。 そのため「今のところは麦も順調でよかった」と満足したことから小満と言う名前が付いた。

参考サイト:Wikipedia日本文化いろは事典SUNTORYえこそだて住まいネット新聞・びお
画像提供:igosso画像検索

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こんばんは

養蚕農家も無くなって来ましたね。
旭川のとなり町、東川町には町の文化遺産で
茅葺屋根の養蚕農家の建物が有ります。
昔は北海道でも蚕を飼っている農家が有ったのでしょうね。
  • |2012.05.20(Sun)
  • |釣るべー
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No title

小学校時代、クラスで蚕を育てていたことがあります。
最初は臭いが嫌で触れませんでしたが、
白っぽい姿は美しく、時間が経つと大丈夫になりました。

今の小学校はそんなことはしないのかな…
少なくともお子たちの学校ではやっていないようです。
  • |2012.05.21(Mon)
  • |itchann
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No title

こんにちは!
いつも、どうもありがとうございます♪

叔母が長野で養蚕しておりましたので
小さい頃はよく手伝いに行ってました♪
20年近く前にやめちゃったので今はもう・・・ですが
それに今は毎年、大日本蚕糸会というところで
お仕事いただいております
ですが、会議やイベントばかりで実際蚕はみてませんが(笑)

またよろしくお願いいたします♪
  • |2012.05.21(Mon)
  • |スーパーサイドバック
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Re:  釣るベーさんへ☆彡

この辺でも養蚕を営んでいる農家はほとんどいませんね。
というか全くいないんじゃないですか。
それだけ消費するものが無くなっているんでしょうね。
昔はシルクの衣裳だと高級品という感じでしたけど、今はそれ
以上の高級品が出てますからね。着る機会もありませんし。

養蚕農家の建物が文化遺産として残っているんですか。
そういう形でしか繭と触れ合う機会が無くなってしまったんで
すね。日本の文化が忘れ去られてしまいますね。
  • |2012.05.21(Mon)
  • |matsuyama
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Re: itchann さんへ☆彡

そうでしたね、小学校の頃、授業の一環で蚕を育ててました。
授業の合間にクラス全員で桑の葉を採りに行ったりしてね。
丹精込めて育てた蚕から繭ができ、生糸を巻いてました。
衣裳にするほどの量はありませんから、糸巻きに巻いた生糸は
子供たちの遊び道具でした。

中学生くらいになると、養蚕の授業は亡くなりましたから、
放課後友達と一緒になって桑の実を採って食べてましたね。
手と口の周りを紫色にしてね。
今の小学校にはそういった実験はないんでしょうね。

  • |2012.05.21(Mon)
  • |matsuyama
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Re: スーパーサイドバッグさんへ☆彡

こんにちは。いつもありがとうございます。

そうですか。長野で養蚕されてたんですか。製糸工場の本場です
ものね。叔母さんは当時の状況をご存知なんでしょうか。盛んな
ころは銀座通りだったかもしれませんね。映画化されてますけど、
現実は映画みたいな悲惨さはなかったと聞いてます。
生糸も廃れてからは、町の再生化にご苦労されたんでしょうね。
昔の名残りなんでしょうか。大日本蚕糸会、あまり耳にしません
が今でも違った形で普及活動されてるんでしょうかね。
日本の生糸文化をなした養蚕。伝統文化を継承してほしいですね。

  • |2012.05.21(Mon)
  • |matsuyama
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No title

どこだったかしら?
東北を旅した時に繭そばというのを、いただきました。
そのお店で、かいこの入ったまゆをいただきましたよ・・・

まだ、何個かもっています。
気持ち悪いので、開けてませんが・・・

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コメントありがとうございます

>ところが乱反射した太陽の横に三日月型の日食が
>うっすらと写り込んでるんです。
これはカメラのレンズに反射した太陽だと思います。
カメラは7枚とか9枚とか複数枚のレンズを組み合わせて作るんです。
強い光などは反射して虚像がでるんです。
検索してみると結構投稿されてますよ(^^)
  • |2012.05.21(Mon)
  • |豊年満作
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No title

まゆはきを 俤にして 紅粉の花

以前、この句の「まゆはき」が分からなくて、いろいろネットを検索
してみたことがあります。
眉掃き、女性がおしろいをつけた後眉を払う小さな刷毛のことを言
うそうですが、「まゆはき」「おもかげ」「紅の花」・・・、どの言葉をと
っても古風で艶やかな感じがします。
また、「紅の花を摘んでいる女性たちは、おそらくそんな化粧なん
かとは縁のない身分ではなかったと思われ、哀愁が漂う」みたい
な解説もありました。
そんなことを、ふと思い出しました。
  • |2012.05.22(Tue)
  • |茶々
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Re: くろこ姫さんへ☆彡

繭そば、そうですか。そういうそばもあるんですか。
群馬県の館林に繭玉うどんというのがある、という話は聞いたこと
あるんですけどね。
どんなそばですかね。まさかそばの上に繭がポンと乗っているとい
うんじゃないでしょうね。小正月に神棚を飾る繭玉みたいに、お餅
で繭玉をつくってそばに入れるんですかね。あるいは繭からとれる
シルクのように麺がしなやかだとか。

いただいた繭を振って見てカラカラという音はしませんか。音がす
るようだと中の蚕が死んで干からびているのかもしれませんね(笑)。

  • |2012.05.22(Tue)
  • |matsuyama
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Re: 豊年満作さんへ☆彡

コメントありがとうございます。

そうなんですか。カメラのレンズによる虚像なんですか。
自分はてっきり太陽の神様がお怒りになり、画面に姿を現した
のかと思っちゃいましたよ(笑)。
眩しすぎるとそういう現象が起きることもあるんですね。
やはり太陽光が強すぎる時は、フィルターを使って少しでも遮光
した方がいいんですかね。
夏の天体ショーの珍現象ですね。ありがとうございました。勉強
になりました。

  • |2012.05.22(Tue)
  • |matsuyama
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Re:  茶々さんへ☆彡

そうですね。仰る通りで、芭蕉は尾花沢に10泊した後、人々に勧め
られ山寺の立石寺に向かったんだそうです。途中一面に咲いた紅花
を眺めていると、心までが華やいだんでしょうね。紅花が満開の頃
だったそうで、この句はその時詠んだのではないかと言われてます
ね。きっと芭蕉も紅花という名前や色から、女性が化粧で使う眉掃
きが思い出されたんでしょうね。
何歳の時の句か分りませんが、芭蕉も隅に置けない歌人だったんで
すね(笑)。
「行くすえは 誰が肌にふれむ 紅の花」なんて言うのも詠んでるそ
うで、ますます芭蕉の好色が浮き彫りにされます(笑)。

  • |2012.05.22(Tue)
  • |matsuyama
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No title

季節が夏へと移ろっていくのがよく分かる季節になりました。
田植えと稲刈りは瑞穂の国日本の代表的な風景であり、季節の風物詩でもありますね。日本人として誇れる姿なんですが、最近は。

酒田で買い求めたベニバナの種を植えて小1ヶ月経ちました。芽が出て葉も数枚。花が咲くのはまだまだ先でしょうが紅花色を楽しみにしています。
  • |2012.05.22(Tue)
  • |まろゆーろ
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Re: まろゆーろさんへ☆彡

こちらでは今が田植えのシーズンで、代かきの済んだ田圃には
田植え機のトラクターが緑の苗を植え付けているシーンが見受け
られます。昔は一家総出、あるいは隣近所の手を借り、赤い襷に
白の手ぬぐい、菅笠を被った早乙女たちで賑わっていたもんです。
今は農業も機械化され、このような風物詩も見られなくなりました。

本場酒田で買い求められたという紅花。古くはくれのあい(呉藍)
とも呼ばれいたそうです。枝先についた頭状花は黄色から次第に
赤になり、6~7月頃に開花を迎えるようですね。
楽しみはもう少し先でしょうか。

  • |2012.05.23(Wed)
  • |matsuyama
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No title

こんばんは
蚕、娘が小学校の時養蚕のまねのようなことをやっていましたね。
糸を持って帰ってきたことがありました。細くても強い綺麗な糸でした。
そういえば皇后陛下が養蚕をなさっていらっしゃると聞いたことがあります。
お優しい皇后陛下がそのまなざしで蚕を見つめるそのご様子が浮かびます・・・。
  • |2012.05.23(Wed)
  • |見張り員
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Re:  見張り員さんへ☆彡

お嬢さんが小学校というと5~6年前ですかね。最近でも蚕を飼った
りしてたんですかね。もう廃れて蚕も繭も知らないだろうな、と思っ
てました。昔は生徒が交代で蚕に桑の葉をあげてたもんですけどね。
皇后陛下も蚕を飼っておられたんですか。天皇陛下が田植えをされ
たり、天皇ご一家は農業に理解がありますよね。
そういえば天皇皇后両陛下が東日本大震災の見舞いで、我が被災地
を訪ねていただいたことがありましたが、被災者と同じ目線でお話
されるんですね。被災者が座っていると膝まづいて、絶対上からの
目線でお話しされません。謙虚というか、相手を思いやる気持ちが
お強いんですね。

  • |2012.05.24(Thu)
  • |matsuyama
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こんばんわ^^

田植えは田舎にいたことがあるので
やったことがありますよ^^
手で植えました♪

蚕は全く知りません^^;
見た事もないですね~!

でも、皇后陛下が蚕の世話をされているのは
TVで見た事があります。
とても、綺麗なシルクで、色つやが素晴らしかった
記憶があります^^*/
  • |2012.05.24(Thu)
  • |たえ
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Re:  たえさんへ☆彡

お~、田植えの経験ありましたか。
しかもあの泥水田に入っての田植え。歩きにくかったでしょう。
中腰の田植えって重労働ですよね。今でこそ機械化されてきました
が、狭いところではトラクターも入れないですから、手植えに頼ら
ざるを得ないですけどね。
いずれにしろ田植え、稲刈りは日本人の食の基本ですし、食文化を
支えてきた風物詩でもありますよね。
秋には新嘗祭も行われ、天皇皇后両陛下も五穀豊穣に感謝しておら
れます。稲作ばかりではなく、養蚕など農事にもご理解いただき、
ご自分でも体験されておりますよね。

  • |2012.05.25(Fri)
  • |matsuyama
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