• 2016
  • 11/30
  • Wed

国指定文化財の神楽に酔う

皆さん神楽ってご存知ですよね。神道の神事において神に奉納する歌舞なんですけど、神楽って聞くと、何だか暗く感じませんか。鬱蒼と樹木が生い茂る山奥で、山伏が修験し祈祷するため伝承してきた神の舞、という感じに思ってしまうのは私だけでしょうか。
でも実際に神楽の舞を見ていると、そんなマイナーなイメージはありませんでしたね。
一つひとつの舞にも謂れやストーリーがあり、紐解いていくとなかなか味のある舞いを見ることができます。

神楽は平安中期に様式が完成したとされ、約90首の神楽歌があるそうです。全国に散在しており、その代表的な神楽が宮中の賢所で行われる御神楽(みかぐら)といわれております。民間で行われている神楽は里神楽(さとかぐら)といわれており、鈴・扇・笹・榊・幣など依り代となる採物を持って舞う「巫女神楽」や出雲系神楽の流れを汲む「採物神楽」、釜で湯を沸かし、巫女などが自身や周囲の人にその湯をかけて清める伊勢流の「湯立神楽」、獅子頭を神体として祈祷する「獅子神楽」などがあるようです。

突き詰めると神楽の世界は奥深いものがあるようですが、ここでは割愛します。神楽に関心のある方はネットで検索してお調べください(笑)。
わが町宮古にある黒森神社の神楽はそのうちの「獅子神楽」に当てはまります。詳しくは過去記事「寒の入りです」「神楽の舞で悪魔払い」をご覧ください。

その黒森神楽は10年前の3月、国の重要無形民俗文化財に指定され、岩手県沿岸部を中心に伝承のための巡行活動を続けております。
東日本大震災、さらには先の台風10号の災害などの影響を受けながらも、先日27日には「指定10周年記念公演」が行われました。

161130五大龍①

161130五大龍②300席程のホテルの会場は満席となり、周りには立ち見の観客でギッシリ。人気があるんですね。
最初の出し物は「五大龍」。5人の龍神が激しく舞って祓い清めます。刀を差し、扇を持っての舞いは曲芸的で、まるでアクロバットを思わせるような激しい舞いでした。手に汗を握るとはこのことでしょうか。刀くぐりや八艘飛びまがいには観客からやんやの喝采です。最初から熱気がこもっています。
神楽ってこんなに曲芸まがいの舞だったんですね。





161130榊葉
「榊葉」。直面(ひためん)に鳥兜を被り、女物の襦袢に脱ぎだれで襷を掛け、榊幣、扇などを持って舞います。黒森神楽独特の激しい跳躍と回転を伴います。入門者が最初に習う基本の舞なんだそうです。
舞いの途中で反り返ったりして、後ろに倒れないものかと気が気ではありません。身体が柔らかい若い人でなければできませんね。

161130鐘巻① 161130鐘巻②
3番目の出しは「鐘巻」。日本各地の名所、寺社を参詣する長者の姫が、女人禁制の鐘巻寺を訪れるも参詣を諦めきれず、寺の鐘を撞いた姫は蛇の鬼神にされるという内容。そこに通りかかった山伏の修行僧が祈祷によって鬼神を祈り伏せたというストーリーです。
これこそが山伏神楽の修験呪力を示したともいわれる演目でした。

これにて午前の部は終了。まだまだ記念公演は延々4時間続きますが、この後予定が入っていたのでここで退散です。
記念公演ということで普段ではなかなか見れない演目がギッシリ詰まっていたようですが、またの機会にということで、後ろ髪を引かれるように退場しました(笑)。

ここで余談になりますけど、よくテレビや寄席で唐傘を広げその上を丸いリングや四角い枡をクルクル回す曲芸(ジャグリング)を見ますよね。すごい器用な技だなと思ってみてたんですけど、あれって元をただすと神楽の部類なんですってね。初めて知りました。




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  • 2016
  • 11/25
  • Fri

みちのく潮風トレイルをトレッキング

みちのく潮風トレイル」。あまり馴染みのない名前ですが、青森県八戸市から福島県相馬市までの海岸線を繋いだロングトレイルです。
これは環境省が推奨する雄大な太平洋を結ぶ長い道で、総延長700㎞余あるといいます。各地の自然歩道と比較するとまだまだ短いですが、東北の復興の歩みとしていま整備しているところです。
その最大の魅力は、海の景観をダイナミックに感じるスポットの豊富さにあります。

現在断続的に開通している部分を先日トレッキングしてきました。


潮風トレッキング①前日の雨が嘘のように晴れあがった立冬の、とある陸中海岸。真崎漁港の朝9時半からは潮風トレイルトレッキングツアーの出発です。
年配者からお子様連れのファミリーまで、参加者20名はこれから続く6㎞にわたるロングコースに向け、ガイドさんの指導により軽いストレッチで身体をほぐします。

潮風トレッキング②秋色に染まるトレッキングロードの落ち葉を踏みしめながら、自然を歩く楽しさを存分に味わえます。
枯れ枝となった樹木からは森林浴の効果はあまりありませんが、小鳥がさえずり、飛び交う姿を見ていると、自分はいま自然の中に立ちすくんでいるという感触を肌に感じ取るひと時でもあります。

潮風トレッキング③出発して約10分、岸辺に押し寄せる荒波を望みながら、アップダウンのコースが続きます。断崖の続く陸中の岸辺は尾根を踏みしめるように歩を進めます。
そろそろ息が切れてきました。日頃の運動不足を感じる時です。
冷たい太平洋の潮風が汗ばんだ身体に心地よく吹き渡ります。

潮風トレッキング④降り立った浜辺には廃棄物の残骸が山と積まれております。流れ着いた漂流物ではありません。
東日本大震災の津波により消失した沢尻園地の東屋の残骸なんだそうです。以前はここで静かな海のさざ波を眺め、寛いでいたのかもしれません。残骸からは5年半を経た今でもその悲惨さが伝ってきます。

潮風トレッキング⑤しばし休憩。この先浜辺に降りられるところはここしかありません。たっぷりと磯遊びを楽しませてもらいました。
穏やかな波と戯れていると、静寂な時を過ごせますが、ひとたび荒波が押し寄せると傍若無人に甚大な被害が発生してしまいます。想像を絶する自然の振る舞いには絶句。

潮風トレッキング⑥沢尻園地を後に、トレッキングツアー一行は車道に出、南下します。
やがて道の右手には宿泊施設「渚亭たろう庵」が見えてきました。東日本大震災の津波遺構として残っている「たろう観光ホテル」が昨年完成させたものです。全13室露天風呂付と近くの田老漁港からの新鮮な魚介類が好評のようです。

潮風トレッキング⑦「渚亭たろう庵」の目の前は三王園地。展望台になっており、田老湾と名勝三王岩を見ることができます。
ここで一行は昼食休憩。弁当付きです。宮古の美味しい魚介類がぎっしり詰まった弁当はトレッキングで疲労した空腹感を満たしてくれます。広い園地からは水平線が広角に遠望でき、雄大な気分になります。

潮風トレッキング➇園地から眼下に広がる太平洋には男岩を中心に、左に女岩、右に太鼓岩を従える県の天然記念物「三王岩」が望めます。
腕が悪いせいかあまり良く写ってません。この三王岩、大震災前には目の前まで行くことができました。今は遊歩道が津波で破壊され、近くまで行けません。

潮風トレッキング⑨大震災の津波遺構として残された「たろう観光ホテル」です。
当時津波は6階建ての4階まで達し、1,2階部分の骨組みだけ残りました。保存工事が終わった今年4月から一般公開が始まり、「学ぶ防災」ツアーで当時の経営者が必死でとった津波のビデオがご覧になれるそうです。撮影中恐怖だったでしょう。

潮風トレッキング⑩GPS衛星の測量によれば、震災前より矢印方向に2.18m移動し、0.31m地盤沈下したそうです。
津波だけじゃなくて地殻変動にも大きな影響があったんですね。2mも移動したとなると地主さんはどうなるんでしょうか。地権者同志の争いにならなければいいんですが。


潮風トレッキング本日の潮風トレイルトレッキングツアーはこれで終了です。
私のような高齢者や子供向けに企画されたツアーで、ゆったり気分で参加できました。この付近は単独で見てはいますが、ガイドさんがいないので詳しくは分かりませんでした。これでトレイル通になれます(笑)。
ガイドさんありがとう。


※ご覧になる端末によってレイアウトが崩れることがあるかもしれませんが、お許しください。



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  • 2016
  • 11/20
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伝統文化の盆栽に降り積む小雪

161120盆栽

北国や山沿いでは初雪が舞い始める頃、すでに積雪が見られるところもあります。
旧暦10月の小春、この時季移動性高気圧に覆われる平野部では暖かくなることもあります。
小春日和の陽気に誘われ、市民文化祭に出展したミラクル盆栽。
日本の伝統文化でもある盆栽は、いま欧米で生きたアートとして人気が高まっております。
盆栽はアート、命のある、変化するアートとして捉えられており、
コンパクトにまとめられ、生きていてどんどん変化していくところに魅力が感じられるのでしょう。
風格ある木とともに日本文化を世界に根付かせたいところです。

11月22日は二十四節気の「小雪」です。



二十四節気
上のバナーをクリックすると歳時記の概要をご覧いただけます。



第二十節気 小雪 しょうせつ                11月22日

11月22日からは二十四節気の二十番目「小雪(しょうせつ)」に変わります。
雪が降り始める頃。まだ積もるほどではないところから「小雪」と呼ばれております。
気温も下がり、「冷えるが故に雨も雪に也てくだるが故也」地上に舞い降りる季節になりました。
雪は地上の気温が3℃、上空1500m付近が-6℃程度になると降り始めるといわれております。
寒暖の違いはありますが、年々初雪が見られるのはまちまちで、北海道では通常10月には観測されます。冬とは言え高い山を除いては、まだ雪はさほど多くありませんが、朝、息が白くなってきます。
季節的には冬将軍がやってくると言われる時期ですから、北国ではコタツを出したり、石油ストーブを準備する家が増える頃でもあります。西日本では夏みかんを収穫する季節に入ります。

ここ宮古も区界峠には先日初雪の便りが届きましたが、沿岸一帯はまだまだ晩秋の季節です。紅葉の落葉が始まり、連日庭先の掃除が日課になってきました。
12月に入ると時折り厳寒によるしばれ雪が見られますが、積雪は年が明けてからになるでしょう。
北国はこれから長~い冬路を迎えます。

12月の声を聞くとクリスマス商戦と共に賑わうのが、お歳暮商戦でもあります。この時期どこの商店でもお歳暮コーナーが設けられ、多くの見本が展示されます。
最近ではインターネットショッピングの普及で贈る方も増え、歳末商戦もその様相が変わってきたようです。



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