美味しいパンとビールの元「麦秋至」

麦穂が風に波打つ黄金色
5月31日頃から6月4日頃までは小満の末候で、七十二候の第二十四候「麦秋至(ばくしゅういたる)」です。麦が熟して畑一面が黄金色(こがねいろ)になる時節をいいます。新緑に囲まれた中、たわわに実った黄金色の麦穂が風に波打っています。初夏に畑一面の黄金色をみるのは不思議な感じがします。梅雨がやってくる前の一瞬の輝き。これを麦秋と呼んだ先人の感受性には目を見張るものがあります。
新緑から黄金色へ。冬服から夏服へ。薄着への衣替えは6月1日です。制服のある企業や学校では一斉に夏の装いに。もっとも今年の梅雨入りは全国的に早く、黄金色になる前に鬱陶しい季節を迎えているようです。

麦畑

大麦、ホップ、水での醸造「ビール純粋令」
黄金色の麦からは「液体のパン」とも呼ばれるビールが生産されます。
紀元前4000年以上前、メソポタミアで放置されていた麦の粥に酵母が入り込み、自然発酵したビール。気温が高かったこの地方では生水が飲用に適さなかったこともあり、安全性、栄養価とも高い飲み物として人々に愛飲されてきました。1516年、バイエルン地方の君主ウイルヘルム4世は、当時のビールの品質の粗悪さを憂い、「ビール純粋令」を施行しました。「ビールは大麦とホップ、そして水以外のものを用いて醸造してはならない」というもので、これによってドイツビールの声価は高まることとなったのです。
日本へは18世紀後半、江戸の鎖国時代、オランダからビールが紹介され、杉田玄白をはじめとする蘭学者たちによって試飲や試作されました。黒船来航の時ビールが贈られたともいわれています。

ビンビン、ゴクゴク、シュワー
冷えた生ビールの栓を抜くと、シュワーッと泡が噴出します。ビール好きの方にはあの泡がたまらなくいいんですよね。泡のなめらかな口あたりと飲んだ時の爽快感。思わずビールを飲む前に生唾を飲んじゃいます。
ビールの泡の役割ってそれだけじゃないんですよね。ビールが空気に触れ、成分が変化して味が落ちるのを防ぐとともに、炭酸ガスを逃さない蓋の役割もしています。また、苦味成分を吸着するという効果もあります。
ビンビンに冷えた最初の一杯、喉越しを通る時のあの苦み走った味は、その日の疲労感を吹き飛ばしてくれます。

人気ビールはヱビスがトップ
ビールのレビュー数、ユーザー評価をまとめたサイト「酒ログ」による人気のビール総合ランキングでは、第1位がヱビスビール、第2位がアサヒスーパードライ、第3位はザ プレミアム モルツで、以下4位にキリン一番搾り生ビール、5位に金麦が入っていました。1位のヱビスビールは納得できます。ビールの味を十分知り尽くした「通」の方が飲むビールですよね。私の好きなキリン一番搾りは4位でした。しかも3位と大きく引き離されての4位。昔はビールといえばキリンだったんですけどね。各社とも美味しいビール造りに研鑚してるようです。

天然酵母で偶然に美味しいパン誕生
ビールとともに麦が使われる食品にパンがあります。
パンは今から5000年前、エジプトで生まれたといわれています。当時のパンは石臼で挽いた小麦を水でこね、焼いていましたが、今みたいにふっくらしていませんでした。ある時、焼かないで放っていたら、空気中の天然酵母が混じったパンは、暑い日差しで生地が大きく膨らみました。これを焼いてみると、柔らかく美味しいパンが出来上がったんだそうです。パンもビール同様、偶然の誕生だったんですね。
日本でも弥生時代には、水田耕作とともに麦類が畑作生産されていました。当時は小麦を重湯(おもゆ)のようにして食べていたそうです。その後お粥や、粉にして平焼きにして食べるようになり、紀元前2,000年頃には今のパンに似た食べ物をつくるようになったようです。

2012年の美味しいパン年間ランキング1位(パンとパン屋さんのガイド「パンスタ」より)は意外にもふんわりとしたミルキー感のある食パンなんだそうです。人気のクロワッサンよりも好評なんですね。やはり毎朝食べるパンとしては飽きがこず、シンプルなところが好まれるんでしょうかね。





参考サイト:ぴおサントリー日清製粉グループ酒ログパンスタ、七十二侯がまるごとわかる本
写真素材:北海道無料写真素材集 DO PHOTO

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紅花の紅黄色が咲き誇る「紅花栄」

染料や口紅に使われる紅花
5月26日頃から30日頃までは二十四節気、小満の次候で、七十二候の第二十三候、「紅花栄(べにばなさかう)」です。紅花の紅黄色の花が盛んに咲く頃をいいます。
山形県の県花にも指定されている紅花は、黄色から紅色に移り変わる花を咲かせる菊科の1年草です。
花弁から染料や口紅の元になる色素がとれることから、古くから世界各地で広く栽培されていました。日本への伝来は,中国から裁縫や染色の技術とともに紅花の種を持ってきたのが始まりとも,推古天皇の時代に朝鮮半島を経て伝ったともいわれています。

紅花

アザミに似た紅花
紅花の草丈1mほどで、初夏には半径2.5~4cmのアザミに似た花を咲かせます。鮮やかな黄色から、やがて色づき赤くなります。葉のふちに鋭いトゲがあり、このため花摘みはトゲが朝露で柔らかくなっている朝方に行われます。花を発酵、乾燥させたものが染料や着色料の材料として用いられ、生薬や口紅、食物油などにも利用されます。
その花畑は夏の風物詩として、今でも山形の街を彩っております。

紅染めは西陣織などの高級織物に
紅花染めは草木染めのうちでも、花を使用する珍しい染めです。紅花には黄色と赤の2種類の色素があり、染めにもそれぞれを使った2種類の染めがあります。
黄汁を使った黄染めは容易で、庶民の染物として利用されました。紅の色素を使った紅染めは京都の西陣織のような高級な着物だけに使用されました。紅染めは作業の温度やタイミングなどで出来が大きく変わってしまうため,熟練の技術が必要な作業だったそうです。

のこぎり商法で栄えた最上紅花
日本での紅花は平安時代、関東から中国地方にかけて栽培されていました。山形での生産は江戸時代になり、各地で紅花の栽培が行われていた中で、最上川中流域の村山地方で産出される最上紅花が高品質で知られるようになり,生産量においても最大を誇るようになったそうです。
最上紅花の最盛期には生産地である出羽(山形)から酒田に集まり、そこから近江商人が北前船に乗せて京都、大阪へと運びました。生産者から現金買いをした山形の紅花商人は、関西方面に出荷した後その代金で上方物資を直買いし、山形に持ち帰っていました。こうした「のこぎり商法」で、山形商人は膨大な利益を上げていたんだそうです。

紅花は別名「源氏物語の末摘花」
紅花は一般的な和名で、赤い色彩であるところから,赤い色や口紅を「紅(べに)」と言うようになったそうです。
他にも久礼奈為(くれない)、呉藍くれのあい)、紅藍(べにあい)、末摘花(すえつむはな)などと呼ばれています。
「源氏物語」第六段の「末摘花」は、物語中に出てくる女性の鼻の頭が赤いことを嘲笑って「紅花のように末に赤い花(鼻)がある」と呼んだことからついた題なんだそうです。

紅花は染料や着色料の他に、薬用、観賞用などに使われます。若い芽や葉は食用とされ、干し花も料理に使ったり、ハーブティーとして飲むことがあるようです。
一面咲き綻ぶ山形の紅花畑を見れるのもこの時季です。一度見ててみたいものです。壮観でしょうね。





参考サイト:ぴお紅花の歴史文化館、七十二侯がまるごとわかる本
写真素材:写真素材-フォトライブラリー

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麦の穂も実り、ひと安心する小満

天地万物精気に満ちる
5月21日は二十四節気の小満です。「万物しだいに長じて天地に満ち始める」時季であり、前年の秋に植えた麦が成長して穂を実らせるため、ひと安心(少し満足)するという意味から小満といわれます。陽気も良く、草木が成長し緑が濃くなります。また様々な花が咲き、そして動物達も活発に動き始めます。さまざまな生命が大地に満ち溢れる時季でもあります。

白川郷

走り梅雨は梅雨入り前の前兆!
また、本格的な梅雨入り前の5月中旬~下旬頃、1週間~10日ほど一時的に梅雨のようにぐずつく天気になることがあります。これを走り梅雨といいますが、この現象、年によってあったりなかったりします。通常は走り梅雨の後、晴れの日が続き、その後梅雨入りとなるのが一般的です。

お天気雨は狐の嫁入り現象!
この時季、晴れているのに小雨が降ることがあります。これを一般的には「お天気雨」とか「日照り雨」といい、お天気に騙されたような感じから「狐の嫁入り」あるいは「天泣(てんきゅう)」などとも呼ばれています。昔はお天気雨のことを怪奇現象ととらえ、何でも狐の仕業と考えていたんですね。雨が落ちる前に雲が消えてしまった、強風で雨が流された、小さい雲が雨を降らしたなどと科学的に説明されるとちょっとがっかりするところもありますけど。

きれいな虹の架け橋に感動
お天気雨で出会える自然現象もあります。太陽を背にし、雨が降っている方向を見上げると、きれいな虹と出会えることがあります。極稀に体験できる不思議な現象ですが、出会えると感動的でロマンチックになります。
以前、長野県をドライブしている時、前方に鮮明な虹の架け橋を見ることができました。その時は年甲斐もなく、思わず「ワッ、虹だ!」と叫んで急停車してしまいました。男はいくつになってもロマンを求めます(笑)。

小満の初候は「蚕起食桑」
5月21日頃より25日頃までは小満の初候で、七十二候の第二十二候「蚕起食桑(かいこおきてくわをくう)です。
古来より日本中で飼育されていた蚕。ひと月ほどで体の周りに白い糸を吐き出し繭を作りますが、その繭から採れるシルクと呼ばれる絹糸は生活を支える大事な収入源でした。桑の葉を食べ、成長する蚕を「おカイコさま」と呼び、人々は期待を込めたまなざしで眺めていました。
1995年12月9日にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された「白川郷・五箇山の合掌造り集落」では、焼畑によるヒエ、アワ、ソバ、そして養蚕のための桑が農業の中心でありました。
小学校時代、学校で蚕を育ててました。生徒が交代で桑の葉をあげ、その成長を観察してたことがあります。白い繭が出上がったときは感動でしたね。

裕福だった! 製糸工女
大竹しのぶさん主演の映画「あゝ野麦峠」では、群馬県富岡市にあった富岡製糸場に出稼ぎした女工さんは、休みもなく1日12時間以上働かされたなどと、悲惨な面を強調して描かれています。
しかし、原作では工女の恵まれた環境や、糸値に翻弄される製糸家の厳しい実情などにも言及、日本の貧しく苦しい時代を懸命に生き抜いた人々やその背景が強く描かれています。
実働7時間45分、休日は年末年始、暑休など含め年間76日、給料も月割りで支給され、ベテラン工女になると25円、他にも夏冬の作業服代として5円あったそうです。明治8年の25円は大金だったんでしょうね。貯めたお金は盆暮れに帰省した時、実家の借金返済などにあてがっていたそうです。

昔の工女さんは家のため親のため、必死に働いていたんですね。

◇二十四節気 小満(しょうまん)のメモ◇
二十四節気8番目の節気。5月21日および芒種(6月5日)の前日まで。
◆小満の七十二候は次の通り。
初候 第二十二候(5/21~5/25)蚕起食桑(かいこおきてくわをくう)
蚕が桑の葉を盛んに食べはじめる時季。
次候 第二十三候(5/26~5/30)紅花栄(べにばなさかう)
紅花の紅黄色の頭花が盛んに咲く時季。
末候 第二十四候(5/31~6/4) 麦秋至(ばくしゅういたる)
麦が熟して畑一面が黄金色になる時季。





参考サイト:WikipediaぴおHistory日誌exciteニュース、七十二侯がまるごとわかる本
写真素材:写真素材-フォトライブラリー

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