甘酸っぱい香りが漂う梅まつり

二十四節気雨水の次侯(だいたい2月23日頃から2月28日頃)は「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」です。
霞がたなびき始める時季、来る春への期待がふくらむ、という意味です。
霞(かすみ)は読んだり書けたりしますが、靆(たなびく)は、なかなか憶え切りません。この霞、気象用語ではありません。春でも秋でも霧という表現を使います。霞とは霧や靄(もや)、スモッグなどで空がかすんで見えることを表した抽象的な言葉です。霧や靄は地面に接して現れる雲のことであり、どこが違うかというと、1km先のものが見えるときを「靄」、1km先のものが見えないときを「霧」と 呼び分けているそうです。
「さくら」の歌詞に「霞か雲か」とあるように、霞は春の風物詩ですが、文学の世界では「霧」を秋の季語としているようです。さらに春の霧や靄 を「かすみ」、春の夜の霧や靄を「おぼろ」と読んで使い分けているそうです。

梅

花見といえば桜より梅
さて、霞の講釈はそれくらいにし、雪深い地方は別にして2月といえばそろそろ山菜も芽を出してくる頃です。
雪の間から芽を出すふきのとうも、独特の香りとほろ苦さに春の息吹を感じさせます。
またこの時期になると各地で「梅まつり」が始まります。
梅は奈良時代以前に、中国文化と共に遣唐使が薬木として、日本に持ち帰ったものといわれています。日本の風土によく合い、平安時代に広く普及しました。薬としてだけでなく、食用としても使われていたのです。
古くは花見と言えば桜より梅でした。梅は桜にくらべ派手さはありませんが、独特の可憐さがあります。また、種類が多く、香りもよく、見頃が長いのも特徴です。
早いところでは1月下旬から咲き始め、2月中旬から3月中旬くらいに見頃を迎えます。まだ少し寒いですけど、有名神社では野点や伝統芸能の奉納などもあって、なかなか風流な梅まつりを楽しむことができます。

北野天満宮では芸舞妓さんの野点サービス
梅の花がよく似合う京都の北野天満宮。菅原道真が太宰府で非業の死を遂げた後、都では天災が続きました。人々は、それを道真の祟りだと畏れ、霊を慰めるために建立されました。北野天満宮では道真が亡くなった2月25日を命日とし、毎年この日「梅花祭」が行なわれます。梅の花を借景した花街の芸舞妓さんたちによる野点大茶湯は華やかでしょうね。

太宰府天満宮には都から一夜にして飛んだ飛梅
同じ日、九州の太宰府天満宮でも梅花祭が行われます。無実ながら政略により京都から大宰府に流され、生涯を終えた菅原道真を祀る天満宮は、梅の名所としても親しまれております。その梅は、「飛梅」と呼ばれ、道真公を慕って、都から一夜にして飛んできたと伝えられる御神木です。6000本約200種の梅の花は清らかな香りを漂わせ神苑に早春を告げてくれます。

梅の名所でもある受験生の守り神 湯島天神
受験生の合格祈願としてお参りされてきた東京の湯島天神は、江戸時代より「梅の名所」として多くの庶民に親しまれて来ました。2月8日から3月8日に開催される梅まつりは、約300本の梅が境内を彩り、期間中延べ45万人の賑わいとなるそうです。毎週日曜には野点のサービスと白梅太鼓が披露され、梅まつりを盛り上げてくれます。

徳川斉昭公開設の偕楽園には梅3000本
日本三名園のひとつ水戸の偕楽園は、1842年(天保13年)に水戸藩第9代藩主徳川斉昭公(なりあきこう)が「衆と偕(とも)に楽しむ場」として開設されました。園内には約100品種3,000本の梅が植えられ、梅まつりとして毎年2月20日~3月31日には全国から大勢の観光客が訪れています。今年も2月16日には梅の開花があったようです。期間中の日曜日は観梅デーとして、梅香の下で雅な野点茶会や琴の野外演奏会などが行われているそうです。

他にも全国各地で「梅まつり」が開催されています。「2013梅の名所へでかけよう」でお近くの梅園、梅まつり情報をご覧になり、観梅をお楽しみください。

桃 桜
ところで、桜と梅と桃の花の違いご存知ですか。開花時期がずれていると分りやすいかもしれませんが、同時期に開花するとなかなか見分けがつきませんよね。
なんと、梅も桃も桜も「バラ目・バラ科・サクラ属」の植物。似ているのも当然ですね。いずれも一重のものは花びらが5枚ですが、見分けるポイントは花の付き方と花びらの形です(詳しくは2011年2月15日の過去記事「梅は咲いたか~、桜はまだかいな」を参照)。
種類によっては例外もありますが、基本情報として知っておくと便利です。ご存知の方もご存知でない方も、ミニ知識としてお役立て下さい。



商品は左から梅酒、梅干、梅肉エキスです。詳しくは写真をクリックしてご覧ください。


参考サイト:ぴおAll About北野天満宮大宰府天満宮湯島天神水戸偕楽園
写真素材:写真素材-フォトライブラリー

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実るほど頭を垂れる稲穂かな

長い長い夏も終止符を打ち、ここにきて秋も深まってきたようです。例年ですともう紅葉前線が南下しているはずなのに、今年は北海道のスタート地点から若干遅れが出ているようですね。岩手の高原も10月14日時点で、まだまだ青葉が生茂っておりました。萌えるような紅葉はいつやってくるんでしょうね。

さてさて紅葉の足踏みを待たず、各地の田園には黄金色の稲穂が頭(こうべ)を垂れています。秋といえばお米の収穫期でもありますね。皆さんの地域では稲刈りはすみましたか。今年も豊作のようで、こちらでも10月の初旬頃が稲刈りの最盛期でした。ホクホクと艶やかな新米早く食べてみたいですね。

田園風景
一面黄金色の稲穂が広がる田園は秋を代表する風物詩ですね。

10月15日から25日にかけて、伊勢神宮ではその年に取れた新米を最初に神様に捧げて感謝する神嘗祭(かんなめさい)が行われます。外宮では10月15日宵・16日暁、内宮では10月16日宵・17日暁に、新穀を由貴大御饌(ゆきのおおみけ)としてお供えされますが、関連行事は25日まで続くそうです。神宮の正月とも言われる最も重要な行事なんですね。
このあと11月23日には宮中で天皇が新穀を神に捧げる新嘗祭(にいなめさい)が行われます。天皇陛下が、皇居の神嘉殿(しんかでん)において新穀を天照大御神(あまてらすおおみかみ)はじめ神々にお供えになり、神の恩を感謝なさったあと、天皇陛下自らもこれをお召しあがりになるという祭りです。
このふたつの行事は農業を中核産業とする日本にとって重要な儀式だったんですね。

信仰の篤い方ならこの行事が終わるまで新米は控えるそうです。皆さんのご自宅でも、いただき物はまず神棚や仏壇にお供えするように、新米は神棚に供えた後、ご家族皆さんで味わうそうなんですよ。地方によっては今でもそのような慣習を継承してるところもあるようですね。


稲穂 稲穂乾燥
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。見てください。お米の重さで稲穂が垂れさがっています。昔は家の庭先や稲刈りの済んだ田圃に刈り取った稲を干していました。地方によっても干し方は違うようですが、私の田舎では写真(右)のように5段組み位のイナキ(天日干し)に稲を干していきます。イナキは丸太を紐で縛ったもので、下から稲を放り投げる者とそれを受け取ってイナキに干す者と2人1組で作業していました。子供だった私は下から放り投げる役目で、一番上には竹で稲をひっかけ放り上げていました。お米がぎっしり詰まった稲は重いんですよね。


稲刈り 玄米
今ではコンバイン(写真左)で稲を刈取り、籾の脱穀、わらの処理(裁断など)など一括して行なわれております。昔の稲刈りとはちょっと趣が変わりましたね。あっという間に稲刈りは終わってしまいます。
イナキで干したお米はだいたい1週間位で乾きますが、その間に葉や茎に残っていた養分を米粒の中に送り込むため、美味しいといわれているんですね。そのイナキ、この時季の風物詩でもありましたが、今ではあまり見かけなくなりました。
しかし、農家では身体が楽になった半分、農作業の機械化によってお金の工面が大変になってきたようです。

子供の頃「お米はお百姓さんが苦労して作られたんだから、一粒も残してはいけません」などと、躾られてきたと思います。私のうちでは米作農家でしたからそれ程の深刻さはありませんでしたが、今の飽食時代、米の大切さが忘れられてきているような気もします。日本の主食でもある米を、もう1度見直したいものですね。


★24年産岩手県南ひとめぼれ★
コシヒカリに継ぐ2位の座に輝きつづけたひとめぼれ。いまやコシヒカリを越えたおいしさです。その秘密はあっさりして粒が大きく柔らかい、ところかな。
お米の全国食味ランキングで8年連続17回目の最高位特A、受賞は何より強い味方ですね。
私も毎日食べてますが、ふっくらとした炊き上がりには、コシヒカリに負けない柔らかさと絶妙な粘りがありますよ。



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草魂や たくましい野草 秋の七草

二十四節気の白露を過ぎたというに、今年は今だに夏の衰えを見ませんね。例年だとこの地方、今頃は過ごしやすい気候を迎えているのに、今年は9月になっても30℃を越す真夏日が続いています。異常気象ですね。

エコロノグサ

さてさて猛暑酷暑が続いているとはいえ、自然界には小さな秋が忍び寄ってきてます。セミの鳴き声が遠くなり、里山にまでトンボが舞い降りてきました。夜は秋の虫が大合唱。お花畑には雑草が勢いを増してきました。
雑草といえば、踏まれても踏まれても立ちあがる「雑草の魂」。プロ野球近鉄(現オリックス)鈴木啓示投手の座右の名「草魂」が思い出されます。
庭や畑をお持ちの方はご存知でしょうが、雑草って抜いても抜いてもしばらくするとまた生えてきますよね。そのたびに草取りをしたり、草刈り機で刈るんですが、何ともしがたい不屈の精神です。見習いたいものです(笑)。

ところで雑草と野草という言葉がありますが、その違いは何なんでしょう。調べたら雑草とは人が管理している土地に生えて、花や野菜の栄養を奪ってしまう邪魔な植物なんですね。同じ植物でも、土手や荒地に生えてくれば、それは野草と呼ばれ、美しい花を咲かせたり、時には食べられたりもするんですね。要するに、人の勝手な都合で、時には雑草になり、時には野草になるのです。「役に立つもの」と「厄介もの」とでは大違いです。雑草も時には野草になることをお忘れなく。

この頃の野草には鑑賞用の七草があります。厳しい冬を乗り越えるために食する春の七草とは違います。秋の七草は8月のお盆をすぎた頃、まだ残暑の厳しい頃に花を咲かせ始め、夏もあと僅かであることを知らせてくれます。
山上憶良は「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌の花」と詠んでいます。
皆さんご存知のように秋の七草は、おみなえし(女郎花)、おばな(尾花(ススキのこと)、ききょう(桔梗)、なでしこ(撫子)、ふじばかま(藤袴)、くず(葛)、はぎ(萩)の七つですよね。(秋の七草の写真は過去記事2010年09月28日「紺青の空に映える秋の七草」をご覧ください)
それはそうと、夏の七草があるのをご存知でしたか。戦時中の食糧難にも食べられる植物として、日本学術振興会が1945年に選定したんだそうです。「アカザ、イノコヅチ、ヒユ、スベリヒユ、シロツメクサ、ヒメジョオン、ツユクサ」。シロツメクサといったら三つ葉のクローバーですよ。戦後の食糧難は大変だったんですね。今の飽食時代にはとても食べられません。

普段気にも止めないですが、いつも草刈りの時気になる雑草がありました。名前の分るものばかりですが、中には摘んでしまうのがかわいそうな雑草もありました。
エノコログサ(別名 ネコジャラシ)※写真はトップ画像参照
道端や空地でよく見かけますよね。密生して生えるんですよ。葉は薄く線形で先は尖って毛がありません。この時季になると円柱状で緑色の穂をつけています。別名ネコジャラシといわれる位ですから、その穂をネコに遊ばせるとよくじゃれるそうです。

ススキ ススキ(オバナ)
堤防や草地によく見られます。草丈は2m程になり、オバナとも呼ばれ、秋の七草の1つでもあります。仲秋の名月にはお団子とともにお月さんに供えますよね。葉の縁にはギザギザがあり、下手をすると手を切ってしまうこともあります。



タンポポ セイヨウタンポポ
道端や庭などでよく見かけます。ヨーロッパ原産の植物で、黄色い花がかわいいんですけどね。葉は根元から生え、なかなか抜けないんですよ。花は通常春に咲きますが、今頃咲いているのも見かけます。



ミズヒキ ミズヒキ
日陰によく生育しています。まばらに花をつけ、長い期間花が咲いているように見えます。花期は今頃から11月頃まで咲いています。名前の由来は細くて長い花穂を祝儀封筒や進物にかける水引にたとえたものなんだそうです。



ヨモギ ヨモギ
畦や草地に生えていますね。雑草といってもヨモギ餅を作って食べることもありますから、野草といった方が親しみがありますね。ヨモギは葉の裏の絹毛から「もぐさ」を作りますよね。他にもヨモギ酒、ヨモギ風呂、煎じ薬などが作られています。草刈りの時はなるべく残すようにしているんですが、残すと増えるんですよ。増えたところで、自分でもぐさを作れるわけでもないですけどね(笑)。

今日も雑草と格闘です(笑)。


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★雑草も立派な意味のある、いとしい植物。挿絵も文章もほのぼの優しく、柳宗民さんの人柄が偲ばれます。ふと空いた時間に眺めると心が和む一冊。
イラストが美しく、文章からは植物への愛情が感じられます。幼い頃に慣れ親しんだ、道端の雑草たちを懐かしく思い出します。
<レビューより>★




参考サイト:Wikipediasyngenta波田研究室「植物雑学事典」

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