お互いいたわり合いの娑婆世界

台風15号も幾多の爪跡を残しながらも過ぎ去った後には、清々しい秋空が甦ってきました。味覚の秋です。グルメの秋です。食欲の秋です。ぶどう狩り、梨狩り、栗拾いもいいんですが、もっと近場に芽を出すミョウガ。派手さはありませんが、湿っぽい裏庭にニョキニョキと頭角を現すミョウガ獲りもまた楽しいもんです。ツーンと鼻をさす香りは新鮮味があります。熱々の味噌汁に入れたミョウガの香りは最高!
         花魁 着物 太夫 遊女 簪  - 写真素材

自由気ままに自然の食材を収穫できる秋は極楽ごくらく(笑)。
まさに娑婆(しゃば)の世界です。「娑婆」とはいまや死語になっているかもしれませんね。
娑婆、それは人が生きる世界をさしており、生老病死(しょうろうびょうし)や人間関係、さまざまな欲望など、煩悩に耐えていかなければならない世界であると解釈されています。サンスクリット語(梵語)sahāの音訳で、私たちが住む国、三千大千世界の名前であり、「大地」という意味があります。
江戸時代、遊郭を金さえ出せば身分に関係なく、自由に心ゆくまで遊べるという極楽安堵の地「浄土」に例えておりました。しかし、遊郭で働く遊女からみれば「娑婆(廓の外)こそ自由の世界」だったんですね。「籠の鳥」になっている遊女には、廓の中は地獄で、外の世界である「娑婆」こそ、自由に過ごせる人間的な世界だったのでしょう。

現在遊郭や軍隊は廃止になりましたが、刑務所や長期の入院を強いられる隔離病棟、老人ホームなどに対し、外の世界を娑婆と言うことが多く見受けられるようです。
よく聞かれるのはドラマなど、刑期を終えて出所するとき「娑婆の空気はうめえ」などと述懐するセリフを聞くことがありますよね。また、合宿中の生徒や新入社員、人里離れた地で勤務する人など、日常生活を制限され、自由のきかない生活をしている人が「早く娑婆に戻りて~」などということもあります。
奥さんの尻に引かれ、鬱積した日常生活に「娑婆に帰りて~」などと決して弱音を吐かないように(笑)。

 傘ひとつ 片方は濡れる 時雨(しぐれ)かな
これは娑婆世界の歩き方を示唆した句です。ここであなたにお聞きします。下記のような状況下で傘をどのように差しますか。
天候はなかなか止みそうにない雨。駅まで行く2人の道のり、傘は一つしかありません。どうしても1人は濡れてしまいます。
1. 自分1人傘を差してすたこら行ってしまう。置いて行かれた人はずぶ濡れになります。これも片方は濡れるわけです。(手前勝手型)
2. 相手に傘を全面的に差しかけます。これだと相手は濡れませんが、自分はびしょ濡れになります。(自己犠牲型)
3. 傘を真中にして、寄り添うように差します。俗にいう相合傘です。これも傘からお互いの外側の袖がはみ出して、片方の袖は濡れます。(相思相愛型)
※これはあなたの性格を判断するものでもなく、正解を引きだす問題でもありません。

いろいろな差し方がありますよね。でも傘1本ではどう差してみたとて、片方は濡れてしまいます。2本3本あれば、濡れる問題は解決するんでしょうが、傘は1本しかないものと諦めてください。
娑婆の世界で、傘を2本にしよう、3本にしよう、満足のいくようにしようという発想は、老いをなくせ、死をなくせ、季節は3月花の頃だけにしろ、というのと同じく理不尽なことなのです。
仏教で言う諦めるとは、絶望的な放棄ではなく、死ぬまで前向きに生きる為の受容であり積極的な姿勢のことを言うそうです。努力をしなくていいと言うのではなく、努力も正しい智慧に基づかなければ方向を見失うのです。きれいさっぱり諦められれば、堪え忍ぶことが満足感に変わるのです。
傘1本だからこそいたわり合いながら歩んでいけるということもできます。これこそがいたわり合う娑婆の世界なんですね
 「晴れてよし 雨もまたよし 路地の花」とはよく言ったものです(笑)。

参考サイト:Wikipediaアンサイクロペディア天台宗公式サイト日本語俗語辞書
写真提供:(c) かとヤンストック写真 PIXTA


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No title

食べ物が美味しい季節になりましたね。
北海道では台風15号の影響で水温が2.3℃下がり、
さんま道東沖に集中し、花咲港では捌き切れず港に足止め
日曜日に競りなんていう記事が北海道新聞に。
  • |2011.09.25(Sun)
  • |釣るべー
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こんばんは

今を何かのご縁で一緒に生きている仲なのですから、「シャバ」にいる間くらいは仲良く行きたいものですよね。
でも最近そう言うことはあまりなく、人々はぎすぎすしていますね。
傘一本のいたわり合いの精神を大事にしたいものですね。
  • |2011.09.25(Sun)
  • |見張り員
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No title

茗荷は庭にたくさん自生しています。
前の家主が大工さんだったので…

しかし原発影響で怖くて…
今年は一度も口にしていません(T.T)
  • |2011.09.26(Mon)
  • |itchann
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どちらでも

やはり、相思相愛型になるのでしょうか

晴れてよし 雨もまたよし 路地の花

その感覚が心地よいですね


ありがとうございます
  • |2011.09.26(Mon)
  • |ponsun
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こんにちわ^^

秋ですよね、楽しみが多い季節です^^

傘の問題、答えは3です^^
やっぱり、一人でさす訳にはいかないし・・・
相手が、女性でも男性でも一緒にさしますが
知らない男性なら、あぶないので男性の場合は
知ってる男性に限りますけどね、アハ^^
  • |2011.09.26(Mon)
  • |たえ
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Re: 釣るベーさんへ☆彡 

食欲の秋、味覚の秋、グルメの秋。
特に北海道の食べ物は美味しいでしょうね。
どうして北海道の料理は美味しいと言われるんでしょうか。

さんまが道東沖で大漁ですか。
例年ですと三陸沖合まで南下してくるんですけどね。
水温のせいなんですかね。
2週間ほど前、初水揚げのさんまをご馳走になりましたけど、
まだ油が乗ってないという感じでしたね。
どうなんでしょう、北海道のさんまは?

  • |2011.09.26(Mon)
  • |matsuyama
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Re:  見張り員さんへ☆彡

粋な江戸町民の間には、傘かしげというマナーがありました。
雨の日に狭い路地を行き交う時、雨がかからないようお互いに
傘を傾げたそうです。
相合傘も相手を思いやる労わりの精神ですよね。

現代社会では傘の滴がかかったと言っては殴り合いの喧嘩になり
ます。ギスギスした物騒な世の中になりましたね。
人々が生きていくための娑婆。、生老病死や人間関係、欲望、煩
悩に耐えていかなければならない世界でもあります。
お互いに譲り合いながら自由に過ごせる世界にしたいものですね。

  • |2011.09.26(Mon)
  • |matsuyama
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Re: itchann さんへ☆彡

ミョウガは手入れをしなくとも毎年時期が来ると、芽を出して
くれます。手間いらずの優等生なんですが、今年は状況変化で
微妙な立場にありますよね。
放射能の影響で野菜をはじめ、果物、魚介類は出荷停止などの
措置をとられ、農業や魚業関係者にとっては大打撃です。

幸いこちらでのセシウムの影響は今のところないようで、収穫
して食べてるんですが、原発の影響が大きい地域では何かと心配
ですよね。

  • |2011.09.26(Mon)
  • |matsuyama
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Re: ponsunさんへ☆彡

相手を思いやれる気持ちがある方なら、どなたでもこのタイプ
なのかもしれません。日本人には多いと思いますよ。
野郎同士だとちょっと考えるところがあるかもしれませんがね
(笑)。

なかなか風流な一句ですよね。
路地に咲く一輪の花は、道行く人々の目を奪います。そしてまた
心も休まります。
こんなところに険悪な雰囲気は起こりません。これこそがお互い
をいたわり合う娑婆の世界なんではないでしょうかね。

  • |2011.09.26(Mon)
  • |matsuyama
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Re: たえさんへ☆彡

冷えた秋雨の中を二人で相合傘もいいですが、春雨と違って
びしょ濡れになってしまいます。そうは思いながらも、1本しか
ない傘を寄り添うように2人で差す。心の通う日本人の姿ですよね。
逆に傘が1本しかなければ濡れる覚悟で諦めるしかありません。
諦めるとは「諦めること」と「明らめる」とが一体化した言葉で、
いい状態の継続を諦め、ありのままを明らかに見ることだそうで
す。きれいさっぱり諦められれば、堪え忍ぶことも満足感に変わ
るといいます。だからこそ労わり合いの気持ちが生まれるんですね。

くれぐれも知らない男性との相合傘にはご注意くださいね。

  • |2011.09.26(Mon)
  • |matsuyama
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No title

うーん、噛めば噛むほど味が出るような含蓄にとんだお話でした。

傘をパッと相手に差し出して、名も告げず自分はちゃちゃっと駆け出していく・・・そんなふうになりたいなぁ♪^^

  • |2011.09.26(Mon)
  • |三代目
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No title

私も茗荷大好きです
色々と薬味に使ったり 甘酢漬けにしたり
山に探しに出かけます 自生の茸も美味しいです
流石に茸だけは 見慣れない物は取りませんが
秋は食欲優先です
晴れてよし 雨もまたよし 
なんか 良いです


  • |2011.09.27(Tue)
  • |こん☆
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No title

相合傘、
相手に気を遣うからどうしても差している方が
濡れてしまいますよね。

傘1本をどう差すか、と問われれば
それは相手によりますね。
これが娑婆の現実ではないでしょうか。(笑)

  • |2011.09.27(Tue)
  • |茶々
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Re:三代目さんへ☆彡

う~ん、なるほど、なるほど。
キザですね。キザですけど、自分も1度はやってみたいです(笑)。

タイプから見ると、2番の自己犠牲型になるんでしょうかね。
自分は濡れてもいい。相手が喜んでくれればということでしょう
か。でもその相手が男性もしくはお祖母ちゃんだったりしたら
どうしますか。
ここでは相手が異性でであろうと同性であろうと、関係ありませ
んでしたね(笑)。どれだけ労わりの気持ちを持っているかですよ。
やはりご商売をなさっておられる三代目さんは、相手を思いやる
お気持ちを強くお持ちなんですね。

  • |2011.09.27(Tue)
  • |matsuyama
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Re: こん☆さんへ☆彡

昨日も自宅脇に芽を吹き出しているミョウガを獲ってきましたが、
もうそろそろ花も咲き始めてますね。
豚肉との酢炒めや天ぷらなどもなかなか悦なもんです。

もう秋の味覚がいっぱい吹き出てきてます。
茸狩りもいいですね。いいんですけど、怖いですよね。
見慣れないと食べれるのか、毒なのか分りませんからね。
去年裏山に登って茸狩りを試みたんですが、見分けがつきません。
やはり茸に詳しい人にご一緒いただくか、お店で買った方が
安全ですよね。

  • |2011.09.27(Tue)
  • |matsuyama
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No title

裏庭にミョウガの群生でしょうか。
美味しですよね。大好きです。物忘れしませんが……。
味噌汁に刻んだばかりのミョウガを散らすとは、やってみます。

娑婆って立場が異なる人にとっては極楽、平安の世界でしょうね。遊ぶ人、遊郭の人、それぞれの思いや娑婆が交差しているなんて考えてみたら不思議ですね。
  • |2011.09.27(Tue)
  • |まろゆーろ
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Re:  茶々さんへ☆彡

以前出張先で雨にたたられたことがありました。
一緒に行った先輩は傘を持っていません。自分は折りたたみの
小さな傘を持っていました。当然相合傘になるんですが、傘は
小さい。肩がはみ出る。先輩に濡れてほしくないと思うと、自分
の身体半分がはみ出ます。途中コンビニなどでは傘も売切れです。
目的の駅に到着した時はずぶ濡れでした。
相手に気を使えば、自分が不利になる。いろいろな状況にもよる
のでしょうが、濡れることを諦めるしかないこともありますね。
諦め、自分が耐え忍ぶことで、先輩を濡らさずに済ますことがで
きたという満足感が湧いてくるんですね。
これもまた娑婆の世界の1つなのでしょうかね。

  • |2011.09.27(Tue)
  • |matsuyama
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Re: まろゆーろさんへ☆彡

群生とまではいきませんが、年々増えてるんですよね。
何の手も加えずに毎年増え続けるお利口さんです(笑)。
香りがいいですよね。違った味噌汁の味を堪能できます。
豚肉と一緒に黒酢炒めにしてみるのも茗荷料理の醍醐味ですね。
料理ブログでもないですから、あまり細かく書くと本職のまろ
ゆーろさんに突っ込まれるかもしれませんので、程ほどに(笑)。

一昔前の赤線も廃れ、今はソープランドとして営業しているよう
ですが、こんな所にも遊び人とソープ嬢の思いがあるのでしょう
ね。もっとも現代では自分で選んだソープの世界が娑婆かもしれ
ません。

  • |2011.09.27(Tue)
  • |matsuyama
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No title

こんにちは!
いつもどうもありがとうございます♪

そういえば、俗世間にどっぷりつかって
まさに俗っぽい人のことを、よく筋系の人が
娑婆僧!なんていいますが
なんとなくわかりますね(笑)

自分も仕事の外、仕事以外には娑婆の世界のような気がします(笑)

またよろしくお願いいたします♪
  • |2011.09.27(Tue)
  • |スーパーサイドバック
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Re: スーパーサイドバッグさんへ☆彡

こんばんは。いつもありがとうございます。

娑婆僧ですか。ほ~、初めて聞いた言葉です。勉強不足でした。
調べたら娑婆僧とは「ツッパリ君たちが真面目な一般学生や根性
ないツッパリを馬鹿にしてこう呼ぶ」んだそうですね。
>俗世間にどっぷりつかってまさに俗っぽい人のこと
なるほど、何となく分りますよね。
仕事に没頭していると娑婆世界が見えなくなってしまうことが
あるかもしれませんね。仕事を終わり家庭に戻った時、ホッと
するのは娑婆の世界に戻ったからなんでしょうね。

  • |2011.09.27(Tue)
  • |matsuyama
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No title

深いですねえ~。
全てをあるがままに受け入れるという事でしょうか。
諦める事と、紙一重のところもあり、よく私はここに自問自答します。
努力して何とかなるものか?もしくは受け入れるべき事なのか?
正解はよく分かりませんね(笑)

「娑婆」という漢字はこういう字なのですね 今日も勉強になりました。
  • |2011.09.27(Tue)
  • |青ち
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Re: 青ちさんへ☆彡

娑婆世界では生老病死、人間関係、欲望、煩悩など理不尽に対す
る諦めを説いているんですね。
「諦める」とは、「諦めること」と「明らめる」とが一体化した
言葉です。いわば自己所有欲の拡充と、いい状態の永続を諦めて、
ありのままに明らかに見ることです。ですから物事をきれいさっ
ぱり諦められれば、堪え忍ぶことが満足感に変わる、と天台宗で
は教えているようです。
制約された条件の中で、最大限努力をしてもなおかつ望みが叶え
られない時に諦めるということを言ってるのかもしれません。た
だ諦めるとは明らめると一体化しておりますから、断念すること
ではなく、事情や理由を明らかにし、気持ちを晴れやかにするこ
とだと思います。現実を認識した上でその状態を受け入れ、堪え
忍ぶことで満足感に変わるものだ、と自分は理解したんですけどね。
突き詰めて考えて行くと、仏教の教えは難しくなりますね。
  • |2011.09.28(Wed)
  • |matsuyama
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No title

食べ物のおいしい季節になりましたね!

おいしくて、食べ過ぎてこまります。(笑)

傘は、相手の方におまかせで・・
相手の方が、こちらにくれなければ、濡れますし・・
自分を犠牲にしてくれれば、私がぬれなくてすみますし(笑)

どちらでも、良いんです。人の傘ですから(笑)

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Re: くろこ姫さんへ☆彡

スーパーの店頭には葡萄、栗、梨などの旬の果物が並び始めました
ね。甘い誘惑に負けそうです。
美味しく食べたら、適度な運動をしましょう。
食欲の秋でもあると同時に、スポーツの秋でもあります(笑)。

相手の方が差出してくれる傘は、くろこさんの心掛け1つかもしれ
ませんよ。くろこさんから発散される魅力が、相手の方のハートを
捕まえると全面的に傘を差し掛けてくれるかもしれません(笑)。
人の傘だからどちらでもいいというくろこさん、そんな投げやりな
所が、逆に人によっては魅力なのかも(笑)。

  • |2011.09.29(Thu)
  • |matsuyama
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