春まだ浅く 雷鳴轟く「雷乃発声」

遠くに稲光が光る 春雷
3月30日頃から4月4日頃までは、七十二侯末侯の雷乃発声(かみなり すなわち こえを はっす)です。
桜の花が開くと寒冷前線の通過などにより、しばらく姿を潜めていた雷が鳴ることが多くなります。気温が下がって雹や雪が降ることもあり、農作物に被害が及ぶ場合がでてきます。この時期には降雪が見られるなど、定まらないお天気に、まだ春が浅いことを感じさせるでしょう。
遠くで雷の音がし、稲光が初めて光る時候、いわゆる「春雷」と呼ばれ、雷鳴が轟くようになります。啓蟄の頃に鳴る雷は「虫出雷(むしだしかみなり)」と呼ばれますが、春分以降の雷は夏の雷雨と違って一つ二つ鳴ったあと止んでしまいます。
ふきのとうの「春雷」。下記の動画よりぜひご覧ください。

若竹煮

筍とわかめの若竹煮は春を代表するレシピ
桜前線が北上した後にはこの時季の旬、筍が芽を出し始めます。筍とわかめを合わせた「若竹煮」は、いかにも春といったレシピですね。山の幸が筍なら、海の幸はわかめがこの時季の旬です。
わかめは冬が成長期で、冷たい海水の中で育ちます。岩にとりついて芽吹くのは秋。深さ数メートルの海の底でどんどん成長し、ひと冬で1~2mまで伸びます。春になればわかめは収穫の季節。街のスーパーなどには生のわかめが出回ります。水温が高くなる初夏になると、たくさんの胞子を出して枯れていきます。
乾燥わかめは一年中出回っていますが、生わかめはその柔らかさとシコシコした歯触りが格別ですね。舌を惑わす微妙な塩味は食欲を高めてくれます。透けるような緑色をした新生わかめはこの時季にしか味わえません。

北海道沿岸に棲息する今が旬の飯蛸
季節の移ろいとともにレシピの数がどんどん増える中、もう一つ濃厚な味を引き出す旬の飯蛸(いいだこ)があります。
飯蛸は北海道以南の浅海や朝鮮半島西岸・東シナ海に広く分布し、全長は30㎝あまり。卵が飯粒のような形をしていることから「飯(いい)蛸」と呼ばれています。小型の蛸壺や、アカニシなどの殻を蛸壺にし、冬から春が産卵期となります。
「和漢三才図会」に「味は蒸飯の如し、故に飯蛸と名付く」とあり、胴に飯粒のような卵がびっしりと入る事から、この名が付いたといわれています。地方によっては「一口蛸・子持蛸・石蛸」と呼ぶところもあるようです。卵を持った魚を「子持ち」と呼びますが、飯蛸の場合は「いい持ち」と呼ぶそうです。
水深5~10mぐらいの浅い泥砂の海底に居つき、アサリ、バカガイなどの二枚貝を好んで食べます。

はち切れんばかりに卵が熟す今が食べ頃
はち切れんばかりに卵が熟してくる早春が旬で、この時季、頭の付け根に包丁で切れ目を入れ、内臓と墨袋を取り出し、丸のまま食べるのが通の食べ方だそうです。飯蛸の煮付けも美味しいですけど、生のまま丸呑みするのも豪快ですね。
内臓と墨袋を取り除いて軽く塩もみし、ぬめりを取った飯蛸を軽く茹で、醤油、砂糖、水の煮汁で甘辛く煮ます。
これぞ産地ならではの漁師料理。いい持ち蛸を味わう最高の料理。ご飯もお酒もすすむでしょう。
低カロリー、高蛋白、ミネラル、ビタミンもバランスよく含んだ食材です。特に、ビタミンB2が豊富で体内での解毒作用を促進してくれるそうです。肝臓や心臓の働きを助け、糖尿病や胆石を予防する効果もある飯蛸。これ以上何も言えない栄養食です。これからの旬、ぜひ食卓を飾ってみてはいかがでしょう。

春ならではの季節の海藻、新わかめやひじきと一緒に、海の中の四季を感じてみてください。








参考サイト:gooお天気豆知識ぴお、七十二侯がまるごとわかる本
写真素材:写真素材-フォトライブラリー

人気ブログランキング参加中!
人気ブログランキングへ
↑ポチッと、お願い。

テーマ:実用・役に立つ話
ジャンル:趣味・実用

零れ桜に花筏 風情も満開「桜始開」

七十二侯 さくら始めて開く
七十二侯の「桜始開(さくらはじめてひらく)」は春分の次候。3月25日から3月29日頃です。
桜前線が北上し、古来より多くの人々に愛でられてきた桜の花が開き始める頃。新しい季節に期待する人々の気持ちは高まります。うららかな春の陽気に誘われ、日本中が待ち焦がれていた季節の到来です。平安時代からこちら、「花」といえば桜を表しました。

「世の中に たえて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし」(在原業平)
もしこの世に桜の花がなかったら、咲いたの咲かないのと、こころ騒がせることもなく、のんびりした気持ちでいられたろうに‥‥。在原業平は桜への思いを和歌に託していました。

桜餅
桜餅(左が道明寺餅、右が長命寺餅)

早い地方では桜吹雪や零れ桜
今年も、桜前線が南から北へと移動、関東付近でも春華やぐ季節となりました。今年の開花日は、例年より早いのでしょうか。七十二侯の「桜始開」と季節が同時にやってきました。今や遅しと皆さんのブログは花見日和となっているようです。
日本気象協会の桜(ソメイヨシノ)の開花予想では平年より10日以上早いところもあり、このため桜まつりを急遽早めたり、九州や四国では桜吹雪や零れ桜(こぼれざくら)も見られるようです。この分では東北地方や北海道でも早い開花が見込まれそうですね。
気象庁のいう開花日とは、その地域の標本となる木が、5〜6輪以上、花が開いた状態の日をいい、満開日とは、標本木の80%以上の蕾が開いた状態の日をいいます。

桜の美しい季節 桜を美しく称える桜ことば
桜の美しい季節。日本人はその美しさを歌に詠んだり、絵画や文様のモチーフとしても広く親しんできました。「花」と詠めば「桜」を意味するほど、日本語には桜にまつわる美しい風流な言葉がたくさんあります。
満開の桜は花盛り。零れ桜に舞い散る桜吹雪。水面に散った花びらが吹き寄せられ、流れていく花筏(はないかだ)。水面に散った花びらが敷きつめられた花の浮き橋。水辺の桜が水面に映る様を桜影、桜の木の陰を表す桜陰。なんとも風情のある言葉ですね。

さらには花見に着る衣装を花衣(はなごろも)、桜を愛でている人を桜人(さくらびと)、花見に行って疲れてしまう花疲れ(はなづかれ)。夜桜で、あたりがぼんやり明るく見える花あかり。夜桜を見るために焚く篝火を花篝(はなかがり)といいます。変わりやすくすっきり晴れない花曇(はなぐもり)、急に冷え込む花冷え、桜の花にかかる雨を桜雨、花びらを散らしてしまう雨や水に流れていく桜流し、花の上に宿る露は花の露、花から滴り落ちる雫は花の雫と表現します。人の心を魅了する桜は、やがて時が経ち散り残ったものを残花(ざんか)といい、春の名残を感じさせます。
桜を愛でる日本語はこんなに多くあります。どうです、満開の桜を見ながら気取って使ってみませんか。

桜餅は長命寺と道明寺
桜花爛漫のもとで味わう桜餅(さくらもち)。桜餅は桜の葉に包むことで、その芳香を生地に移して桜の風味を楽しむ和菓子です。
桜餅は、関東と関西で異なり、関東の桜餅は長命寺餅といい、小麦粉の生地を焼いた皮でクレープのように餡を包んだものをいいます。享保2年(1717年)、隅田川沿い長命寺の門番が、桜の落葉掃除に悩まされて考案し売り出されたのが始まりといわれています。
一方関西の桜餅は、道明寺餅といい、もち米を蒸かして干した粒状の皮に、大福のように餡を包んだものをいいます。大阪の道明寺で作られた道明寺粉のつぶつぶした食感が特徴です。大島桜の葉で包み、包皮を食紅で桜色に染めるのは共通しています。

桜餅独特の風味を引き出す大島桜
花と葉が同時に開く大島桜は伊豆地方に自生しており、葉がやわらかく毛が少ないため塩漬けにして使います。大島桜は染井吉野の母種でもあり、 9割以上が伊豆地方で生産され、毎年収穫した葉を半年ほど塩漬けにします。塩気を含んだ葉が餡の甘味を引き立て、桜餅の独得の風味を引き出します。

葉の大きさは、関西では小さめのもの、関東では大きめのものが好まれているそうです。食べる際に、桜の葉を取るか、取らずにそのまま食べるかは人によって意見が分かれるところですが、全体でも約8割の方が葉もたべ、そのうち道明寺餅派は約7割の方が、長命寺餅派は約1割の方が葉も食べるそうです。

日本の文化と呼べる桜餅は単なる和菓子の域を超え、それぞれの暮らしを物語っているようです。甘党の方には花見に欠かせない桜餅。花見弁当のお供にぜひご一緒ください。





参考サイト:All Aboutぴお、七十二侯がまるごとわかる本
写真素材:写真素材-フォトライブラリー

人気ブログランキング参加中!
人気ブログランキングへ
↑ポチッと、お願い。

テーマ:実用・役に立つ話
ジャンル:趣味・実用

暑さ寒さも彼岸まで

「桜、雀、雷」暖かな陽気となる春分
3月20日は二十四節気の第4節にあたる「春分」です。
太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の時間がほぼ同じになる日と言われる春分。太陽が春分点(黄経0度)を通過するときです。暖かな陽気となり春本番を迎える頃でもあります。日本ではこの日を「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日とされています。
また、春分を中日に前後3日、計7日間は春の彼岸とされています。春分以降は昼の時間が長くなるため、「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、過ごしやすい日が多くなります。

雀

極楽浄土に生まれ変わりを願う
彼岸の期間に行う仏事を彼岸会(ひがんえ)と呼びます。彼岸会の彼岸は、「日願(ひがん)」から来ているとも言えます。太陽や祖霊は古来から信仰されており、仏教の彼岸は後から結びついたという説もあります。彼岸会法要は日本独自のものであり、浄土思想に結びつけて説明される場合が多くみられます。
春分と秋分は、真西に沈む太陽を礼拝し、遙か西方の彼方にある極楽浄土(西方浄土)に思いをはせたのが彼岸の始まりだとされています。生を終えた後の世界を願う考え方に基づいており、心に極楽浄土を思い描き、浄土に生まれ変われることを願ったもの(念仏)として理解されています。
もともと彼岸会は、天皇の詔として始められた行事でありましたが、いつの時代も、生を終えた後の世界に関心が高く、いつの間にか生を終えた祖先を供養する行事として定着していったのです。

散り際の潔い桜は日本人の心
陽気も高まってきた春分の時季、入学や卒業、転勤など生活の変化が多く見受けられると同時に、桜前線が北上し、日本各地に春が到来します。もう既に九州をはじめ、西日本では桜の花が満開となり、お弁当を広げて春の訪れを楽しんでいることでしょう。花の美しさばかりでなく、散り際も潔い桜は日本人の心ともいえる花です。
日本人なら誰しもが大好きな花見。その歴史は古く奈良時代にさかのぼります。当時は梅を観賞するのが花見の代表でしたが、平安時代より桜に代わるようになりました。現在の桜の代表であるソメイヨシノは、江戸時代末期、染井村(現在の東京豊島区駒込)の植木屋が品種改良したもので、明治時代全国に広まったのを機に、奈良県吉野山の名所「吉野桜」と誤解されないよう、「染井吉野」と命名したものです。

古来から愛されつづけた無邪気な雀
春分の七十二侯で3月24日までの初侯は「雀始巣」と書いて「雀始めて巣くう(すずめはじめてすくう)」と読みます。雀は農作物を荒らすこともありますが、田畑や人家のそばに棲息している野鳥です。春の空の下、飛び回る姿は暖かな日差しを無邪気に喜んでいるようでもあります。
「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」と、雀には昔から愛らしい句が詠まれております。寒中の雀は、「ふくら雀」といわれ、電線に止まっている冬の雀は、寒気のため全身の羽毛をふくらませます。
その雀がこの半世紀で9割も激減したそうです。いろいろ原因は究明されているようですが、自然界を生き抜いていくのも大変ですね。

3月も下旬頃になると雨と晴れの日が繰り返され、天候が不順になります。時には真冬の寒さになることもあり、寒の戻りが見られることもあります。花冷えになりますので、夜桜は厚手の衣類をご用意しお楽しみください。

◇二十四節気 春分(しゅんぶん)のメモ◇
二十四節気4番目の節気。3月20日および清明(4月5日)の前日まで。
◆春分の七十二候は次の通り。
初候 第十候(3/20~3/24) 雀始巣(すずめ、はじめてすくう)
春の気、ますます盛んとなり、雀が巣を作りはじめる時季。
次候 第十一候(3/25~3/29)桜始開(さくら、はじめてひらく)
本格的な春となり、ようやく桜の花が咲きはじめる時季。
末候 第十二候(3/30~4/4) 雷乃発声(かみなり、こえをいだす)
遠くで雷の声がしはじめる時季。





参考サイト:WikipediaNPO PTPLぴお、七十二侯がまるごとわかる本
写真素材:写真素材-フォトライブラリー

人気ブログランキング参加中!
人気ブログランキングへ
↑ポチッと、お願い。

テーマ:実用・役に立つ話
ジャンル:趣味・実用

日めくりカレンダー

カレンダー

02 | 2013/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

カテゴリー

最近の記事

ブログ内検索

FC2カウンター

QRコード

QRコード

CREDIT

top