お彼岸は娑婆の此岸を見つめ直すいい機会

3月も半ばですね。3月というと別れのシーズン。いま学生さんの卒業式が真っ盛りです。卒業式といえば誰しも忘れられない別れの歌があります。実はだんとつの1位が「仰げば尊し」なんだそうです。2位が「蛍の光」。(詳しくはこちらから)。年代別に見てみるとやはり年配者に多く、若年層になるほどばらつきが見られ、「贈る言葉」「翼をください」「いい日旅立ち」なんて言うのも歌われていたようです。式歌の他にも学生服の金ボタンを記念に貰ったり、厳しかった担任が卒業生のサプライズの歌に号泣したり。皆さんにも思い出の卒業式はありませんか。

仏様のお供えに ユリとりんどうと小菊の花束一対(CT触媒)
そんな別れの季節の後には、新しい出会いの春がやってきます。3月20日は二十四節気の春分の日。厳しかった冬と別れ、冬眠していた動物や早いところでは桜の花も開花してくる頃です。人の生活にも新しい希望と活力がもたらされるこの時期、昔の人にとっては「自然に感謝し春を祝福する日」でもあったんですね。
暑さ寒さも彼岸まで、といわれる春の彼岸は17日が彼岸の入り、23日が彼岸明けです。その中日にあたる20日は春分の日。太陽が真西に沈むのに因んで、阿弥陀様の西方浄土に向かって手を合わせ、後生の安楽を願うものです。

ご存知のように、彼岸とは極楽浄土の仏の世界、此岸(しがん)とは私たちが四苦八苦する迷いの世界です。このお彼岸にこそご自身の心のありようを見直すいい機会でもあります。彼岸という仏の世界を知り、自他共に幸せになるためには6つの戒律を修業しなさいと、お釈迦様は示されております(詳しくは過去記事→2010年9月16日「迷いから悟りへお彼岸のお墓参り」を参照)。
すなわち「布施(ふせ)」、「持戒(じかい)」「精進(しょうじん)」「禅定(ぜんじょう)」「忍辱(にんにく)」「智恵(ちえ)」であります。これらは仏教徒が実践すべき大切な教えとされていますが、ご家庭では仏壇を掃除し、新しい花や季節のもの、牡丹餅、彼岸団子等をお供えし、彼岸のあいだ毎日、灯明、線香を絶やさぬようにすることも修業の一つになるのです。

お彼岸は7日間あります。その間の1日、ご家族そろってお墓参りに行きましょう。特にお子さまがおりましたら、一緒にお墓参りすることで、ご先祖さまを敬う気持ちや、人を大切にする気持ちを育てることにもつながります。
菩提寺で彼岸会があるなら参加して見ることも、供養の心を育てるだけでなく、伝統的な仏教文化に触れる機会です。時間がない時は本堂のご本尊へのお参りとご住職への挨拶は欠かさないようにしたいものです。
私の菩提寺では彼岸の中日の翌日、念仏法要を営んでおります。これはお墓参りを終えた後、本堂に寄りお布施と供物を献上し、ご先祖を供養していただくという習慣のようですね。

仏教でいうお彼岸は、毎日あくせく働く煩悩の世界(此岸)を、たまには仏の世界(彼岸)から見てみなさい、視覚を変えることによって、此岸の世界のありようが全く違って見えてくるんです、と仏教評論家のひろさちやさんは説いています。
此岸は苦しみの土地であり、私たちはじっと苦しみを耐え忍びつつ生きねばなりません。だから此岸のことを「娑婆」あるいは「忍土」ともいいます。娑婆に住む私たちは他人に迷惑をかけていないといいますが、そんなことはありません。連日マスコミを賑わす事件事故だけではありません。日常の中の出来事にも迷惑をかけていることがあります。大学に合格すればそのとき誰かが落ちることになります。部長課長に昇進した時、昇進を見送られた誰かがいるはずです。
つまり、私たちは、自分が他人にかける迷惑を許してもらって生かされている。だからこそ私たちも他人から受ける迷惑を許さなければならないのです。そして、他人からの迷惑をしっかりと耐え忍んで生きなければならない、それが「忍土」の意味なんです。お彼岸はそのことを見つめ直すいい機会でもあるのです。

なるほど娑婆の世界は忍耐なんですね。私もここ暫く、遅々として進まない東日本大震災の復興計画に耐え忍んで生きております(笑)。

この記事の内容は一般的事例であり、それぞれの地域のしきたりによって異なることもあります。疑問に思うことがありましたらその地域の慣習に従ってください。

◇二十四節気 春分(しゅんぶん)のメモ◇
第4番目の節気。3月20日および清明(4月4日)の前日まで。
暦便覧:日天の中を行て昼夜等分の時なり
この日をはさんで前後7日間が春の彼岸である。第二次大戦前は春季皇霊祭として祭日であった。春分では昼夜の長さがほぼ同じになる。
◆春分の七十二候は次の通り。
初候 第十候(3/20~3/24)雀始巣(すずめ、はじめてすくう)
春の気、ますます盛んとなり、雀が巣を作りはじめる時季。
次候 第十一候(3/25~3/29)桜始開(さくら、はじめてさく)
本格的な春となり、ようやく桜の花が咲きはじめる時季。
末候 第十二候(3/30~4/3) 雷乃発声(かみなり、すわわちこえをはっす)遠くで雷の声がしはじめる時季。

参考サイト:Wikipedia日本文化いろは事典NPO PTPL天台宗公式サイト曹洞宗公式サイト神奈川の霊園.com
画像提供:ブログ画像ゲッター

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No title

もう彼岸ですね。
ウチも墓参しなきゃですが、
今年は特にママさんの仕事が忙しいのでキビシイです…

今年度で異動らしいので…
  • |2012.03.16(Fri)
  • |itchann
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No title

一昨日の津波を伴った三陸沖の地震には驚かれたのでは
ないでしょうか。
こうしてコメしている今も埼玉県南部での地震情報が・・・
忍耐の世界とは言え、大震災から1年を過ぎても未だ各地
で頻発している地震には参ってしまいます。

卒業式の思い出、私の頃は金ボタンの習慣はなくサイン帳
の交換をした記憶があります。

  • |2012.03.16(Fri)
  • |茶々
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No title

こんにちは!
いつも、どうもありがとうございます♪

自分は中高一貫で
中学の卒業式も高校の入学式も面子は同じ(笑)
高校の卒業式は、国立大学の二次試験だったので
行ってないんですよね・・・
大学は中退、写真学校の卒業式は仕事という・・・
せめて、子供の式はちゃんと見届けたいです。

またよろしくお願いいたします♪
  • |2012.03.16(Fri)
  • |スーパーサイドバック
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Re: itchann さんへ☆彡

ママさん異動ですか。
3月は別れの季節とはいえ、我が身になるとちょっと切ないですね。
現在の職場も残り僅かだと思いますが、気持ちの整理をし、新天地
でその思いを発揮してください。
以前は自分も畑違いの部署に異動させられ、暫くの間新職場で戸
惑っていた頃もありました。そんな時新しい職場の仲間たちが優し
く迎え入れてくれたことが、自暴自棄の自分の支えとなってくれた
ことを憶えています。
人間心の繋がりが大切です。お彼岸もご先祖との心の繋がりをいつ
までも大切にしていきたいものですね。

  • |2012.03.16(Fri)
  • |matsuyama
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Re:  茶々さんへ☆彡

この辺りも久し振りの大きな揺れで、大震災の再来かと一瞬脳裏を
かすめました。市の広報からは頻繁に「津波注意報発令」の警告アナ
ウンスが流れますしね。海岸近くの住民は高台に避難したんじゃな
いですか。
まだ記憶に新しい昨年の悲劇に、些細なことでも敏感になってます。
ことに首都直下の地震が数年内に襲うなどと予知されていたのでは
首都圏の皆様にとっても深刻ですよね。

そうそう、卒業式の思い出にノートにそれぞれの思い出を書きした
ためた記憶があります。卒業式のスタイルも時代によって変わるも
んですね。

  • |2012.03.16(Fri)
  • |matsuyama
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こんばんは

またこの季節がめぐってきましたね。
昨年はもっとあったかかった記憶がありますが今年は寒いこと。
もっとも昨年の彼岸は震災の直後でしたから「墓石が倒れていまいか」とはらはらしながら行ったのを思い出します。

あれから一年がたち、世の中を御先祖様はどうご覧になっておられますやら・・・?

また最近地震が多くなってきたようで気が抜けませんね、どうぞお気をつけてくださいね。
  • |2012.03.16(Fri)
  • |見張り員
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Re: スーパーサイドバッグさんへ☆彡

こんばんは。いつもありがとうございます。

中学校の卒業式と高校の入学式の顔ぶれが一緒というのは私立の
特徴なんでしょうか。気心の知れた友達と一緒ですから、安心で
しょうけどね。
反面新鮮味に欠けるところがあるかもしれませんね。それぞれ進
路が決まり、別れを惜しむ卒業式や、高校受験会場で顔見知りに
なった友達と、入学式で再会できる楽しみもありますけどね。
卒業式の記憶がないだけに、それぞれ成長したお子さんの卒業式
だけはしっかりと見届けたいものですね。
  • |2012.03.16(Fri)
  • |matsuyama
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No title

早いもので春のお彼岸が間近になりましたね。
どうもお彼岸のお中日は雨が多いようで、今年もくずつき気味とか。しかしその雨が桜にとっては恵みの雨になりそうな感じです。きっとお彼岸を過ぎたあたりから一斉に花開くのではと思っています。
西方浄土にいらっしゃる仏様は、こちらで生きている人間をどのようにご覧になっていらっしゃるのでしょうか。
救い甲斐のある人にはどんどん救いの手を差し伸べて下さればよいのにと思う私は愚か者かなぁ。
  • |2012.03.16(Fri)
  • |まろゆーろ
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Re:  見張り員さんへ☆彡

巡りくる季節は今年も何事もなかったようにやってきました。
此岸の被災地は苦悩に包まれたままお彼岸を迎えております。
犠牲になられた方々も3月11日で一周忌。彼岸の地で安寧の日々
を送られているかもしれません。
忍土の世界で右往左往する身内の姿を見て、頑張れ頑張れと
勇気づけているのかもしれませんね。
お墓参りで犠牲者を供養し、彼岸からの新しい力を授かって
来たいものです。
最近大きな揺れが増えてます。無念の犠牲となられた方々が揺り
動かす激震だとは思いませんが、今後の動向にお気をつけください。

  • |2012.03.17(Sat)
  • |matsuyama
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Re: まろゆーろさんへ☆彡

今年もお彼岸の季節になりましたね。
この日を境に桜の花も咲きほころんできます。昨年は国難と言え
る大惨事に、花見も自粛ムードで愛でるゆとりもありませんでし
た。今年は北上する桜前線に各地ともその美しい桜に酔いしれる
ことでしょう。

彼岸の地でゆっくりと此岸を見渡す、新しく仲間入りした仏様。
華やかな春の供華に囲まれ、ご遺族の行く末を案じておられる
かもしれませんね。西方浄土で修業を積まれた数年後には復興と
いう大きな手を差し伸べてくれるかもしれません。

  • |2012.03.17(Sat)
  • |matsuyama
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No title

耐え忍ぶこと・・・
その繰り返しかも・・・

特に日本人は・・・

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こんばんは

地震驚かれたことと思います。
お見舞い申し上げます。

記事を拝見していると、お墓参りに行きたくなりました。
時間作れないかな…
  • |2012.03.17(Sat)
  • |別府葉子
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こんばんわ^^

そうですね、お彼岸なので私もお墓参りに
行ってきたいと思っています。
ちょうど、3月は父親の誕生日でもあるので、
話をしてきたいと思います。

卒業式シーズンですね♪
そう言えば、大学の卒業式は袴で出席しました。
もうすでに働いていたので休みをもらっての出席
でしたね^^
何とか卒業できたことに嬉しくて涙が止まらなくて・・・
その時を思い出して、ちょっと、今も泣けてきました^^;
  • |2012.03.18(Sun)
  • |たえ
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Re: くろこ姫さんへ☆彡

あるお寺さんの住職に檀家のお嫁さんから相談があったそうです。
散々苦労させられた姑さんを敬い、偲ぶために、お彼岸にお墓参り
をしなさいと言われても私には無理です、と。
住職は答えました。
そんな方でも阿弥陀様はお救いなさろうとしています。あなたが
「地獄に落ちろ」と念じていたのでは、あなた自身が阿修羅のごと
く争いの渦中に入ってしまいます。苦労させられた上に阿修羅に
なったのでは身も蓋もありません。今日は彼岸会なのですから、
此岸のことは忘れて、彼岸の仏さまの見方を味わってみてはいかが
でしょう。
耐え忍ぶ日本人の一例でもありますね。

  • |2012.03.18(Sun)
  • |matsuyama
  • |URL
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Re: 別府葉子さんへ☆彡

久し振りの大きな揺れでしたね。
直後から案内された市の有線放送では、津波注意報発令による
避難を勧告する放送が頻繁に流れていました。
「海岸にいる人は急いで高台に避難してください」。
大震災再来かと緊張する一場面でしたね。このところ関東近県で
も地震が多発しているようです。西日本でも安心しておれません
から、お互いに注意しましょう。
ご多忙でなかなかお時間取れないと思いますが、故郷に帰られた
折にはお彼岸に限らず、お墓参りでご先祖を供養し、ご自分を見
つめ直して見ることも、心の安らぎになるかと思います。
心にゆとりを持ち感情を込めて歌われると、聞く方の胸に深く響
くものがありますよね。
  • |2012.03.18(Sun)
  • |matsuyama
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Re: たえさんへ☆彡

お父さんの誕生日、3月でしたか。
ぜひ、お墓参りしながらお父さんと対話してきてください。
きっとご結婚されたたえさんのお姿をご覧なって、喜ぶと思います
よ。

そうですね。特に大学の卒業式は、女性は袴が主流ですよね。
色無地(今は振袖を着るのかな)に袴を合わせると、風情のある優
雅な卒業式姿になりますよね。卒業証書の筒を携えて記念写真を
撮っているお友達同士をよく見かけます。
その時はもう働いていたんですか。学業にもご苦労されたんですね。
なおさら強い思い出がおありでしょうね。

  • |2012.03.18(Sun)
  • |matsuyama
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