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三陸ジオパークのジオサイト「奇岩三王岩」

三陸復興国立公園にある数多い奇岩景観の中で一際目を引くのが宮古市田老の男岩、女岩、太鼓岩からなる三王岩(さんのういわ)です。白亜紀から1億年もの歳月をかけて、寄せ返す波と海原を吹き渡る風雨が作り上げた美しい自然の芸術品です。

女岩と太鼓岩を両側に従えるようにそびえる高さ約50mの石柱状の男岩は、砂岩とれき岩が水平な縞模様の岩肌をしています。その左側には高さ約23mの尖頭状の女岩と、右側に黒岩から転石したとみられる高さ17mの太鼓岩が寄り添うように並んでいます。
これらの三王岩は2011年の東日本大震災による津波にも倒れたりすることなく変わらない雄姿を見せつけております。
三王岩①


5年前に三王岩の間から昇る初日の出を撮影したことがありました。その時の記事はこちらをご覧ください。防寒着は万全を期しての撮影ではありましたが、正月の早朝午前7時前は何しろ寒いです。手指は刺されるような痛さで感覚はありません。
その苦痛を和らげてくれたのが岩と岩の間から昇る初日を背景にシルエットに浮かび上がるサッパ船の船影でした。写真ではうまく映ってませんが、その時は感動的で小雪がチラつく極寒も忘れるほどでした。もうあのような寒さの中での撮影は2度とできないでしょうね。
三王岩②


冒頭にも記したように津波による三王岩自体には被害はなかったのですが、遊歩道に作られた鋼鉄製の手摺が金太郎飴を熱く溶かしたようにグニャグニャと曲がりくねっていました(写真左)。人間の作った鋼材ですが自然の力には一溜まりもなかったようです。現在では写真右のように遊歩道も復旧し、三王岩の自然の偉大さを間近で見ることができます。
三王岩⑤ 三王岩④


震災遺構として以前にも記事にしてきました「たろう観光ホテル」。東日本大震災による津波で被災、損壊した後、津波の脅威を伝えるための震災遺構として整備されました。その時のホテル事業者が付近の高台に移転新築し、「渚亭 たろう庵」と名称を改めて2015年4月に営業を再開しました。近くにある展望台からは三王岩の全貌が見渡せます。
たろう庵前の道は三陸ジオパークの体験ツアーコースにもなっており、時折参加者の一行がすぐ目の前の展望台まで歩いていく姿を見かけることもあります。
三王岩③



三王岩に興味とご関心がお有りの方は下記地図をご参照ください。



ただ今の二十四節気は「小雪」です。詳しくは11月21日付の「日本の季節・小雪」をご覧ください。次の二十四節気は12月7日の「大雪」です。12月6日頃までにご案内いたします。

テーマ:岩手をつぶやく
ジャンル:地域情報

漁船クルーズで沸く魹ヶ崎灯台

世界三大漁場といわれる三陸沖で獲れる海産物。なかでも手軽に味わえるのが三大珍味ともいえる海鞘(ホヤ)、雲丹(ウニ)、鮑(アワビ)です。宮古でも屈指の漁港である重茂港では近くの三陸沖で獲れた三大珍味を目玉に、毎年8月の上旬「重茂味まつり」を開催しております。

今年も8月4日、重茂漁港においてこの日の限定価格で珍味を味わえる「味まつり」に大勢の方々が朝早くから集まりました。お目当ての販売コーナーには長蛇の列です。

重茂味まつり① 

左から三大珍味のアワビの踊り焼き、ムラサキウニ、今回ホヤの販売は終了してました。残念。中には発泡スチロールに詰め込んで買っていかれる方も見かけます。店頭で販売するんでしょうか、お店の食材メニューとして仕入れるのでしょうか。
重茂味まつり①-① 重茂味まつり①-② 重茂味まつり①ー③


さてさて今回もそうなんですが、この重茂味まつりの呼び物は海産物の販売の他に「漁船クルーズ」があります。客室があるわけでもなく、気の利いた甲板があるわけでもありません。でも人気があるんです。紺青の太平洋にどこまでも続く水平線が解放感を抱くのかもしれませんね。
重茂味まつり②


往復約30分、気持ちよく潮風に吹かれるクルーズです。時には潮水を浴びることもあります。岸壁と漁船の僅かな隙間を飛び乗る時のその瞬間が気持ちを引き締めてくれます。それもまた漁船クルーズの魅力なのです。
重茂味まつり③


観光の目的は前回記事で書いた魹ヶ崎(とどがさき)の灯台を海から眺望することなんです。1回のクルーズに3隻の漁船が連なり、魹ヶ崎灯台に向かいます。いつも海の安全を見守ってくれる灯台に感謝し、皆さんとご一緒にお礼のクルーズです。
重茂味まつり④


海から見てもきれいな灯台ですね。魹ヶ崎からは本州で真っ先に日の出を見ることができるんですよ。海から眺望すると30m程の断崖になってることが確認できます。船が接岸できそうなところは見当たりません。海から見ても秘境なんですね。
重茂味まつり⑤


ただ今の二十四節気は「立秋」です。詳しくは8月7日付の「日本の季節・立秋」をご覧ください。次の二十四節気は8月23日の「処暑」です。8月22日頃までにご案内いたします。

テーマ:岩手県
ジャンル:地域情報

本州最東端の「魹ヶ崎灯台」

岩手県にある東経142度04分21秒の本州最東端の魹ヶ崎(とどがさき)灯台。灯台からはさえぎるものが何もなく、太平洋の果てしなく青い海の広大な水平線が続きます。明治35年3月に初点灯した魹ヶ崎灯台は昭和20年の戦災により破壊されましたが、5年後に現在の灯台が再建されています。
平成10年11月に海上保安庁が印象に残った灯台を全国から一般募集。魹ヶ崎灯台は「あなたが選ぶ日本の灯台50選」に選ばれています。自分が見たのは県内にある3ヶ所の灯台だけですが、魹ヶ崎灯台は雄大に広がる大海原、30mもある断崖、周囲に咲く季節の花など見どころ満載で、50傑に入るだけの強い印象が残りました。


美しい灯台を見るためにはそれだけの艱難辛苦を乗り越えなければならないのでしょうか。重茂半島にある灯台まで車では行けません。灯台入り口の姉吉漁港キャンプ場付近から約3.6㎞の自然歩道をひたすら歩きます。
「熊出没注意」の看板にのっけから驚かされます。身の安全のため鈴を腰に垂らし、ひたすら熊に遭遇しないよう願いつつ山道を歩きはじめました。
魹ヶ崎灯台①D


スタートから急坂が続きます。早速息が切れ始めました。入り口から550m、高低差110m、自然歩道の最高地点です。ここまで約15分。汗びっしょりです。年齢を感じます。でもここが最高地点ですからこの先灯台までの3㎞程はほぼ平坦地で楽になるでしょう。
が、周りは森林や自然歩道のS字カーブが続きます。熊の出没も忘れ、期待した海も残念ながら見ることができません。この日は灯台の一般公開と休日が重なり、見学帰りの方々と頻繁に行き交いました。
魹ヶ崎灯台④


歩き始めて約1時間。目前に白い巨塔が見えてきました。地上から約34m、海面上から約58mの魹ヶ崎灯台。怪獣のトドが群集するところ、あるいは荒波が激しく轟く音から由来しているそうで、断崖絶壁にはトドが群れを成して住んでいるようでもあります。白い灯台は印象に残る灯台50選に選ばれるほどの美しさで、青い海原に白が融け込んでいるようです。
日本の灯台としては3,251ヶ所(平成23年3月31日現在)ありますが、平成19年4月1日時点と比べると81ヶ所減っているそうです。
魹ヶ崎灯台②


高さ34mの灯台は東北一の高さで53万カンデラの光が20.5海里(約38㎞)の遠くまで届くように写真のような大きなレンズを使用しております。38㎞といわれてもどのくらいの位置になるのか見当もつきませんが、航行中の船舶にとって灯台の灯りは安全航海のための力強い海の道しるべとなるのでしょうね。田舎道を深夜に走るとき数少ない外灯が力強く頼もしい存在に見えてくるようなもんですよね。
魹ヶ崎灯台⑥ 魹ヶ崎灯台⑤

灯台の近くには写真のような「本州最東端の碑」があります。この碑は灯台守として魹ヶ崎灯台が最初の勤務地だった田中績さんの妻キヨさんの自筆で銘記されています。キヨさんは当時の婦人雑誌「婦人倶楽部」(昭和31年8月号)に灯台守の体験を綴ったエッセイを寄稿し、昭和8~15年頃の魹ヶ崎灯台での生活を世に発表しました。
年配の方ならご存知だと思いますが、このエッセイが木下恵介映画監督の目に触れ、昭和32年に「喜びも悲しみも幾歳月」として映画化されました。辺境の地で助け合って生きる夫婦の喜びと悲しみの歴史が刻まれ、互いを見守り生きる夫婦の姿が多くの感動を呼びました。高峰秀子さんと佐田啓二さんが田中さん夫婦を演じております。残念ながら映画では魹ヶ崎灯台でのロケシーンはありませんでした。
若山彰さんの主題歌も大ヒットしましたね。懐かしい歌です。
魹ヶ崎灯台③


田中さんは初就任の昭和8~15年の他に昭和32年から44年まで魹ヶ崎灯台長として2度目の灯台守を勤めていました。
先日灯台までの往復を歩いてみて感じました。今でも車が通れなく、近くに民家ももちろんお店もない辺鄙な地で19年間暮らしていたのかと思うと、買い物はどうしていたんだろう、病気の時病院には行けたんだろうかなどと涙が出るほど切ない気になりました。
平成8年4月からは無人化されており、今では釜石海上保安部が管理しているようです。

※次回は海から見た魹ヶ崎灯台を取り上げてみます。


ただ今の二十四節気は「立秋」です。詳しくは8月7日付の「日本の季節・立秋」をご覧ください。次の二十四節気は8月23日の「処暑」です。8月22日頃までにご案内いたします。

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北国岩手の四季と歳時記に取り組み、素朴な田舎生活を自由気ままに散策しております。

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