母のお逮夜は念仏で送られた

導師、お念仏、会葬者のおもてなしに奔走

亡母のお逮夜、いわゆる通夜が始まった。
午後2時ごろから7時ごろまでの長時間にわたる。
親戚や近所をはじめ、勤めてる方などがポツリポツリとお参りに来る。
東京近県なら午後6時か、7時ごろ始まり、約1時間位で終わる。
地元のしきたりなのだろうか、ロングランの通夜は遺族に疲労といらだたしささえ感じる。

3時ごろ菩提寺の住職が2人の伴僧を従え、通夜の読経をあげていただいた。
遺骨となった母の姿は、祭壇の中央に安置され、住職のお経で旅立っていく。
親戚に見守られ、残った遺族をよろしくと願いつつ、後ろ髪をひかれているようだ。

曹洞宗の読経によって引導を受けた母を勇気付けるように、
住職の読経の後、5人の年配の主婦によってお念仏の唱和が始まった。
生前元気だった頃の仲間で、母にお念仏の唱和を教えられた人もいる。
お念仏独特の節回し、鈴や鉦を打つリズム。自分にはよくわからないが、
「うまかったがす~」
口々に褒めてくれる。わからないながらも、嬉しいものだ。
約30分、熱唱した後、彼女達をお膳でもてなす。
「ありがとうございました。母も心やすらいでいることと思います」

彼女達の多くは一家の主婦で、町会ごとにグループを組み、
不幸があった家に行って念仏供養をしているそうだ。
念仏は菩提寺の住職に習い、先輩に叩き込まれる。
無論、ボランティアだろうが、どこの喪家でも謝礼は用意している。

やがて空も薄暗く、お逮夜も終わりを迎えた。
集まっていただいた親戚皆様を、お斎でおもてなす。
いわゆる通夜振る舞いであり、供養の食事だ。
といっても肉類生物は慎まなければならないしきたりから、
献立は裏方を手伝っていただく隣近所の主婦手作りで、
野菜類の質素なものが中心になる。
ケータリングサービスを利用すれば簡単で、結局安上がりになるのだが。

表舞台と違って、喪家の料理を預かる裏舞台も大変なようだ。
料理長といえる年配の主婦が采配し、その日の献立を作り上げていく。
通夜料理にはこの野菜は使えない、味はどうの、何が足りないと、
他の主婦から反感を持たれながらも、女同志の修羅場をかいくぐる。
その気苦労が手にとるようにわかる気もする。

ともあれ、この日のお逮夜は無事滞りなく終了することができた。
ご会葬いただいた皆様、お手伝いいただいた皆様に謝辞を述べ見送った後は、
シーンと静まり返った部屋で、呆然としてしまった。 
「母さん、こんなお逮夜だったけど、後のことは心配しないで!」
しかし、このとき自分の気持ちはすでに明日の葬儀告別式に移っていた。
 
これがまたハプニングつづきの異例の式となってしまうとは、
この時点ではまだ予想もできなかった。
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お母様

ご冥福をお祈りいたします。
  • |2007.10.10(Wed)
  • |亜里沙
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ありがとうございます

ご冥福をお祈りいたします。胸にジーンと来る言葉ですね。
都合で更新は不定期ですけど、良ければときどき訪ねてください。
  • |2007.10.10(Wed)
  • |matsuyama
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