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男心、女心と秋の空

季節も9月を迎え、天高く馬肥ゆる秋がやってきました。秋の空は移動性高気圧の乾いた空気のために澄み渡り、すがすがしい青空が広がってくるからなんですね。いつもより上空の雲までよく見えるようになると、秋の月が美しく見え、お月見にも最適な時季にもなります。10月のお月見が楽しみです。

ところが、お天気が変わりやすいのもこの時季で、これを変わりやすい人の心になぞらえ、「男心秋の空」「女心秋の空」と言われ、「秋の夜と男の心は一夜にして七度変わる」などとも抽象されてきました。江戸時代、もとは「男心秋の空」でした。当時は既婚女性の浮気は命を落とすほどの重罪だったのに対し、既婚男性の浮気には寛大だったんですね。
秋の空⑥


秋の空」の「秋」は「飽き」にも通じており、洒落好きな江戸文化にも受け入れられていたようです。
この「男心と秋の空」が「女心」へと変化していく動きは江戸時代には既に現れていましたが、「女心」の方へ大きく動いていったのは明治時代に入ってからのようです。
秋の空①


明治時代、尾崎紅葉の小説『三人妻』に女心と冬日和といえり、と記されており、イギリスの諺で「女心と冬の風」を例えたのではないかといわれております。強風やおだやかな風に変化しやすい冬の風を、女心にみたてたのでしょう。喜怒哀楽の感情の起伏が激しい女心は、物事に対して移り気なんだといっているようでもあり、大正デモクラシーや女性の地位向上に伴い、日本独自のことわざ「女心と秋の空」が定着したのかもしれません。
秋の空⑤


江戸時代の俳人小林一茶(こばやし いっさ)は、変りやすい自分の心を秋の空にたとえて、次のような句を詠んでいます。
「はづかしや おれが心と 秋の空」
これは明らかに「男心と秋の空」を踏まえた俳句となっており、そんな移り気な心が恥ずかしいと内省的な心情を吐露しているようでもあります。
秋の空③


「心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ」
「出家して人の感情を捨てたにもかかわらず、鴫(しぎ)が飛び立つ沢をみていたら、なんとも言えない感動が心にわいてきたよ」と、俗世間を捨てたはずの西行法師は、物哀しい秋を詩っています。
秋の空②

昔も今も、食欲、スポーツ、読書、芸術と深秋はさらに続きます。
物想いに耽る秋、事を荒げず心静かに秋の空の移ろいと自然の景観をを楽しみたいものですね。


ただ今の二十四節気は「白露」です。詳しくは9月6日付の「二十四節気・白露」をご覧ください。次の二十四節気は9月22日の「秋分」です。前日頃までにご案内いたします。

テーマ:岩手をつぶやく
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北国岩手の四季と歳時記に取り組み、素朴な田舎生活を自由気ままに散策しております。

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