田舎の入り、江戸の出を守る江戸しぐさ

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私の住む町のローカル列車は、通勤時間帯を除いてだいたい空いています。にもかかわらず列車が止まると堰を切ったように一部の乗客が、整列乗車してる人を差し置いて乗車口になだれ込んでいくんですね。席を取りたい気持ちはわかるんですが、ちょっと傍から見てると浅ましく見えますよね。
そうかといえば発車間際に飛び乗ったり、閉まりかけたドアをこじ開けて乗車してきます。危ないですよね、へたをすると怪我をしないでもありません。大都市の電車の乗降にも、往々にしてこんな方を良く見かけます。
心に余裕をもった方ならこんなことはしないですよね。ゆったりと乗車し、降りるときは前もってドア付近で待つ。このマナーができてこそ常識人であり、江戸しぐさの典型でもあるんですね。江戸しぐさでは前者を「田舎の入り」後者を「江戸の出」と言っております。決して前者の例を田舎者と卑下しているわけじゃないんです。出身地に関係なくマナーを心得ていない人のことを、田舎の入りと称しているのです。周囲に配慮しながらみんなが気持ちよく暮らせるように振舞うことが、江戸しぐさなんですね。

江戸商人が作り上げた江戸しぐさ
「江戸しぐさ」とは、過去の記事でも触れましたが、江戸商人たちが創り上げた商人の行動哲学なんですね。いかに生きるべきかという商人道で、人間関係を円滑にするための知恵でもあったわけです。平和が続いた長い江戸時代、安心できる社会を支えたのが「江戸しぐさ」という人づきあい、共生の知恵だったんですね。
江戸しぐさは今の社会にも通じるエチケットです。殺伐とした現代社会で相次ぐ他愛もない悲惨な事件や事故、一人ひとりが思いやりを持って接すれば起こり得ない、住みよい社会が実現するものと思いますけどね。

江戸町民の子供の教育
「三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理で末決まる」と江戸町民は子供を教育したそうです。この意味は3歳までに素直な心、6歳までにその振る舞いに節度をもたせ、9歳で常識ある言葉遣い、12歳では立派な文章が書け、15歳には物の道理がわかるように教育したといいます。この教えは現代にも通用しますよね。

粋な江戸っ子は死んだらごめん
お心肥やし」江戸っ子は教養豊かでなければならない
打てば響く」江戸っ子はすばやく対応することを身上とした。
三脱の教え」初対面の人に年齢、職業、地位を聞かないルールがあった。
他にも江戸しぐさには時間を厳格に扱った「時泥棒」。返事は2度繰り返してはならない「はいはい」。狭い往来をすれ違う時、ちょっと会釈をする「肩引き」や雨のしずくが相手にかからないような仕草の「傘かしげ」など「往来しぐさ」のちょっとしたエチケットが粋にみえたんですね。
指きりげんまん、死んだらごめん」と言われるように、江戸っ子は人間の約束は必ず守るとされていたようです。「死んだらごめん」とは命にかけても約束を守るということだったんですね。

生活規範、マナーを守ってこそ粋な大人です
「江戸ッ子だってね」「あたぼうよ、神田の生まれだい」。この掛け合い、粋な江戸っ子を表す象徴的な会話です。こんな思いやりの気持ちを交わし合う江戸しぐさ。別に東京の人がするから江戸しぐさではありません。地方に住んでいても生活のルールやマナーを守ってこそ江戸しぐさなんですね。それが身につけられない野暮な人は、粋なおとなにもなれませんよ。
色の文字をクリックすると詳しく解説されています。
参考サイト:Wikipedia、All About、NPO法人江戸しぐさ
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マナー

へぇ、江戸しぐさ、初めて聞きました。
粋ですねぇ。

どれも現代の道徳教育にも通用するものばかりなのも
驚きです。
それにしても、右を向いても左を見ても、今の世の中マ
ナーの悪さばかりが目立ちます。

人のせいなのでしょうか、時代がそうさせているのでしょ
うか…

  • |2010.01.27(Wed)
  • |茶々
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No title

ルールを守る。
集団で生活していくにはこれが必要なのですが、
田舎ではどうしても守れないのです。
と言うよりも守らなくてもやっていけるのです。
逆に都会ではルールを守らないと、その人自身が痛い目に会いますね。
私も都会から田舎へ来て、
ルールを守らない生活が私の今までの感覚に合わないのです。

たとえば交通ルール、都会で守らないと自分が事故にあいますが、田舎では守らなくても車そのものが少ないのでなんとか
やっていけるのです。
横断歩道も赤で渡れます。
待っていても車は来ません。
ただ田舎のそういうところも
すべて否定するのではなく、それが田舎の良いところだと
最近では自分の中で納得するようにしています。

これって田舎に染まってきたということなんだろうか^_^;
  • |2010.01.27(Wed)
  • |kissy
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Re: 茶々さんへ☆彡

記事にも書きましたが、江戸時代の子供の教育は15歳までには
物の道理がわかるように教え込んだといわれてます。

昨今、電車という公共の乗り物が出来、便利になってきましたが、
じゃその乗り方のマナーは誰が教えるんでしょうか。
道路には車が氾濫しております。そんな中で歩行者はどうやって
路を歩けばいいんでしょう。

便利な世の中になった反面、そのルールを教える機会がおろそかに
なっているような気がします。四角四面に当てはめることも
ないですが、節度あるマナーは必要かもしれませんね。

  • |2010.01.27(Wed)
  • |matsuyama
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No title

電車のマナーは感じますね~
最近は満員電車に乗らなくなりましたが、以前は駆け込み乗車など良く見かけました。
どうせ2.3分で来るのに・・・

>三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理で末決まる
子どもの教育考えちゃいますねぇ
いまのところ大丈夫そうですけど、そろそろ言葉遣いを教えねば・・・
って私も言葉遣いダメですけど(笑)
  • |2010.01.27(Wed)
  • |こちくん
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Re: kissyさんへ☆彡

そうですね、田舎と都会のルールには大きな隔たりがあります。
田舎だと知り合いだったら勝手に上がり込んできます。
人によっては冷蔵庫の物を断りもなく出し入れします。
プライバシーも何もありません。
個人の生活を大事にする都会の人にとっては溜まらないですよね。

でもこんな田舎の生活でも防犯、防災には効果があるんですね。
特に一人暮らしのお年寄りには、寂しさを紛らわすこともできます。
一長一短がありますのでどちらがいいとは言えませんけどね。

その郷土に適合したルール、マナーというものがあると思います。
江戸しぐさは江戸の商人が創ったマナーです。無理にそれを田舎に
浸透させる必要はないと思いますが、最低限の道徳は守りたい
ものですね。

郷に入れば郷に従えともいいます。田舎の社会生活を理解できる
ようになってきたということは、染まりかけているんじゃないですか(笑)。
  • |2010.01.27(Wed)
  • |matsuyama
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Re: こちくんさんへ☆彡

都会の電車は乗り遅れても次の電車がすぐ来ますからね。
田舎の列車は乗り遅れたら次は1時間待ち、2時間待ちになります。
ですからギリギリに乗車される方は必死なんですね。
江戸しぐさもコロッと忘れてしまいます(笑)。

子供は親の背を見て育つ、といいますからね。
お子さんはこちくんさんの背中をしっかりと見てるかもしれませんよ。
大丈夫ですよ。素直に育ってるようですから。
私のような親でも、子供は育ってくれました(笑)。

  • |2010.01.27(Wed)
  • |matsuyama
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No title

こんばんは。
「江戸しぐさ」、手元に置いたまま読み進んでなくって。matsuyamaさんのブログを拝見して触発されました。
というか、江戸しぐさを読まなくても十分に納得させて頂きました。
心に潮が満ちるような素敵な内容をいつも楽しみに拝見しています。
  • |2010.01.27(Wed)
  • |まろゆーろ
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  • |2010.01.27(Wed)
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Re: まろゆーろさんへ☆彡

ありがとうございます。最近は読み逃げばかりで申し訳ありません。
体調はいかがですか。前立腺の検査、良く調べてもらってください。
私の義兄が前立腺がんに54歳の若い尊い命を奪われてしまいました。
早期発見が大事ですからね。

この程度じゃ「江戸しぐさ」の本質は探れませんよ。
新たな新発見を目指して、ぜひ読破してください。

  • |2010.01.28(Thu)
  • |matsuyama
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No title

こんにちは
いつも、どうもありがとうございます♪

幼い子供がいる身では
やはり江戸時代の教育、すごくわかりますね
三つ子の魂百までなんていいますけど
こういうところから着てるんですね
身に感じます。

自分は東京で6代目なんですけど、
そう考えると江戸っ子なんですよね(笑)

宵越しの金はもたねえぜいっ!
ぬるい風呂にはへえれね~なんて
ことばっかりじゃないですね
ありがとうございました

またよろしくお願いいたします♪
  • |2010.01.28(Thu)
  • |スーパーサイドバック
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No title

"周囲に配慮しながら、みんなが気持ちよく暮らせるように"
この気配りの気持ちは大事ですよね。
現代人よりも江戸の商人は立派過ぎるくらい立派ですね。
江戸時代が一番住みやすい世の中のような気がしますね。
  • |2010.01.28(Thu)
  • |hebaseijin
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Re: スーパーサイドバッグさんへ☆彡

スーパーサイドバッグさんは6代目なんですか。
由緒ある家柄なんですね。もしかすると先代は江戸時代
生まれじゃないですか。すごいですね。
3代続いて本当の江戸っ子というそうですから、
生粋の江戸っ子ですね。

そういえばお父さんが商家だったとか言ってませんでした?
先代から代々の商家だったんですかね。
もしかすると先代は「江戸しぐさ」を広めた商人だったりして(笑)。
子供の教育も厳しかったんでしょうね。

  • |2010.01.29(Fri)
  • |matsuyama
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Re: hebaseijin さんへ☆彡

江戸時代の商人魂から編み出された生活の知恵だったんでしょう。
今も殺伐とした住みにくい社会ですが、当時はちょっとしたことが
もとで、切り合い殺し合いになる時代だったわけですからね。

江戸時代は士農工商という身分制度がはっきりしていたようですが、
一番身分が低かった商人が、少しでも住みやすく、気持ちよく
暮らせるよう、一番生活のマナーを考えていたんじゃないですかね。

  • |2010.01.29(Fri)
  • |matsuyama
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こんばんは

電車での最低限のマナーというか当たり前のことーー降りる人が先ーーということが分からない人間が多くなってきて、世も末だと心底嘆くこの頃です。
傘を振り回したり、真横に抱えて持つ人も多くアブナイったらないですよ。子供の目に当たったらどうするんだろう、と恐ろしい思いでいます。
日本人は豊かさと引き換えに、こういった当たり前ということをどこかに行き忘れてきたんでしょうか、そうならこれはゆゆしきことですね。
  • |2010.01.30(Sat)
  • |見張員
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No title

こんばんは
いつも、どうもありがとうございます♪

先代かどうかはわかりませんが
幕府に使えてた医者と聞いております
自分の祖父から本家を出て今の地に住んだそうです
本家もすぐそばなんですが、祖父が商家をはじめました。
  • |2010.01.31(Sun)
  • |スーパーサイドバック
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Re: 見張員さんへ☆彡

マナーの悪さが目立ちますね。
聞いた話ですが、大阪では通勤時間帯でも整列乗車が守られず、ドア付近に集中するケースがあるそうです。通勤地獄は乗車する前から始まってるんですね。
傘にしてもしずくをよく切らずに乗車する方がいます。混雑する車内では迷惑なんですよね。
自分の利益しか考えない方が多くなりました。一般的なマナー、エチケットは子供の頃からの躾として大人が教育しなければならないんですよね。教える立場の大人が‥。

  • |2010.01.31(Sun)
  • |matsuyama
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Re: スーパーサイドバッグさんへ☆彡

先祖に医者と商人がおられたんですか。由緒ある家系だったんですね。子供への教育は厳格だったんでしょうね。
スーパーサイドバックさんのコメントでもその辺が窺われます。毎回必ず最初に謝礼文があり、最後に締めくくりの挨拶でまとめてます。これは簡単そうで、なかなかできないことです。
意識的にしているわけじゃなくても、持って身に付いたマナーかもしれませんよ。見習いたいものです。

  • |2010.01.31(Sun)
  • |matsuyama
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