「喜びも悲しみも幾歳月」本州最東端、魹ヶ崎灯台を行く

今日10月31日はハロウィンですね。ある商店街では子供たちが思い思いの仮装をしてパレードしていたようです。お菓子屋さんの前では「トリック・オア・トリート」と声をかけ、お菓子をもらうなど子供にとっては楽しい1日だったようです。
先日ある調査で「あなたはハロウィンで仮装しますか」という質問に、約7割の方が「しない」と答えてました。この仮装、大人には受けないようですね(笑)。

さてさて仮装もしないノーメイクの私は、先日、本州最東端(東経142度04分21秒)の陸中海岸にある魹ヶ崎(とどがさき)灯台に行ってきました。魹ヶ崎灯台は太平洋の荒波に突き出した重茂(おもえ)半島にあり、33.72mの高さは東北で一番高い無人の灯台です。

トドが崎灯台AIMG_0368

1902年(明治35)3月1日に点灯。1945年(昭和20)7月20日、アメリカ軍の砲撃を受け損壊したものの、5年後の6月に復旧しました。直径1.6mの集光レンズは38㎞先まで光を届け、霧のときは船に陸が近いことを霧信号の音で知らせます。魹ヶ崎は船がコースを変える変針点にあたり重要度が高く、年末年始には船の航行も多く、船舶には欠かせない灯台でもあります。平成8年4月からは無人化されたそうです。
魹ヶ崎の名は、かつて多くのトドが棲息していたところに由来するそうです。また本州最東端であるところから「とどのつまり」、いわゆる出世魚のトド(ぼらの最後の名前)との関連があるという説もあるようです。


魹ヶ崎灯台 本州最東端の碑 自然歩道
昭和32年に発表された映画「喜びも悲しみも幾歳月(木下恵介監督)」はご年配の方ならご存知かもしれません。この映画は戦前・戦後を通じ、永きに渡り魹ヶ埼灯台で過ごした灯台守の妻である田中キヨさんの手記をもとに製作されてるんですね。新婚だった田中さん夫婦が、日本中の灯台を転々としながら、夫婦の絆を強めていくという物語でした。
田中さんは魹ヶ崎灯台で7年間過ごしており、その時のエピソードが盛り込まれていたそうです。映画では佐田啓二さんと高峰秀子さんが共演しており、キヨさんの出産時や灯台守が火を守ることへの思いが描かれていたそうです。残念ながら映画の中では魹ヶ崎灯台は登場しなかったようですが、灯台守のさまざまな苦労は魹ヶ崎に常駐していた頃のスト-リーだったそうです。

♬おいら岬の 灯台守は 妻と二人で 沖ゆく舟の
 無事を 祈って 灯をかざす 灯をかざす♪

若山彰さんが歌った主題歌はヒットしましたね。懐かしいですね。
灯台南側の岩場に建っている本州最東端の碑(写真右上)は田中キヨさんの筆によるものです。

灯台までは車では入れません。姉吉キャンプ場から自然歩道を3.8km、約1時間歩きます。途中時折見える太平洋を、鬱蒼と生茂るブナ林の隙間に望みながら歩む自然歩道では、ほとんど行き交うハイカーとも会うことがありません。
「熊目撃情報あり」の看板に怯えながら、やっと視界に広がってきた潮の香りのする魹ヶ崎。真っ白い灯台から望む太平洋は、さえぎるものは何もなく果てしなくつづく青い海原でした。水平線がはるかかなたに見え、地球が丸いと実感できます。30m程の断崖絶壁には太平洋の荒波が押し寄せ、白い波が砕け散り、その雄大さに感動します。東の海から昇ってくる朝日とは本州で真っ先に出合えるんですよね。


大木と巨岩 熊の足跡
行く手には大木が巨岩を食いつくそうとしている奇妙な取り合わせ(写真左)を発見したり、歩道に咲き誇る野草を観察しながらの帰り、道脇に何やら足跡が見えます。往きはなかったのに。
右の写真お分りになりますか。まだ足跡は乾いてません。つい先ほど通り抜けた感じです。まさか、これが熊の足跡?
いまここに熊が現れたらどうしよう。周りには誰もいません。熊予防用の鈴も持ち合わせていませんでした。往復2時間のハイクで疲れきっております。もうこれは逃げるしかないです。一刻も早く出発地に戻ることが得策です。そそくさとその場を退散。気持ちだけは焦るものの、足腰が言うことを利きません。
疲れているとはいえ、人間、身の危険を感じる時は底力がでるんですね。これを世間では火事場の馬鹿力と言うんでしょうかね(笑)。


キンコウカ ヒメシオン タイアザミ
タマゴダケ ランタナ サトウカエデ
自然歩道を行く路傍には可憐な野草や茸類が目を楽しませてくれます。名前は定かではありませんので、図鑑に照らし合わせてみました。写真上からキンコウカ(左)、ヒメシオン(中)、タイアザミ(右)、写真下はタマゴダケ(左)、ランタナ(中)、サトウカエデ(右)。お詳しい方はご指摘ください。その他図鑑からは探しきれないものがありました。

約2時間半に及ぶ自然とのふれ合い。ふるさと再発見でした。日本にはまだまだ美しい自然が残されています。自然に触れ、郷土の歴史をもっと知る。皆さんもふるさとを再発見してください。





参考サイト:宮古市公式ホームページ宮古大事典宮古写真帖2

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楓や蔦が紅葉し始める霜降

二十四節気の霜降を一昨日(10月23日)迎え、すっかり秋も深まってきました。北海道や東北地方、そして標高の高いところでは霜が降りるようになります。もみじや楓が紅葉し、しだいに日本列島の北から徐々に、燃えるような赤色に染まりだしてきます。

紅葉

秋の早朝、栽培されている野菜にうっすらと氷の結晶が付いていることに気づきます。一瞬、身震いを感じ、秋の深まりを覚えます。そんなことはありませんか。もう霜が降りる季節なんですよね。霜降とは空気中の水分が冷えて氷になり、地面や物に付着して白く見える状態ですよね。これを見るとさすが秋も深まったな、と感じてしまいます。
秋が深まり、霜を見るようになると山々は赤や黄色で色づき始めます。今年は紅葉の時期が遅れているようですが、確実に萌えるような紅葉が近づいていますよね。紅葉は秋霜や時雨の冷たさに揉み出されるようにして色づくことから「揉み出づ」→「もみづ」→「もみじ」→「紅葉」と転訛したんだそうです。
写真の紅葉は3年前の10月23日に撮ったものです。3年前のこの頃はもう里山にも紅葉がやってきてたんですね。今年の里山はまだ緑が幅を利かせています(笑)。

山に紅葉狩りに行くとあらためて感じるのが日の短さですよね。秋の日は釣瓶落としといわれるほど、あっという間に日が暮れてしまいます。夏のつもりでいるといつの間にか懐中電灯が必要になってしまった、ということもありますから気をつけましょう。2カ月後の冬至までは、日に日に夜が長くなっていきます。

秋雲 そして季節の移り変わりとともに、空に浮かぶ雲も入れ替わってきます。「天高く馬肥ゆる秋」ということわざの通り、秋の空は空気も澄んで高く晴れわたってきます。この天高く馬肥ゆる秋、確かに爽やかで気持ちのいい季節を表すときに使いますが、別の意味がありますよね。
昔の中国では秋の収穫期になると、北方の騎馬民族が馬に乗って秋の収穫物を略奪に来ていたそうです。その襲撃を防ぐための季節がやってきたという意味があったんですね。中国ではその頃の精神を受け継いでいるんでしょうか、尖閣諸島が矢面に立たされているようです(笑)。

それはともかく、俳人正岡子規は、雑誌「ホトトギス」の中で「春雲はわたの如く、夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く、冬雲は鉛の如く、・・・」と表現しています。
春は太陽の光で大地が熱せられ、空気も暖められて上昇し、綿雲ができます。夏は、春以上に空気が暖まって綿雲がさらに発達し、入道雲や雷雲のようにもくもくとした巨大な雲が発生します。秋になると、うろこ雲やいわし雲、まだら雲などと呼ばれる雲が見られ、その姿は小石を敷き詰めたようだったり、砂丘の表面にできる風紋のようだったりもします。そして冬、特に日本海側で低い雲に覆われたとき、空はまさに鉛色に染まってしまいます。
正岡子規の自然を捉える目には優れたものがあったんですね。

二巾ちりめん「月夜の兎」黒
日本では、旧暦8月15日の十五夜と並んで旧暦9月13日(新暦では10月27日)の十三夜が、古くから秋の名月を鑑賞する「お月見」としての風習がありますよね。中国から伝来した十五夜と違って、「栗名月」とか「豆名月」といわれる十三夜の月見は日本独特の風習なんですね(詳しくは過去記事 2011年9月10日「秋の夜空を彩る十五夜と十三夜」を参照)
十五夜をご覧になった方は十三夜も見ないと「方月見」といわれ、嫌われるそうですよ。今のところ10月27日の予想天気を見ると、九州と東北の一部で雨降りとなる他は概ね名月を観れるようです。

鑑賞の秋は感傷の秋でもあります。秋の夜長の栗名月を感賞しながら十三夜を観賞しましょう。
なんですか、ひとの内のことまで干渉するな、ですって! いやいや、名月を皆さんに勧奨したかっただけなんです(笑)。

◇二十四節気 霜降(そうこう)のメモ◇
第18番目の節気。10月23日および立冬(11月7日)の前日まで。
暦便覧: 露が陰気に結ばれて霜となりて降るゆゑ也
楓や蔦が紅葉し始めるころ。この日から立冬までの間に吹く寒い北風を木枯らしと呼ぶ。
◆霜降の七十二候は次の通り。
初候 第五十二候(10/23~10/27)霜始降(しも、はじめてふる)
田園にも霜が降りはじめる時季。
次候 第五十三候( 10/28~11/1) 霎時施(こさめ、ときどきふる)
秋も終わりとなる頃で、霎(そう・こさめ)がしとしとと降って、わびしい時季。
末候 第五十四候( 11/2~11/6) 楓蔦黄(もみじ、つた、きばむ)
紅葉や蔦が黄葉する時季。





参考サイト:Wikipedia、NPO PTPL、暮らしのミニ知識、びお、JAL天気情報、、

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赤べこの力を試す闘牛大会

高原の山々も色づき始めた先日14日、岩手県久慈市の平庭高原に行ってきました。標高740mのここは秋の紅葉、冬のスキー、春はつつじやすずらんの群生が見られる爽やかな高原です。
まだ青々とした草原が取り巻くゲレンデ横の闘牛場では、この日短角牛の闘牛大会が行われていました。

平庭闘牛大会は年3回開催され、今回は今年最後のもみじ場所です。闘牛の本場である新潟県や沖縄県、鹿児島県徳之島などでも行われていますが、東北で行われるのは唯一ここ平庭高原だけだそうです。闘牛として戦う牛は短角牛。民謡・南部牛追い唄にうたわれていた南部牛とアメリカから輸入したショートホーン種を交配して品種改良された短角牛。日本短角種は赤茶色で「赤べこ」の愛称で親しまれています。主に東北地方、北海道で飼育されているようです。

昔、陸中の野田村海岸で製塩されていた野田しおは、北上山地を越え、内陸の雫石や盛岡などに運ばれ穀物と交換されていました。この時牛の背につけられ運んでいたのが「野田べこ」、いわゆる短角牛だったんですね。牛が通るだけの狭い厳しい山道を「塩べこの道」と呼び、そのコースの一部に平庭高原があったそうです。
久慈市は全国でも有数の日本短角牛の産地であり、その短角牛が闘牛の素牛とするところから、昭和35年平庭高原で第1回闘牛大会を催すことになったんですね。

平庭闘牛もみじ場所
この日の闘牛大会には24頭の短角牛が参加、12の取り組みが行われました。2歳から7歳までの闘牛は十両から横綱までランクされ、下位ほど若く、体重も450kgと軽量です。取り組みでは何といっても1000kgを越す最重量級の横綱対戦が見ものです。
闘牛を駆り出す勢子の「さ~、さ~、行け~」の気合で、角を突き合わせる短角牛同士はガツン、ガツンという激しく重い音を響かせ、両者の押し合いが始まります。
平庭場所の場合は勝負は付けず、引き分けが原則のようですが、中には闘争心を失い、さっさと闘牛場を去る牛もいたり、睨み合いがしばらく続く取り組みもありました。見応えあるのはお互いに激しいぶつかり合いが続き、ところ狭しと土俵を動き回る対戦は迫力です。特に横綱同士の対戦は優劣がつけがたく、観衆からの拍手が湧きあがっていました。


横綱
土俵入り パフォーマンス
横綱のまわし(?)を頭から鼻にかけた最重量横綱「グレート北リアス」は1050kg、7歳(写真上)。闘牛の寿命は15~6歳といわれており、今が力を発揮できる年齢でもあります。のぼりを従え、場内1周して紹介される足取りも落ち着いた雰囲気です(写真左)。頭を土俵に擦りつけ、足で土を蹴り上げるパフォーマンスで闘争心を剥きだしにしていました(写真右)。


甚句 観覧席
取り組みの合間に唄われた内坪博人さんの「南部角突き甚句」の音頭に、もみじ場所は盛り上がります(写真左)。内坪さんの高原に響くような美声に、升席で聞いていた観衆の皆さんもうっとり聞き惚れていました(写真右)。


抽選会 牛乗り
熱戦が繰り広げられたもみじ場所が終わって行われた抽選会(写真左)では、中国からお見えになったご婦人や九州の闘牛ファンが当選。子供にはおもちゃが振舞われるなど、闘牛の緊張感から解放されていました。また最重量級のグレート北リアスには、子供たちが背に乗せてもらい、ご満悦そうです(写真右)。まるで大人と子供みたい???(笑)


Fアスレチック) スキーゲレンデ
闘牛場の周りには各闘牛ののぼりが立てられ、その横にはフィールドアスレチックが設けられ、子供たちの遊び場になっています(写真左)。緑の草原に覆われたゲレンデ。冬はスキー客で賑わいそうです(写真右)。

白樺林に囲まれた平庭高原には山ぶどうのワインが飲める工場や、短角牛ステーキを堪能できるレストランもあり、1日十分楽しめました。
今回はいつもの歳時記を離れ、郷土の紹介をさせていただきました。まっ、平庭高原闘牛大会「もみじ」場所ということで、季節に合わせた遠い歳時記でご勘弁を(笑)





参考サイト:いわて牛北いわて広域観光ポータルサイト

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